夏 【第二回カクヨム短歌・俳句コンテスト 二十句部門】

一条 灯夜

暑さ増す季節に

6月の あまりの暑さに 初夏探し


迎え梅雨 去りし後には 雲が来ず


梅雨雲が 広がりはすれど 落ちてこず


夕立が 爆ぜ落ちる渦に 取り残され


肌を打つ 雨粒さえも 熱を帯び


空梅雨に カエルではなく 虫が鳴く


桜の葉 傾げた裏に 蝉の殻


夏霞 蝉の音だけが 響く森


麦藁帽 早苗蜻蛉も 樹脂製に


クーラーも 打水欲しがる 令和の夏


夏風邪に コロナ思い出し 養生す


今も尚 雷の音は 猛々しく


短夜に 更に短い 夢を見る


青梅を 漬け込む前に 酒が減り


冷酒注ぎ 鮎を炙りて 空を見る


烏賊釣の 灯りを眺めて 烏賊で呑む


簡単な 水飯がなぜか 懐かしい


ソーダ水 今は自宅で 作りけり


ビー玉を 落として溢れる ラムネ瓶


ラムネ瓶 懐かしみながら 手は麦酒

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夏 【第二回カクヨム短歌・俳句コンテスト 二十句部門】 一条 灯夜 @touya-itijyou

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