第7話 原付
とりあえずみんながゴブリンを倒しているので見ていると、女の子が話しかけてくる。
「おじさん、あの扉の奥は?」
「あそこはボスみたいだからまだ行かない方がいいんじゃないかな?」
「そうなんだ、じゃあここでレベル上げしてます!」
「それがいいよ」
小一時間ゴブリンと戦っているのを見ながらアキラとコーヒーを飲む。
「あのおっさん、ちゃんとやらねーな」
「だな、女の子達は必死なのにな」
「あ、あの!レベル10になったら」
「あぁ、凄いな。もうレベル10か」
「二つのうちどっちかを選べばいいよ!」
「はい!やった!」
と女の子は戻って行く!
女の子達は全員レベル10に上がったようだし生産職のオッチャンも上がったみたいだからもう戻ろうと話して戻る。
大人たちもそれなりだろうと戻るぞと声をかけるが無視するので置いて行く。
女の子達は4本くらい剣を抱えていたので収納に入れてやり、後で渡すと言うと喜んでいた。
学校に戻ると気が抜けたのかへたり込む女の子達、まぁそうだろうなぁ。
「ほら、これでも飲んでゆっくりしてな」
「あ、ありがとうございます」
と甘いものをわたしてやる。
「よし、わしに任せてくれるんだろ?」
「おう、ハイこれ」
「よっしゃ!任せとけぃ!」
と言ってどこかへ行ってしまった。
「じゃー、俺はそろそろ」
「どこ行くんだナツ?」
「ん?ここはもう大丈夫だろ?」
「俺も行くぞ!2人で行こうぜ!」
「えー…」
アキラはいい子だが。
「いいじゃねーかよ!斥候必要だろう?」
「はぁ、じゃあいくか」
「おっし!チョッと待っててくれ!」
と言って荷物かなんかを取りに行く。
「お嬢ちゃん達もあまり長くここにいない方がいいかもな」
「「「「はい」」」」
「番号渡しとくから何かあれば連絡しなよ」
「あっ!交換します!」
と4人と交換する。充電器も一応渡しとく。
「よし!行こうぜナツ」
「あいよ」
「「「「じゃあねー」」」」
女の子達と別れて、外に出て行く。
「どうすんだ?」
「さあ?てかアキラは幾つだ?」
「ん?19だけど」
「原付は乗れるか?」
「おぉ、車もとったぞ」
「ならどっかで原付を確保するか」
「ならこっちだ、バイク屋がある」
と一緒に軽く走りながら行く。
小一時間走るとバイク屋が見えてきた。
「あーぁ、オッチャン達もだめだったか」
「そうみたいだなどこかに埋めてやりたいが」
「と、そうもいってられないみたいだぜ?」
オークが奥から出てきて俺たちに襲いかかってくるが、オーク如きがふざけるな!
「オラァ!」
とすぐに倒してしまうと、アキラが索敵をしている。
「もういないみたいだな」
「よし、バイクの鍵はどこにある?」
「知らないよ?探すしかないだろ」
と探してようやく見つけると、
「何台か鍵をつけといてくれ」
「おう」
と鍵をつけた原付を収納して行く。
「オッチャンごめんな?」
「すいません」
と奥に上がり中庭に土魔法で穴を掘り埋めてやると線香があったので火をつけて祈ると、外に出る。
「でかいバイクはいいのか?」
「俺が乗れないからいいや」
「わかった、まぁ原チャのほうが小回りがきくしな」
とアキラもスクーターに乗っている。
あとフルフェイスだったから半ヘルにした。視界がどうしても狭まるからな。
「んじゃ行くか!」
「おう!」
2人でべべべべと、舗装が壊れている街を走って行く。途中でセルフのガソスタがあったから原付を出して給油して行く。
まっすぐ走って街に入るとこれまた酷い荒れようだな。
まだ生きてる人はいるのかな?
「ストップ!」
「どうした?」
「多分生きてる奴らが溜まってる場所があるみたいだ」
「行ってみよう」
と近くまで行って原付は収納すると市役所に立てこもってるようだ。外のバリケードにオークが攻撃しているので倒して行くと、
「中の人は大丈夫か?」
と声をかける。
「人か?すぐ入れよ?」
外門を少し開けてくれた。
「中の人で怪我してる人は?」
「こっちにいる、医者か?」
「いや、とりあえず行こう」
いってみると酷い匂いだな。
「じゃあ治療して行く」
「俺は外見てるよ!」
とアキラは外を見て回る。
「ヒール」
「あぁ、痛みがなくなった」
「もう大丈夫だ」
と言っても結構な数の怪我人だな。
アキラは施設をまわったが食料があまり無いのと市長がいるのに機能していないのを不思議に思って聞いたら、
「あぁ、ここの市長はダメだ、もうテコでもここから動かないつもりだ」
「はぁ、そりゃダメだな」
「それよりお前が身につけてるのはなんだ?」
「ん?これダンジョンで取ってきた」
「ダンジョン?」
アキラがこれまでのことを喋ると、
「そんなことになってるのか、俺たちも動かないといけないな!」
「ならナツが終わったらダンジョン探しに行こう、それならいいだろ?」
「おう、こっちも人を集めておく」
と言ってナツの方にいくとようやく治療が済んだようだった。
「ふぅ、少し休憩だ」
「怪我人は?」
「もういないが手足がちぎれたのはどうにもできないな」
「…そうか」
「そっちは?」
「あぁ、みんな乗り気みたいでダンジョンを探すってさ」
「そうか、ならみんなで行くか」
立って門の方に歩いて行く。
「おーい!行くんだろ?」
「あぁ、こんだけか?」
大人5人しかいない。
「あぁ、みんな尻込みしちゃってよ、これはチャンスだって言ったんだが」
「はぁ」
「あ、あの俺たちもいいですか?」
と後ろから声をかけてきたのは高校生くらいのさっき治療した子達だ。
「いいのか?また怪我するかもしれないぞ?」
「はい!もう待ってるだけは嫌なんで!」
と5人ついてくることになった。
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