第19話 女は怖い2


 ヒカルコは先頭に立って女子高生を押さえつけている。

「なにもそこまで」

「いいの!こいつは人を殺そうとしたのよ?しかも助けてくれたナツを!罪を償うべきだわ!」

 と言っている。まぁ殺されそうになったからなぁ。

「まぁ、しょうがないわな」

 アキラも怒っているな。あまり気にしてないのは本人だけか、

「わ、悪かったわ!でも生きてるじゃない!化け物よ!あいつは悪魔だわ」

「この!ふざけるな!ただの人に決まってるでしょ!」

「じゃあなんで生きてるのよ!」

「アンタもよく見ときなさい!ウォーターボール!」

 水の玉が飛んでいって壁にぶつかる。

「な、なによあれ!」

「魔法よ!あたし達は強くなった!アンタらには教えてあげないけどね!」

「クッ!な。なんでそんな、あ、あの男ね!」

「そうよ!教えてもらったのよ!」

「あ、あたし達にも教えなさいよ」

「アンタなんかに教えるわけないでしょ!」

「うぎゃッ!」

 と殴るヒカルコ。

 他の女の子もボコボコだな。

「はぁ、ヒカルコ、そろそろやめよう」

「私は怒ってるの!」

「分かったから、女の子同士の喧嘩を見てられないんだよ」

 俺にそんな趣味はない。

「ふ、ふん!分かったわよ」

「はぁ、ヒール」

 治療して行く。

「あ、あたしは貴方を殺そうとしたのよ?」

「はぁ、まぁ死んでないだろ?ヒール」

 と治してやる。

「ごめんなさい」

「わかったから」

 泣いているのに責めるわけにもいかないしな。


「ほらヒカルコたちも拳は大丈夫か?」

「ええ、大丈夫よ」

「そっか。なら俺らは出て行くから仲良くしろよ?」

「え、えぇ!ご、ごめんなさい!もうしないから!」

「いや。最初から俺らは出て行くつもりだったからな」

「お、お礼もしてないし」

「私達だって!」

 とヒカルコ達にも飛び火するが、

「じゃあな!元気で!」

「んじゃなー」

 と言って走って外まで行くと、外にはまたヒカルコ達がいた?

「え?なんで?」

「ここにいてよ!私達がお世話するから!」

「いやいや、老人介護にはまだ早いっつーの!」

「いやよ!行かせないから!」

 おーっと。こりゃやばいかもな!

「アキラ!行くぞ!」

「はぁ。ヤンデレ化したか」

「瞬歩」

「おっしゃ!」

 とりあえず振り切って学校を出ると今度は先回りされていないな!原付を出して走って行く。

「待ってよー!」

 遠くなって行くヒカルコ達に手を振り。

「じゃあ、元気でな!」

 と言ってなんとか別れた。

「あはは、依存されそうだったな」

「笑い事じゃないっつーの!」

 とに、好かれるのはいいがあれは怖いな。


 さて、きた道を戻って走って行く。


 まだ千葉からも出てないんだからな!


 ようやくいつもの道に出てそこから東京湾岸道路を走ろうとしたが入れないと言うか道が寸断されていたので別の道で行く。

 はあ、早く着くと思ったんだがな。



 幕張を超え、津田沼、船橋まで来た。

 オオンモールに着いてみると今度はオークが多いなぁ。

 とりあえずオークを斬って進む!流石に大きい施設だからオークも散らばっているな!

「んじゃばらけるか!」

「だな!キングが出たら連絡な!」

「おう!」

 と2人でばらけてオークを斬って行くと、

 あれはキングか。

「こっちにキング発見!」

『わかった!今行く!』

 とくるまで待とうと思ったがバレてるわ!

『プギャァァァァァ!』

 おいおい!こっちに来るか!

「サンダーインパクト!」

『プギャア!!』

「おっ効くねぇ!もういっちょサンダーインパクト」

『プギッ』

 おぉっ!もしかして!

「サンダーインパクト!」

『プアッ』

 っと言って消滅した。

 ドロップを拾っているとアキラが、

「な!1人で倒したのか?」

「おう、バレててな!なんとかなったわ」

「あはは、やるねぇ!んじゃまたオーク狩りに戻るわ!」

「おう!」

 ドロップは霜降り肉に鎧と剣だ。

 流石に外では宝箱はないみたいだな。

 オークを蹴散らして進むと食料品の場所に出る。食い散らかされているがレトルトやカップ麺などは無事なので収納して行く。

 お菓子なんかも収納して、食品はこれでもかと収納しているな。

 あとは服なんかがあればなぁ、とモールの中を歩き回る。服屋があったので収納して行く。あとはタオルやなんかも。


 と歩いて行くと異臭がするので見に行くと食われた人たちが山になっていた。

 あまりにも凄惨な光景に吐いてしまったが、俺1人じゃどうにもできないのでアキラを呼ぶ。

「おっ、どう?オークいなくなったな」

「だが、これをどうにか外に出して焼いてあげたいんだが」

 とアキラもみると吐いてしまった。

「クソっ!やるぞ」

「だな」

 と大地魔法で穴を穿ち、2人で外に出して焼いてやる。

 

「はぁ、つーか汗かいてシャワー浴びてぇな!」

「それはわかるな!どっか検索しようか」

 と検索するとスポーツジムがあったのでそこに行くことにする。

 オオンモールから近かったので歩いて向かう、入って行くとここも荒らされてるな。

 人やモンスターの気配はないみたいなのでシャワールームに入って汗を流す。

「ほれ!」

「サンキュー!サッパリしたぜ!」

 と2人でジュースを飲んでまったりする。

 鎧も洗ったので天日干しをしている。


 鎧を取りに行くと大人が5人集まっていた。

「なにしてんだ!俺らのだぞ!」

「これはどうやって手に入れたんだ?」

「は?ダンジョンに決まってるだろ?」

「クッ!やはり行くしかないのか!」

 と、人の鎧の前でなにしてんだか。


「ゴブリンは倒せんだろ?」

「あ、あぁ」

「なら1階層にある石碑を触れよ、力が手に入るぞ」

「な、本当か?そ、そうか!おし!みんな行くぞ」

「おおー!」

「おい!鎧は置いてけ!ばか」

「貸してはくれないか?」

「ふざけんな!ゴブリン如きに貸せるかよ!」

「わ、分かったよ」

 と置いて行く。

 まぁ、盗まなかっただけいいか。


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