第2話:エッチをするとかしないとか。

ルシアンと付き合うようになって早速初デート。


ルシアンはお墓フェチらしい。

ってことで僕は霊園に連れて来られた。

ドラキュラでも出てきそうな雰囲気の不気味な墓地。


「あのさ、デートって普通、映画鑑賞とか遊園地とかそう言うところに

行くんじゃないの?」


「ありきたりなデートしてもつまんないかと思って・・・」

「ごめんね、好郎よしろう・・・手前味噌で」


「まあいいけど・・・」


「私ね、この墓地でゴーストたちと話をするのが好きなの?」

「好郎はそういうのキラい?」


「キラいっつうか、人と話をするのは好きだけどゴーストとはあまり

仲良くなりたくないかな」


「死んでるやつと話すと面白くて楽しいよ」


「ルシアン・・・君、女の子にしては変わった趣味だよね」


「そうなの、人間はなかなか理解してくれないんだよね」


「人間は?って・・・それはまたどういう意味?」


「だから人間・・・好郎みたいな人のこと」


「うん、それは分かる、バカじゃないからね」

「だけどルシアンだって人間でしょ?」


「あれ?知らなかった?私人間じゃないから」


「うそ、どこからどう見てもすご〜くエロっぽい人間のギャルにしか見えない

けど・・・」


「エロっぽいてなに?」


「いい意味で言ったんだよ」

「ルシアンを見てると、めっちゃエロ衝動にかられるんだ」

「でさ、僕の下半身が勝手に言うこと聞いてくれなくなってさ・・・」

「小さくな〜れ、小さくな〜れって呪文をかけなきゃ大変なことになっちゃうんだ」


「面白いね好郎・・・ますます好きになっちゃう」

「もっとエロい気分にさせたくなるよね」

「言っとくけど、私、間族だけどエッチして人間のエキス吸ったりしないからね、

安心していいからね」

「私みたいなキャラ、そういう設定にされることよくあるから」


「だけど好郎と一度でも結ばれちゃうと、好郎の愛がないと私、干からびて

死んじゃうからね・・・だから好郎は彼氏としての責任重大だよ」


愛、すなわちそれって好郎のエキスじゃないのか?


「僕、自信ないな〜」


「なに、弱気なこと言ってんの・・・しっかりしてよ」


「ん〜・・・結ばれちゃうってことはエッチするってことだろ?」

「エッチした時から死がはじまるなら、ずっとエッチしなきゃいいじゃん」


「好郎・・・我慢できるの?エッチしなくても?」


「だけど恋人がダメって言ったら無理強いできないじゃん?」


「エッチなしで恋人だって言えないでしょ、なにヘタレなこと言ってんの」

「エッチ前提で恋人って成り立ってるんだからね」

「なくても平気なの?・・・淡白な男・・・好郎って」


「だってイヤだって言ってるのに無理やりするわけにはいかないだろ?」


「強姦されたって私は今どきの女みたいにすぐに週刊誌に売ったり訴えたり

しないよ」


「怖いよね、それって・・・訴えられたら男は、おしまいだよな」


「私は好郎をおしまいな男になんかしないから」

「だからエッチしたいって思ったらいつでも襲っていいよ、好郎」


「したいって思ったら、ちゃんとさせてって申告するよ」

「つうかさ・・そろそろ帰ろうよ・・・なんか背筋が凍りそう」


なわけで僕はルシアンにちゃんに申告した。

エッチさせてって・・・。

襲ってもいいよって言ったくらいだから、当然さえてくれたんだけど間族の女

なんか抱くもんじゃない。


エッチするたびに僕はどんどん老けていく。

このままエッチし続けると僕の寿命はきっとあと一年もたないだろうな。


間族はそうやって男から男に渡り歩いて延々一族を存続してきたんだ。


おしまい。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

マニッシュ。〜吸い取っちゃってもいい?〜 猫野 尻尾 @amanotenshi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画