第8話 戦艦大和で戦った過去世を語る子供の事例(続)

 さて、それ以降も〔〇〇ハル君の〕大和関連の発言は続きました。お風呂に入っている時に「月月火水木金金」の歌(土日のない海軍の厳しさを歌った軍歌です)を歌い出しました。母親は最初、幼稚園で、曜日を覚えるために習った歌かと思っていました。それから、「お母さんの子どもに生まれる前に、他のところにいた。昭和元年12月生まれで19才で死んだ」

「大和主砲は前に六つ、後ろに三つだった」 「大和にも戦闘機が乗っていた」 「アメリカの飛行機がいっぱい爆弾や魚雷を落としてきて、左側ばっかりやられて沈没した」 「主砲ではなく、左弦のやや後方にある大砲の一つ(副砲?)を担当していた」


「銃撃を受けて甲板は血だらけになった。自分も怪我をした(理由はわからない)」 「アメリカは好きじゃない」 「前の母親は『おかあさん』、現在の母親は『ママ』」

「戦争に行くことはいやじゃなかった。やられたあと、水につかってとても冷たくて「死ぬ」と思ったら、その時、初めて怖くなった」 「大和に乗る少し前に学校を卒業した」

「戦闘前、最後におにぎりを食べた」 「その前の晩、お酒を飲んだ(宴会)。お酒は好きだった」


 今回のシンポジウムの趣旨とは離れますので、○○ハル君の語った内容の事実確認や過去生の人物の特定といった点には触れませんが、過去生記憶を語る子供のサンプルとして○○ハル君の事例を紹介させていただきました。

 なお、直接の面談は一度ですが(2021年)、それ以前と以後に何度かzoomで面談をしています。また、母親とは多くのメールや電話のやり取りをしており、本人のインタビュー動画もいくつも送っていただいています(Prof Ohkado談)。

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 以上、シンポジウム時の発言より抜粋しました。「事実確認や過去生の人物の特定」に関しては、英語文献の方に触れられているはずです。


 ここで、当然の疑問が湧くかもしれません。これは本作のテーマの世界転生ではなく、世界転生ではないかと。

 けれども、これも異世界転生の一種と解すべきなのです。次回はそれについて説明します。そしてその後、すでに予告してある、過去世が現地で戦死した日本兵だったと語るビルマ(現・ミャンマー)の少女の事例、に入ることにします。


【参考文献】

・"A Japanese case of the reincarnation type with written records made before verifications: A child claiming to have fought on the battleship Yamato" by Masayuki Ohkado (Chubu University) . EXPLORE, Vol.19(1), 153-159, 2023. https://doi.org/10.1016/j.explore.2022.07.006

・日本質的心理学会第20回大会(2023/11/4立命館大学)『シンポジウム:不思議な体験に出遭ったらどうしたらよいか』話題提供「過去世を記憶する子供の事例研究」by大門正幸(未公刊)。



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