第42話 動き出す人たち


「おいおい、効果は抜群だな」

「ぐっ!くそぉ!」

「これ加減が難しいな、力入れると」

「アガガガガ」

「弱めると」

「ふ、ふぅ、ふぅ」

 と全員がそんな感じだから、

「あははは!ばかみてぇ!」

「クフフフフ、だめだよ、そんなこと言っちゃ」

 と笑ってるアキラたち。

「く!くそッ!このぶへぇぇぇぇ」

「あーははははは」

「ぢ、ぢくじょう」

「まぁ、可哀想だからこのまま帰ろうか」

 バイクに乗ってればおいつけないだろうし。

「ぜ、ぜったい、ふくじゅーしてやる」

「ふ、服従だってさ!あははは」

「はぁ、このままじゃダメだな」

 解除してやると瞬歩で目の前に行く、

「は、え、え?」

「あいつだけが使えるわけじゃないんだよ?」

「そうそう、私も使えるし!」

 と隣にチフユも来ると、

「あ、あの!レベルって」

「教えるわけないだろ?でもお前よりは上かな?」

「で、ですよね」

「うん、ごめんなここに来て」

「い、いえ、ごゆっくり」

「いや帰るからあとはよろしくね」

「は、はい」

 と言うことでようやく帰れるな、どっか空きビル探すしかないか。

 と夜になるまで空きビルを探すが、結構灯りがついているな。


 なんとかパチンコ屋の駐車場で晩飯にしてそこで休むことにした。

「もう大丈夫なんじゃない?私たちもどっかに拠点構えた方がいいよ」

「うーん、地方はどうなんだろうな?」

「テレビ見てみようぜ!」

 車に入りテレビをつけると、ニュースばかりだがテレビをやっているな。

「ほら、やっぱりみんなもう慣れて来たんだよ、そのうち住む場所無くなっちゃうよ?」

「だが、人の家に住むわけにもいかんだろ?」

「それはそうだけどさ」

 

「千葉のあいつらに連絡してみる?」

「あぁ、そうだな」

 と千葉の高校生に連絡をしたらもうみんな普通に生活し始めてるようで自衛隊が倒れたビルなんかも撤去に乗り出しているらしい。もちろん魔法も使ってるらしいので早いようだな。


「帰るか…」

「だな、ようやく普通に戻って来たならここにいたら居場所無くなっちまう」

「わ、わたしもついてっていい?居場所無くなったから」

「そうだな、みんなで帰るか」

「「おう!」」

「ウキュ?」

「もちろんお前も一緒だ」

 と言うことで千葉に帰ることにした。


 おっし、なんとか帰って仕事探しからだな。


 次の日から今度は戻る旅をする。まぁ、来た道を戻ればいいがなかなか寄り道だらけだったのでスマホのナビで帰っている。


 メイド喫茶にはよらない方向で帰る。なかなか濃いメンバーだったからな。

 あと気がかりなのはシキさんとハルか。

 二人とも無事ならいいが、あそこは葛飾だったな。


「葛飾はよるよな?」

「当たり前だろ?ハルもいるし、教会もあるからな」

「くー、シキさんがいるから」

「違うって言ってんだろうが!」

「馬に蹴られるぞ?」

「槍でブッ刺してやるから大丈夫!」

「「…」」

「わ、分かってるからね?ね?」

「ならいいが」

「本当に知らないかと思ったわ」

「な、なんでそうおもうかな!」

 まぁ、和気藹々と道を走る。


「帰りはスムーズだな」

「まぁ、寄り道してないからな」

「寄り道し過ぎて進んでなかったからね」

「とりあえず今日の宿を探そうか」

 空きビルを探すがなかなか見つからない。


 結局はパチンコ屋の駐車場だ。

「慣れて来たな」

「嫌な慣れだな」

「まぁ、いいじゃん!これはこれで」

 と晩飯を食い、寝袋に入る。

 ツキも一緒に入ってくるのでしょうがないが一緒に寝る。


 朝靄の中、目が覚める、アキラが先に起きていて人が倒れてるな。

「なんだ?強盗か?」

「遅いぞ?さっさと片付けて朝飯にしよう!」

「はぁ、朝はゆっくりしてたいんだがなあ」

 と言って起き上がると剣を持った奴が襲いかかってくるので斬る。

「ぐあぁぁぁぁ」

「生きてるだけいいだろ?」

「く、くそっ!こいつら強いぞ!」

「に、逃げようぜ!」

「置いていけるか!」

 と仲間意識は高そうだな。

「はぁ、ヒール」

“ドン”とそいつを蹴ってやり、

「さっさと連れていけ!」

「お、覚えとけよ!」


 俺たちが覚えてるわけがないだろうに、本当バカな奴らだ。


「寝てるのはチフユだけか」

「呑気でいいもんだな」


 朝食を作り食べようとすると起きるチフユに二人でため息を吐く。

「な、なに?朝から感じ悪い!」

「寝てる間にこんなことがあったんだが?」

 とアキラが血痕を見せると、

「げ!朝からそんなの見せないでよ!」

「はぁ、凄い神経してんな!」

「うっさい!朝は弱いのよ!」

 と言ってコーヒーを飲む。

「ふぅ」

「はぁ、まじ凄いわ尊敬だ!」

「喧嘩すんなよ?」

「はーい」

 アキラはブツブツ文句を言っているが、まぁ、飯を食えば治るだろ。


 新宿区を過ぎ回り道をし板橋区に入るが、やっぱり人が多くなって来ているな!これも情報を流してくれた隊長さんがいたからだな!

 モンスターを倒してる人なんかも見かける。

「おぉー、やるねぇ!」

 とアキラが声を出している。


 と、急に俺の目の前に火球が!

“ズザザザザ”

 左手の小盾で防ぎバイクをなんとか擦りながら立ち上がると、

「ハハッ!ダメじゃねーか!」

 と男どもが騒いでいた。

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