第30話 石碑


「あの、ご飯炊けたんですけど食べますか?」

「いや大丈夫だ、とりあえずみんなのお腹を満たしてくれよ」

「あ、ありがとうございます」

 と言って中に入っていく女の人。

「見にいくか!チフユはここで見張り頼むな!」

「えー、まぁいいけど早く帰ってきてね?」

「アキラはそっちのビル俺はあっちのビルに行ってみる。気を付けろよ?」

「おう!お互いな!」


 バリケードの前は誰もいない様なので入っていくと人が倒れている。

「死んでるな…首吊りか」

 中に入っていくと何人かの反応があるのでそこにいくと、

「もういや!私も死ぬ!」

「待て!もうすぐ助けが来るからもう死ぬなんて言わないでくれ!」

「そうだぞ!この課だけでも生きて行こうって話したじゃないか!」

 おおぅ、すごいとこに出くわしたもんだ。

「ちょっといいか?」

「「だれだ!」」

「目が血走っててこえぇよ!助けはいるか?」

「た、助けてくれるのか!」

「ほら、何にも食ってないんだろ?」

 とパンと水を出すと、我先にと食っている。

「とりあえず飯食ったら外に出てきてくれよ?」

「ふぁい」

 外に出るとアキラが出てきてその後にゾロゾロとついてきているので飯だろうな。

 パンを出してやるが、もうないぞ?

 水分はたっぷりあるがな。

「う、うめぇ」

「生きててよかった」

 と泣いている。ユキさんが出てきたのでこいつらも腹が減ってると言うと中でおむすびを作って持ってきてくれた。

「あ、ありがとう」

 と泣きながら食べている。

 そうするとほかのビルからものその外出て来るな。

「並んでくれ!ユキさん?まだ米はあるから炊いてくれるか?」

「はい!わかりました!」

 アキラとチフユに任せてバリケードの中に入ると女の匂いが強いな。

 米を出していく、あと炊飯器とみずもだな。


「凄いですね。あ、あのナプキンとかは」

「一応取ってきてあるから渡すぞ」

 と言って渡してやる。

 そして外に出るとこんなに人がいたのかと思うほどに人が集まっていた。


「ビルの中に隠れていたのか、それにしても多いな」

「だな、これだけ多いと一苦労だぞ」

「とりあえずご飯は任せてダンジョンを探さないと」

「だな」

 とまたバリケードの中に入りユキさんにご飯の方はお願いすると二つ返事で了承してくれた。


 で俺らはダンジョン探しだ。

 ビル群のどこにいるんだ?

「あ!いた!」

 ゴブリンがこっちに走ってきているので倒してそっちの方向に行きばらけて探す。

 アキラがマップと探知で見つけた。

「ようやくダンジョン見つけたな」

「よし、チフユが入ってゴブリンを蹴散らしてきなさい」

「え?1人で?なんで?みんなで行けばいいじゃない!」

「レベル上げ」

「もうレベルも上がってきてるよ!」

「まだまだだろ?どうせ1階層だけだから行ってこいよ」

「ゔー!鬼!悪魔!人でなし!」

 と言ってダンジョンに入っていった。

「アキラ、まだあるんじゃないか?」

「ある、行こう」


 とビル群にまだ二つのダンジョンがあったので別れて1階層を潰していく。

 戻るとアキラが戻ってきて千冬も戻ってくる。

「なんだよ!2人ともダンジョンに行くならそう言えばいいのに!」

「まぁ、いくつあるかわからなかったからな」

「チフユを急かしてもしょうがないだろ?」

「ふ、ふんだ!」


 となんとか三つのダンジョンがあるのが分かって一安心だな。

「あ、あの!ご飯配り終わりました!」

「ありがとう!こっちも準備はできてるからみんなで三つのチームに分かれてくれるかな?」

「はい!わかりました!」

 と言ってかけていく女の人を見て、

「よし!これであとは石碑に触って貰えば俺たちの仕事はなくなるな!」

「だな!あとはスーパーなんかに行って食料を確保しないとな」

「結構渡したんでしょ?大丈夫?」

「まぁ、俺ら3人分だからな」

「それもそっか」


「よし、じゃあみんな三つのチームに分かれたみたいだからいこうか!」

 行ってみるとユキさんのチーム、と残り二つのチームに分かれている。

「ナツさんよろしくお願いします」

「え?俺名前言ったっけ?」

「あちらのアキラさんに教えてもらいました」

「ん、んじゃ、俺がこのチームか」

「はい!」

「そっちはいいか?」

「おう!」

「はい!」

「んじゃ出発な!」

 とダンジョンに入っていく。

 まぁさっき潰したからほとんどいないので石碑に順番に触ってもらう。

 やはり最初は頭を抑えるが、なんとかみんなスキルをもらえた様だな。

「これが力ですか!」

「そう、これでモンスターは怖くないだろ?」

「は、はい!」

 とりあえず二階層まで見て行こうと扉を開けるとゴブリンキングだったので、

「サンダーインパクト」

『グギャ』

「おらっ!」

 と首を落としてドロップは鎧と剣と魔石だ。ユキさんに渡して装備の仕方を教える。

 宝箱にはマジックバッグだ!これもユキさんに渡しておく。

 2階層に入るとオークだったのでみんなで狩ることにする。

「こいつらの肉は食えるから取っておいてくださいね!」

「「「「はい!」」」」

 と言ってみんななんとかゴブリンソードで倒している。オークが可哀想なくらい囲んで倒しているからな。

 ようやく全部倒し切って、2階層のボス部屋に入るとオークキングかよ!

「瞬歩」

「オラアアァァァ!!」

 超怪力で剣ごと首をぶった斬る。

 ドロップは鎧と剣と肉と魔石だ。宝箱からはグリーブが出たので全部ユキさんに渡しておく。

 で、転移石に触れて外に出るとみんな顔がイキイキしているので無事にスキルを取れたのだろう。

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