ディラン伯爵side

正直なところ、ジェラルドにはかなり驚かされていた。ジェラルドは完璧王子と謳われていた。それは我々貴族家の当主から見てもそうだった。仕事上、何かと関わる機会は多かった。たびたび相談に乗ってくださり、完璧な答えをくださる。そして、常に冷静で表情を変えることのない完璧王子。伯爵も例外なくそのような印象を抱いていた。だから、あのような王子を見るのは初めてで驚いた。そして、先ほどの話し合いで伯爵は何となく分かっていた。

(おそらく王子はリリーのことを…。しかし、あのジェラルド王子がなぜリリーのことを?一体どこで我が娘は王子と出会ったのだ?)

伯爵には分からないことが多すぎて頭が追いついていなかった。そして、考えるのを止めることにしたのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る