第4話 村での諍い
山頂の村に付くと、状況は一変していた。
村はさらに広くなっていた。しかし、村人同士で対立が生じていた。
あるグループは、地面をさらに掘削するべきと主張していた。あるグループは、別の山に移住するべきと主張していた。私が初めに知り合った村人は、不拡大を主張するグループのリーダーであった。彼の話によると多少、一人の生活スペースが狭くなっても、現状の村の規模を維持するべきだということであった。彼の主張によると、あまり村を大きくし過ぎると、山の神の怒りに触れるという。
山の神?なんだそれは?初めて聞く話だ。
グループ間の話し合いが続いたが、移住グループは交渉に見切りをつけ、続々と山を降りて行った。彼らを説得する努力は無駄だったのだ。
移住グループが集団離脱して間もなくのことだった。次に掘削グループが動き出した。
掘削グループはどこからともなく大型機械を持ち込み、地面を激しく削り始めた。
「おい、やめろ!!山が崩れてしまう!!山の神の怒りに触れるぞ!!!」
不拡大グループのリーダーが必死に訴えた。
しかし、彼の制止を聞くものがいなかった。
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