第91話 百五日目 其の二
竜巻が見えた方向に走り出す。
どうして、こんなに焦っているのか分からない。
ただ、何故かどうしようもなく不安になったのだ。
遭遇するモンスターを無視してひたすらに走る。
木々がこんなにも邪魔に感じるとは思ってもみなかった。
そういえば、ポッタクルー置いて来てしまったなと少しだけ焦るが、あとで回収すれば問題ないと後回しにする。
モンスターに壊されていたら、それはその時だ。
「…………東風、騎士、武、瑠璃、元」
到着して目にしたものは、全力で否定したい現実だった。
血溜まりで横たわる五人の亡骸と見て、俺は膝を突いた。
何が起こっている? こいつらはボスに挑戦したんじゃないのか?
これはなんだ? 質の悪いドッキリか?
次の瞬間に起き上がって、俺を驚かせるんじゃないのか?
疑問が浮かんでは、目の前の光景を否定したい思考に取り憑かれる。
「……千里は?」
五人の亡骸を見て呆然としていたが、その中に千里がいないのに気が付いた。
どこに、どこに行った?
攫われたのか? ならどこに?
俺は立ち上がり辺りを見回す。
何か手掛かりはないのかと確認しようとすると、乾いた重低音が聞こえてきた。
「あっちか!」
音が鳴った方向へと走り出す。
この先にいるのは、千里ではないかもしれない。それでも、魔銃のような特殊な武器を持つ人はそんなに多くはなく、俺が知っているのは千里だけだ。
それに、30階で探索をしている人物は極端に少ない、ならば千里である可能性は十分にある。
音がした場所まで距離はあるが、それでも全力で走れば一分と掛からないはずだ。
俺は焦る気持ちを押し殺して、先を急いだ。
たどり着いた先で見たものは、槍を持った男が千里を殺そうとする場面だった。
体が勝手に動く。
千里を救うために、身体強化を使い飛び込むように間に割って入った。
戦斧と槍が激しくぶつかり火花を散らす。
槍の男は乱入した俺を見て驚くが、それも一瞬で終わり、力を増して押し込んで来る。
だが俺も負ける事はなく、踏ん張りそれに応える。
男は俺が動かないと判断したのか、穂先を返し石突きで殴打に切り替える。ならばと俺も石突きで応え、ガンと鈍い音を出して止まった。
「貴様ら何やってんだ」
この言葉は、死角に隠れているもう一人の男も含めてに向けたものだ。
横目で見ると、もう一人の男は魔法使いのようで軽装に黒いローブを纏い、杖を持っていた。
槍の男は返事とばかりにフッと笑うと、槍を回転させ下がりながら穂先を振り下ろす。だが、空間把握で正確に捉えている俺には通用せず、一歩下がるだけでその攻撃をやり過ごした。
「やるな、お前。そいつらの仲間か?」
槍の男は何が楽しいのかニヤニヤと笑みを浮かべている。
「……そうだ。どうして千里を襲った?」
「千里? ああ、その死にかけの女か」
「死にかけ?」
そう口にすると同時に、背後で千里が崩れ落ちる。
俺は慌てて振り返り抱き止めると、千里の顔色は悪く顔には発疹のようなものができていた。
明らかに外傷だけの症状じゃない。
「千里! おい千里!」
必死に呼びかけるが反応はない。
背後で槍の男はポーションだろう小瓶を取り出すと、中身を一気に飲み干す。
「諦めろ、そいつは毒にやられている。 安心しろ、お前も直ぐに送ってやるからよ!!」
男が槍を突き出し、俺と千里もろとも串刺しにしようとする。
その動きは全て把握しており、どの軌道でどのタイミングで突かれるのか理解していた。
俺は右腕に力を込め、力任せに暴君の戦斧を振り抜く。
槍に合わせて振られた戦斧は、再度槍と衝突する。だが、先程とは結果は違い、圧倒的な力で以て槍を弾き返す。
「なっ!?」
驚愕する男。
追撃とばかりに、ガラ空きとなった胴体を狙い横薙ぎに払うが、影から無数の刃が発生して攻撃を中断。俺は千里を庇いながら下がった。
男達から距離を取ると、千里の様子を確認する。
千里の呼吸は既に弱っており、生命力が著しく低下している。予断を許さない。
俺は男達を警戒しながら、治癒魔法を使用する。
本来なら人前での使用は避けたいが、この場合はそうも言っていられない。
そして何より、こいつらに隠す必要もなくなるのだから。
「……素晴らしい、治癒魔法の使い手とは」
魔法使いの男が何か言っているが、無視して治癒魔法に集中する。だが、治癒魔法の力を上げても治りが悪く、顔色が戻らない。
何がとトレースを使用して調べると、体の中にドス黒い何かが流れていた。
〝毒にやられている”
男の言葉が脳裏に過ぎる。
沸騰しそうになる思考を抑えて、毒の除去に集中する。
毒は少しづつ取り除けるが、こびり付いた汚れのように、完全に吐き出すまでに時間が掛かる。
「無視してんじゃねーよボケが!」
槍の男が突っ込んで来る。
動きが速く、鋭い。身体能力も高く、動きの練度が窺える。まともに相手をすれば、軽傷では済まないほどに強い。男を退けるならば、全力で相手をする必要があるだろう。
それでも、今は邪魔だ!
治癒魔法に集中しつつ、並列思考で地属性魔法を操る。
槍の男の足元から、土の杭が串刺しにせんと飛び出す。しかしそれは、簡単に避けられ足の動きを少し鈍らせるだけの効果しかなく、接近を許してしまう。
「しゃらくせえ!」
更に土の壁を作り出し男との間を隔てるが、それさえも破壊して迫る。
だが、少しの間、視界を塞げばよかったので、土壁は十分に仕事をしてくれた。
『速度上昇』の魔法陣を展開して石槍を放つ。
男もそれに気付いて避けようと行動に移るが、もう無意味だ。
チッと弾けるような音と共に打ち出された石槍は、男の持つ槍と衝突する。
まさか反応されるとは思わなかった。
だが、そんな驚きも一瞬で、槍に衝突した事で石槍の向きが逸れ、男の鎧ごと脇腹を抉って地面に着弾した。
「がっ!?」
止めと先程と同じく魔法陣を展開しようとすると、また影から黒い刃が襲って来る。
明らかに魔法使いの男の魔法なのだが、どうしてこんな近くから刃が飛んでくるのか分からない。
俺は今度は避けずに、魔力を流して盾を出現させると黒い刃を受け止める。強い衝撃はあるが、高い魔法耐性を持つ魔鏡の鎧の前では無意味なものでしかない。
「魔法まで防ぐか」
いつの間にか接近していた魔法使いが、槍の男の首根っこを掴んで俺から距離を取る。
魔法使いなのに、身体能力が恐ろしく高い。もしかしたら接近戦も可能な魔法使いなのかもしれない。
「お前は……そうだ、自己紹介をしていなかったな。俺は
まるで何でもないように自己紹介を始めるトオルは、今度はそっちの番だと顎を使って合図を出す。
「……田中ハルト」
本当なら答えたくはなかったが、千里の治療に少しでも時間が欲しい。あと少しで、ドス黒い毒も全て抜き取れる。それまで時間を稼ぐ必要がある。
「田中か、ありきたりな名前だな。 それで、田中は幾つのスキルを持っているんだ?」
「スキルを聞くのはマナー違反じゃないのか?」
「どうせ死ぬんだ、言った所で何も変わらん。 治癒魔法、地属性魔法、身体強化の精度が異常だ。身体強化もスキルで持っているな。戦斧の腕前も悪くなかった。戦斧技のスキルもあってもおかしくないな、これで四つだ。あと何かありそうだな、教えてくれないか?」
「その前に俺にも教えてくれ」
「なんだ?」
「あっちで五人がやられていた。 ……あれをやったのはお前らか?」
「そうだが、それがどうかしたか?」
「……どうして殺した? あいつらが何かしたのか?」
なんだよこいつの反応は、怒りで頭がおかしくなりそうだ。
何であいつらが死ななきゃならないんだ?
あいつらは人に危害を加えるような奴らじゃない、それくらい俺でも分かるんだ。
だから、何でこいつらは殺したんだ。
「そうだな……殺す必要があるときに、偶然彼らが来たからだな」
「……なんだよそれ」
丁度、千里の治療が終わる。
毒を排出したとき、黒い雫が地面に落ちた。
千里の呼吸は安定しており、もう大丈夫だと安堵する。
千里を木の麓に預けようとすると、丁度ポッタクルーが到着した。
「停止だ」
ポッタクルーを停止させると、台車の中に千里を寝かせる。外にいるよりは、この中の方が安全だからだ。
だからもういいだろう。
もう、我慢しなくて。
「貴様らを殺す!!」
身体強化を全身に施すと、一気に加速して肉薄する。
トオルに向かって戦斧を振り下ろすが、間に割って入ったアキラが槍で受け止め応戦してくる。
重傷を負っていたはずだが、傷は癒えており鎧は破損したままだが普通に動いている。
「どうした! 殺すんじゃねーのか!!」
戦斧を振り下ろし、横薙ぎに払い、穂先で突き、連続して攻め立てるがアキラには当たらない。
俺とアキラの武器の扱いに差はほとんどない、それでも当たらないのは、俺が調整しているからだ。
トレースしてアキラの動きを読み取る。
技量が拮抗しているなら、相手の動きを読んだ方が優位に立てるのは必然だ。
更に、暴君の戦斧は連続で繰り出すほどに、威力を増していく特性を持っている。
だからこそ俺は徐々にスピードを上げ、勢いを増し、威力を最大限まで引き上げるように連続して振るう。
数が積み上がる毎に、アキラの表情が厳しいものに変化する。戦斧の威力が上がっているのに気付いたのだろう。
連撃が五十を超え、百が目前にした時、暴君の戦斧は赤熱し効果を最大限まで引き上げた。
そして、最大の一撃をアキラ、ではなく後方から迫るトオルの魔法に向けて体勢を変えた。
その魔法は黒い津波のようになって迫って来ており、通過した森の木々は根本から折れていく。
アキラを巻き添えにした魔法なのかと思ったが、ギリギリのタイミングで離脱していたので、良く使う方法なのだろう。
「カッ!!」
黒い津波に向かって、全力で暴君の戦斧を振り下ろす。
その威力は黒い津波を呆気なく吹き飛ばし、その全てを無力化する。
「何という力。いや、武器の能力か?」
「兄ちゃん、こいつ強いぞ」
「ああ、時間も残り少ない。アキラ、全力で行け」
「ああ」
二人が短い会話を終えると、アキラが前に出る。
トオルは離れるように移動すると、影に沈むようにして姿を消した。
アキラは槍を肩に担ぎ、俺と距離を取って立ち止まる。
「おい、田中とか言ったな。悪いがさっさと死ね。
そう叫ぶとアキラは体に力を込め、一回り大きく変化して行く。
まあ、そんな分かりやすい隙を見逃すはずもなく、俺は一気に距離を詰めると、容赦なく戦斧を振り下ろし鎧ごと体を斬り裂いた。
「ガッ!?」
まさか攻撃されると思っていなかったのか、理性を失いそうになっていた目には光が戻り、体も中途半端な状態で止まっている。
変身ヒーローが無事に変身できるのは物語の中だけだ。
殺し合いをしているのに、馬鹿正直に変化を晒すのは殺してくれと言っているようなものだ。
「バカが! あれほど無防備に変化するなと言っただろう!」
焦って姿を現したトオルの影から、複数の黒い蛸足が現れる。それは人よりも太く、うねうねと動いたと思ったら、一斉に襲い掛かって来た。
伸縮をバネとして一気に伸びて来た蛸足は、突き、上部からの落下、横薙ぎに払われる。それを繰り返し避け、戦斧で斬るが、あっという間に足は繋がり再び襲って来る。
ならばと、本体を狙おうとするが、今度こそ変身に成功したアキラに槍の突きを食らい吹き飛ばされた。
アキラの攻撃は続く。
突きを辛うじて戦斧で防げたが、落下し地面を転がった直後に連続した突きに見舞われる。
これまでよりも格段に速く、強く、鋭い突きを全て防ぐのは困難だ。ましてや地面に転がっていては、不可能と言っていい。
魔鏡の鎧に風穴を開け、到達した槍が俺の体を貫く。
何度も何度も繰り返され、俺は血を吐き出した。
「ガハッ」
「あははは! お前、もう終わり! 終わり!」
知能指数が下がったような言動をしており、人を殺めるのを楽しんでいるように見える。
アキラは止めとばかりに、俺の顔に向けて槍を振り下ろした。
「リミットブレイク」
痛みを無視して戦斧を操り、槍を弾き返すと即座に立ち上がる。その拍子に俺の血が流れ落ちるが、気にする余裕はない。
並列思考で治癒魔法を使用しながら、アキラを殺さんと攻め立てる。
「なん、なんで、なんで、動けるんだ!?」
アキラは俺が動いているのに驚いているが、そんなの知ったこっちゃない。
暴君の戦斧を連続して振るい、再び回数を重ねて行く。
先程までは立ち止まり武技を競うように対峙していたが、不利を悟ったアキラが脚を使って移動し、俺も追うように動き出す。
トオルの魔法のせいで一面が開けたフィールドとなり、そこを縦横無尽に動き回り、アキラを追い詰めて行く。
アキラの動きは途轍もなく速い。だが、俺の方がもっと速い。
途中でトオルから針のような小さい攻撃から、黒い蛸足を出現させた攻撃まで仕掛けて来るが、それも避け、地属性魔法で壁を作って防ぎ、魔鏡の鎧の盾で対処している。
「うおおおおーーー!!」
嵐のように攻め立てる。
暴君の戦斧は再び赤熱しだし、威力が最大限まで上がろうとしていた。
アキラも命の危険を感じたのか、逃げるのを止め一か八かの賭けに出る。
「くそがーッ!!」
これまでで最も鋭い刺突。
それは正確に心臓を狙っており、食らえば即死してもおかしくないものだ。狙いも正確で、俺の動く先を正確に予測して攻撃している。
だから俺は、急激に速度を緩めてその刺突をやり過ごした。
「なっ!?」
そして即座にアキラを間合いまで接近すると、腹の位置から両断した。
ズレるアキラの上半身。
そして、アキラが落下するよりも速く、無数の黒い針が俺を取り囲む。
一斉に発射される黒い針。
俺はひたすらに戦斧を振り回して針を落として行く。
上半身は魔鏡の鎧が魔法から身を守るので問題ない、しかし、下半身は神鳥の靴を使用しているのでそうではない。
針の大半は落としたが、かなりの数が足に突き刺さっている。
治癒魔法は変わらずに使用しているから傷はどうとでもなるが、突き刺さった針が形を失い体にへばり付く。
見るとそれは足だけでなく、戦斧や鎧も同様だった。
「捕まえたぞ」
トオルが勝ち誇ったように呟いた。
俺は殺すために動き出す。
こいつは殺す。こいつらは必ず殺す。
そう殺意を高めて駆け出したのだが、トオルから不穏な魔力の流れを感じ取った。
「無意味だ」
その言葉と同時に、俺は前のめりに倒れると、体が締め付けられるように圧力が増して行く。
魔法耐性の高いはずの魔鏡の鎧が、ギチギチと音を立てて悲鳴を上げる。
「グッがッ!?」
魔鏡の鎧でもそうなれば、当然守られていない下半身は圧縮され潰されそうになっていた。
必死に耐えるが時間の問題だ。
リミットブレイクがなければ、抵抗も出来ずに潰されていただろう。つまりは、リミットブレイクが切れた瞬間が俺の最後だ。
「その鎧、高い魔法耐性を持っているな。その武器といい、スキルだけでなく装備にも恵まれているのか。その上、毒が効いた様子もない、アキラが負けるのも仕方ないか」
必死に抵抗する俺を見ながら、トオルは頷いている。その姿に死んだアキラを思う様子はなく、至って冷静に語っていた。
弟が死んだのに怒りはないようだ。
それが心底気持ち悪くて、圧力を受けるながらも俺は睨みつけていた。
「む、まだ抵抗できるか。アキラが復活するまで待つつもりだったが、止めを刺しておくべきか?」
「……復活?」
不穏な言葉を無視する事が出来なかった。
胴体を真っ二つにされて生きているとは思えない、そんな状態で生きているなら、それは人としての範疇を超えている。
「何を疑問に思う事がある? お前と同じだ。スキルがそうあるだけだ」
視線だけをアキラに向けると、確かに生きていた。
生きて、泣き別れした下半身を合わせようともがいている。
「そういう事だ。 接近戦しか能のないアキラだが、あのスキルのおかげで生き残れたようなものだ。 無様と思うか?ああはなりたくないと思ったか? ダンジョンでは生きていた者が正義だ。死んだ者に何かを言う資格はない。 どんなに無様でも生きているアキラは強者だ。 だからお前は死んでいけ、何も果たせずに弱者として終われ」
この言葉を最後に黒くへばり付いた何かの圧力が増す。
力を込めて必死に抵抗するが、万力で締め付けられているようでびくともしない。
ならばと地属性魔法による攻撃を行うが、魔法の腕前は圧倒的にトオルの方が上で、魔法による攻撃は全て無力化されてしまう。
辺りに砂埃が舞うなか、トオルが近付いて来る。
杖を振ると、杖先が刺突武器へと姿を変え、あれで止めを刺すのだと分かる。
このままでは殺される。
殺すと言っておきながら殺される。
敵討ちも果たせないで終わってしまう。
俺が死んだらどうなる?
残された千里は?
千里もまた殺されるのか?
あいつらと同じように……。
残りの魔力を使用して、魔鏡の鎧の
「うおおおーーー!!」
反射の効果で圧力が無くなり、拘束の効果が緩む。
俺は即座に立ち上がると暴君の戦斧を横薙ぎにし、杖を構えた腕を斬り落とし、体を切り裂いた。
「ーなっ!?」
油断していたトオルの表情は驚愕に染まる。これまでのポーカーフェイスとは違い、酷く崩れていた。
切られた衝撃で地面に転がる。
両腕を失い、もう杖を持つ事は出来ないだろう。
俺は魔力不足によりふらつくが、収納空間からマジックポーションを取り出して一気に飲み干した。
リミットブレイクはトオルを斬ったのと同時に解かれており、これ以上の魔力の消費はないが、ふらついた状態では止めも刺せやしない。
「兄貴!!」
アキラが起き上がり、ふらふらと歩いている。
下半身とは繋がったようだが、まだろくに動けないようだ。
「バカな!
仰向けに倒れたトオルは自分の魔法に絶対の自信があったのか、この現実を認めようとはしていない。
魔法はまだ使用可能だろう。
杖が無くても魔法は使える。それは俺が実践しているから良く分かっている。
この倒れた状態でも、トオルは十分に脅威だ。
だがもう、そんなのは関係ない。
止めを刺すのだ。
俺はこいつらの存在を認めない。
こいつらが存在する世界を認めない。
暴君の戦斧を持つ手に力が篭る。
戦斧を断頭台のギロチンにして、奴らの首を切り落とす。
俺は暴君の戦斧を振り上げ、力の限り振り下ろした。
「ーーー失礼、少々お待ちを」
そしてその刃は、黒いスーツの男に止められた。
ーーー
新島アキラ(32)
レベル 32
《スキル》
槍技 生命力増大 自己修復 凶暴化 麻痺耐性
ーーー
新島トオル(34)
レベル 34
《スキル》
闇属性魔法 魔力増大 錬金術 視力強化 毒耐性
ーーー
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