第2話

「俺の仕事が終わったから、修行に連れて行ってやってもいいぞ?」

そう言ってついてこいとでも言うかのように手招きした。

「今準備しますっ。ちょっと待っててください!」

「ふん、しょうがねぇな。」

口ではそう言っているが、尻尾は素直で嬉しそうにブンブン振っている。

「ティアナ、今日は森に行って実戦をするからな。覚えておくように。」

「はーい、了解です。

…師匠、準備できましたわ。」

「じゃあ行くか。」


「あの…師匠、ここってどこなんですか?」

死の森カンクフォレストだぞ?」

死の森カンクフォレスト!?私のような見習いが来てはいけない場所じゃないのかしら?

「し、師匠!死の森カンクフォレストは見習いが来ていい場所ではないですよね!?それなのにどうして…!」

「一人前になるには15歳を超えなければいけないが、最強の魔獣使いを目指すためなら一刻も努力を惜しまない、そう決めたんだろ?」

「それはそうですが、師匠も知ってますよね?見習いが迷ってこの森に入ってしまい、死亡したという事件…。」

「ああ。知っているぞ。」

「なら…!!」

「俺だってティアナを見捨てるためにここに来たわけじゃない。お前の腕がどこまで上達しているのか見極めるためだ。」

そう言った師匠は、とても力強く固い決意の目をしてあた。

「…わかりました。ならば、師匠のそのご期待に応えられるようにこのティアナ・ラピズリー、頑張りますわ!」

「ああ。」

師匠は嬉しいような悲しいような何とも言えない表情をしていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

次の更新予定

毎週 日曜日 10:00 予定は変更される可能性があります

落ちこぼれ令嬢は2回目の人生で最強の魔獣使いになる 琥珀ツキ @Kohaku_Tuki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ