第26話 教会


「よし。これで炊き出しに肉が出せるな!」

「守るのが楽になるよ」

 少しでも力になれてよかった。

「この情報は?」

「教えてやってくれ、そしたらみんなに余裕ができるだろ?」

「そうですね、今は皆が苦しい時ですからね」

「あぁ、乗り越えてくれれば復興にも役立つだろ」

「はい!」

 と若いのにシスターは疲れている様だったのに今は元気になっている。レベルが上がったからかもしれないな。


「今晩は泊まっていってください」

「あぁ、お言葉に甘えよう」

「おう」

「はい」

 と3人で教会に泊まることになった。

 冷たいシャワーだが浴びて、夕食は俺らが出して食べると久しぶりにベッドで眠る。


 外では警護している人がいるので安心して寝ることができた。

「起きてください!朝ですよ」

「ん…チフユか」

「そうだよ、シスターじゃなくて悪かったわね」

「ん?なんでシスターなんだ?」

「別に…」

 下に降りて行くとシスターが頑張って朝の炊き出しの準備をしていた。

「朝もやるのか?」

「備蓄があるならやります。今日はお肉も入りますから皆が喜んでくれるでしょう」

「そうか、米ならあるから置いて行くぞ?」

「あ、ありがとうございます!ではこちらに」

 と倉庫に連れて行かれると、それなりにまだあるな。

 米を置いて行く。

「こ、こんなに沢山…ありがとうございます」

「いやいい、使ってくれ」


 朝の炊き出しも終わるとすぐに昼の炊き出しの準備だ。

「肉取ってきました!」

「ありがとうございます」

 と昨日一緒にダンジョンに潜ったやつだな。

「その調子だ」

「おう!教えてくれてありがとう」

「あぁ」

 これでここも安泰だな。


「チフユは何をもらったんだ?」

「槍術だよ!早く聞いてよね」

「そうか、ならレベル上げしないとな」

「えー、2人が強いんだからいいじゃん」

「ならここで旅は終わりだ」

「うそうそ、頑張るよ!」


 チフユを連れてダンジョンに、すぐにレベルが上がって行くな。

「やった、中級槍術だ」

「まだまだ」

「ぶー」

 とりあえず5階層まで行くとグールだ。

 俺とアキラは見てるだけ、5階層だけあってグールの動きが結構早いな。

 よく見て動いてるから大丈夫みたいだが。気を抜くと攻撃を喰らっている。

「ちゃんと前みろ」

「後ろからもきてるぞ!」

「だぁー!、うるさい!」

 と言いながらもなんとか倒している。

 5階層もなんとかなったな。

 

「あぁ、疲れた」

「まだ若いんだからちゃんとしな」

「若くても疲れますよ!」

「はいはい」

 と水のペットボトルを渡すと、ゴクゴクと飲み干す。

「プハー!生き返る!」

「レベルも30超えただろ?」

「そうなんです!超えたんです!凄いでしょ!」

「まぁまぁだな」

「チェッ!褒めてくれてもいいでしょーー」

「ほら次行くぞ!」

「えー!はやいですよぉー」

「どーせ、次は俺たちの番だから見てるだけだ」

「ぶー、分かりましたよ」


 ボス部屋に入るとやっぱりヴァンパイアだ。

『フハハハハハ』

「んじゃ、レイジサイクロン!」

「はぁ、ファイヤーピラー」

『ぎゃああぁぁぁぁ!』

 と消滅してしまった。

「な!なんなのよあれ!」

「え?魔法だけど」

「あんたら強くない?」

「そりゃ努力したからだろ?これくらいにはなってもらうからな?」

「無理言うな!」

 ようやくアキラもレベルアップしたみたいで悩んでマップを取っていた。

「おぉ!凄いな!行ったところがわかる」

「へぇ、邪魔じゃないか?」

「まぁ邪魔にはならなそうだ」

「ならよかったな」


 ドロップに白い鎧とグリーブと魔石が。宝箱からはマジックバッグが出た。

「マジックバッグ!」

「これからも頑張るか?」

「わかった!頑張るから」

「ならよし」

 と物で釣って頑張らせる。

 とりあえず白の鎧トグリーブも渡す。

 ダンジョンコアが出てきたので触ると俺は索敵、アキラが水流魔法、チフユが槍術だったので上級になった様だ。


 そして外に出ると中に入って行く奴等と会った。

「いまからか?」

「そうだ」

「無理するなよ?」

「お互いにな!」

 と言って中に入って行く。

 

 シキのところに戻るとなんだ?書き物をしている?

「何してんだ?」

「あ、みんながどんなスキルを持っているのかを確かめていたんです。武器もあまりないですし」

「あぁ、武器ならあるぞ」

「いえそこまでは」

「気にするな、元はゴブリンの剣だからな」

 とゴブリンの剣を30本合成して鋼鉄の剣を作り、マーマンの槍も30本合成して鋼鉄の槍にする。鋼鉄の剣を5本と鋼鉄の槍を5本置いておく。

「あ、ありがとうございます」

「べつに在庫があればまた作っておいておくよ」

「は、はい」

「なんでそんなに親切にするかなー?シキさんが可愛いから?」

「ん?お前よりな」

「ブー!」

 シキの顔は真っ赤になっていた。

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