第6話 六日目

 ダンジョン四階に続く階段の前に来ている。

 目の前には百を超えるスライムの群れ。


 俺は中和剤を棍棒に染み込ませると、スライムの核を叩き潰した。


 よし、棍棒に損傷は無いな。


 俺は次々とスライムを倒して行く。

 棍棒から煙が出て来たら、再び中和剤に浸けてスライムを倒す。

 大丈夫だ中和剤はたっぷり用意してある。


 え?武器を地属性魔法で作らないのかだって?


 バカヤロウ!

 そんなもん昨日試したわ!


 トレースした武器が作れたら良いなと思い、地属性魔法で作ろうとしたら、速攻で魔力切れ起こして倒れてしまった。


 これが一階じゃなかったら死んでたね。

 気付いたのが遅くて助かったわ。


 全部のスライムを倒した後は、スライム玉を一個一個回収して行く。


 途中で足を滑らせて転んでしまった。

 このスライムめっちゃ滑る。

 ろくな攻撃しないくせに、こんなところで仕返しするとは、油断も何もあったもんじゃない。


 その後も3回転んでしまった。

 服が汚れて既に帰りたい。

 2回目に転倒した時に透明なガラス玉があったような気がしたが、手が当たったと思ったら消えていたので気のせいだろう。


 この日はスライムでドロドロに汚れた状態で帰った。

 電車で迷惑そうにしている乗客には申し訳ないが我慢してほしい。

 謝罪の気持ちをハグで表現して上げようとしたら、全速力で逃げられてしまい、駅員を呼ばれた。


 待ってくれ、俺は何も悪いことはしていない。

 えっ?臭い?


 ……ごめんなさい。



ーーー


田中 ハルト(24)

レベル 5

スキル 地属性魔法 トレース 治癒魔法


ーーー

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