第35話 レベル100


 なんとかこの3日間でレベル99になったが100は行かないのか?

 チフユは順調にレベル60、アキラも86と上げてきている。

 焦っても仕方ないがもしかしたらレベル99までなのかも知れないが直感ではまだ上がある気がするんだよな。


「まーた上がらなかったのか?もう打ち止めじゃないか?」

「いや、上がりそうな気はしてるんだがな」

「ゲームみたいに何かアイテムがいるとか?」

「アイテムねぇ…ダンジョンコア?」

「ぽいな」

「うそ?」

 とりあえずダンジョンコアを出してみると体の中に吸い込まれた。

「う…うぅ、うがぁぁぁ」

「おいおい!大丈夫かよ!横になれ」

「きゃぁ。大丈夫?違ったんじゃないの?」

 ジンジンとした痛みが体中を駆け巡るが、

「う、うぅ、はぁ、また痛みかよ」

「ぉ、おぉ、落ち着いたみたいで何よりだよ」

「そ、そうね、でも、少し若返った?」

「は?そんなわけないだろ」

 ステータス確認したが39歳のままだ。


「だがレベルは上がって100超えたぞ!」

「おおー!やったなナツ!」

「私は見た目が気になるけどね」

 レベル100は限界突破というものが手に入った。まぁ、スキルはもらえなかったが無事にレベルが上がってよかった。

 ただハイヒューマンとはなんだろうな?


 チフユに鏡を見せられるとそれなりに若返ってるみたいだが、年齢は変わらない。

「まぁ、シワが消えたのか?」

 でもまぁ、俺は俺だしな!

 

 約束通りチフユのお守りをしているが、暇だな。

 宝箱探しも飽きたしなぁ。

 ガコッと音がして宝箱が現れた。

 もう何個目だと思いながらも槍で開けるとスタタンッと毒針がオーガに刺さり消滅する。

「怖っ!」

 中身を確認するとドラゴンバスターと言うバスターソードだった。

 デカいな。

 まぁ、ドラゴンと戦うのにはちょうどいいかもな。とりあえず両手で振り回してみる。

 超怪力があるからちょうどいいかもな。

「えー、なにそれ!デッカい剣だね!」

「ドラゴンならこれでいいだろ」

「凄いよ、一撃じゃない?」

「まぁ流石に一撃とまではいかないだろうけどな」

 とチフユが来てバスターソードを眺めているので収納に仕舞う。

「ぶー、けち」

「さっさと攻略しろよ?」

「はーい」


 俺がいるので5階層まで攻略する。

「おりゃー!」

 オーガキングに瞬歩を交えて攻撃するのは慣れたもんだな。

「フッ!はあぁ!」

 槍だから間合いも十分取れるし危なげなく勝った。ドロップをしまうとダンジョンコアを触りスキルをもらう。

 俺は体術でチフユは火魔法だった。

「体術が欲しかったな!」

「まぁ、ランダムなのかよく分からんからな」

「だね、選べればいいのに」

 外に出るとアキラがいた。

「おっ!お守りご苦労様です」

「誰のお守りじゃ!」

「ハハッお疲れ、今終わったとこか?」

「おう!もうレベル90だよ」

「それは凄いな!」

「く、くそ、私はレベルまだ68」

「へぇ、それでも上がってるじゃん!」

「けっ!90にはこの気持ちは分かりませんよーだ」

 とチフユは拗ねてるがもうすぐレベル70なのだ、だいぶ早いと思うがな。


 早めに晩飯にする。

 ちょっと進んではダンジョンを探しているからまだ池袋だ。だがだいぶ人が増えてきたのでそろそろ動かないとな。

 このまま道路が走れれば飯田橋に着くからそこからなら近いはずだ。


「ドラゴンかぁ、倒せるかな?」

「とりあえず武器は手に入れたからな」

「そうそう!デッカい剣!」

 チフユが身振り手振りで伝えようとしてるがアキラは無視して、

「へぇ、バスターソードかなんかか?」

「バスターソードだな」

「へぇ、剣技極の本領発揮だな」

「まぁな、そういえばレベル90でなんのスキル取ったんだ?」

「へへっ、重撃だよ、使ってみたら短剣には持ってこいだった」

「へぇ、そうか!それは良かったな!」

「いいなぁ!私もなんか欲しい!」

「槍はそれだけで強いからな」

「だな、武器もそれなりだし大丈夫じゃね?」

「んー、必殺技的な何かが欲しい」

「「子供か!!」」

「ふんだ!」

 まぁ俺には竜剣撃って技があるんだけどな。


 それにしても夜でも明かりをつけるとこが多くなって人が住んでることがわかるようになったな。


 これも自衛隊のおかげか、ちゃんと情報を流してくれたからだろうな。


 よし、明日は飯田橋方面に向かうか!


 次の日に原付を走らせていると、

「こりゃ無理だな」

「はぁ、流石に別の道を探すか」

「なーんですんなり行かないかな?」

 道が流石に進むにはきついほど荒らされている。ボッコボコじゃねーかよ!

 はぁ、新宿の方に回りながら道を探すしかないか。

 俺たちはUターンして道を探すがどうやら何かに壊されたみたいでだいぶ戻ってから新宿に向かうしかなかった。

「うー、あと少しなのに!」

「まぁ、最悪歩きで行くしかないな」

「自衛隊に頼むとかは?」

「行けなかったらな」

 

 新宿に着くとまた倒壊してる建物などがあり回り道したり歩いて抜けたりと結構疲れるな。

 流石にここらには人はいないだろうと思っていたらビルの上から声がかかる。

「ねぇ!君たち大丈夫なの?もう大丈夫?」

「は?大丈夫ってなにが?」

「あーもう!待ってて!」

 と、待っているとビルから降りてくる。

「な、え?えーと」

「あ、これは制服だから!あんまみんなし」

 メイドカフェと言うものか、だが髪はストレートでキツめの顔で普通にキャリアウーマン的な雰囲気なのは何故?

「メイドカフェだ!服可愛いねー」

「っさい!自前の服は乾かしてるんだよ!だから着る服がこれしかないのよ!」

「へ、へぇ、で、なんのようですか?」

「あ、あんたらが外にいるってことはもう外歩いても大丈夫なの?」

「えーと、ラジオとか聞いてませんか?」

「無いのよ!このビルには!」

「はぁ」

「はーい、説明しまーす」

 と手を挙げるチフユ。

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