第25話 炊き出し
俺たちは寝袋に入って眠り出すと、飯を食った女も膝を抱えた状態で眠り出す。
「はぁ、ったく」
と毛布をかけてやり眠りにつく。
何度かモンスターに眠りを邪魔されるが魔法で倒してまた寝る。
朝起きると毛布に包まった女が1人。
「どうする?」
「さぁ?」
缶コーヒーをあっためて飲んでいると起きて。
「私にも」
と言うので缶コーヒーを鍋に入れる。
勝手に取って開けて飲んでいる。
俺たちは寝袋を車に入れると毛布を入れてくる。
「パン食うか?」
「食べる!」
と言って惣菜パンを2個も取って行く。
車を収納して原付を出すと目を丸くして、
「な、なに?いまのなに?」
「ん?魔法だな」
「は?バカにしてる?」
「はぁ、そう思ってればいいさ」
「待って!信じる!信じるから私も連れてって!」
「えー?原付乗れるの?」
「免許持ってる!大丈夫!」
「アキラ?」
「どっちでも」
「はぁ、キツイぞ?」
「どっちにしろキツイんだもん!なら一緒に行く!」
俺たちの乗らない様なピンクの原付を出して半ヘルを渡す。
「…なんでピンク?」
「…俺たちが乗らないから」
「黒がいい!」
しょうがないから取り替えるとなんか色々見て、オッケーらしい。
「私は千冬、
「俺がナツでアキラだ」
「わかった!よろしく」
「年上かよ、よろしく」
とアキラが返す。
またダンジョンか…先に進まねぇな。
まぁダンジョン見つけたらでいいか。
原付でボロボロの道路を走っている。
電柱はあちこちに向いてるし、建物は亀裂が入ってるのなんていい方だな。
別に急いでるわけじゃないので、安全第一だ。
夏も終わりに近づいている。朝晩の冷え込みが厳しいな。
「ねぇ、ナツとアキラってどう言う関係?」
「あ?仲間だけど?」
「お前は腐女子か?」
「そ、そう言うのじゃないけど」
「お前と一緒だ、成り行きだ」
「そうそう、この前までもう1人いたし」
「そうなんだ」
チフユはよく喋るな。
「ウッ、グスッ」
「はぁ、泣くな」
「だって、そのハルって人」
「春は自分で残ったんだ」
急に泣き出すし情緒不安定かよ!
「人がいるぞ」
とアキラが言う。
なんだあれ?炊き出しか?
列が続いている。
止まって聞いてみると炊き出しらしい。
「へぇ、よくこんなとこでできるな」
等間隔で人が警戒している。
「ここは教会がやってる炊き出しだ。お前らも並ぶか?」
「いやいい、それより戦力は大丈夫なのか?」
「ゴブリン程度ならな!」
「そうか。じゃあ力は持ってないんだな」
「力?なんだそれは?」
「上の人と話がしたい、より安全に炊き出しが出来る」
「…わかった、着いてこい」
着いて行くと最前列でお椀に何か入れて配ってる人に話をしている。
「こんにちは、私がこの炊き出しの責任者で
「俺がナツでアキラにチフユだ。早速だが戦力は要らないか?」
「モンスターに打ち勝つ力なら欲しいですが」
「そうか、炊き出しが終わるまで俺らも警備に回るからそのあと話を聞いてくれ」
「はい、分かりました」
俺が炊き出しの方で殿の方にアキラとチフユが行く。
炊き出しもあるものが終われば終了だ。
みんな散り散りになって行く。
「よし、じゃあ俺たちは不思議な力が使える。ファイヤーボール」
「え…」
「これはマジックなんかじゃなくダンジョンで手に入れた力だ」
「そんな、まさか」
「でその情報を渡して回ってる」
「は、はい」
「でこの中で我こそはという人はいるか?」
「私が行きます」
「じゃあ俺らも」
「決まりだな、モンスターはどっちからくる?」
モンスターの来る方向に行くとダンジョンが見つかった。
「じゃあ今から入る、モンスターと戦うのは俺がするから、石碑があったら触ってくれ」
「はい!」
中に入ってゴブリンを倒して行く。
「それが石碑だ、順に触ってくれ」
「はい、ウッ…これが」
とみんな触って、チフユも触らせる。
「こんなことがあったなんて」
「よし、んじゃ、少しレベル上げをしようか」
とゴブリンの剣を人数分渡してゴブリンを倒してもらう。
魔法を使うやつもいれば槍がいいという奴もいて槍を渡す。
1階層のボスを倒すと鎧が出たので着てもらい2階層へ、オークだったので肉が食えるといえばみんな張り切って倒して行く。
2階層のボスはオークジェネラルだったのでなんとかなった。
3階層はファングウルフだ、毛皮が取れるので怪我をしながら倒していた。ボスはワーウルフ、俺とアキラで倒してドロップのダガーと鎧も渡し、宝箱からはマジックバッグが出たのでシキに渡す。
4階層はファングブルだ。
なんとか倒しているが危なっかしいな。
怪我をすればすぐ回復してやった。
ボスは俺らが倒しドロップを渡してやる。
でここで外に出る。
もう夕方になっていた。
「ありがとうございます」
「いや、これは情報を回してるだけだ、信じてくれてありがとう」
「いえ、こちらこそ貴重な情報をありがとうございます」
と頭を下げるシキ。
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