第32話 正一過去 人形
結局、俺は和也にあの牝豚すらやる事が出来なかった。
あの時の親父の顔が凄く怖かった。
あんな顔をされたのは生まれて初めてだ。
あれは、多分俺じゃどうする事も出来ない。
いや、あの状態の親父になんて伊佐治さんや村の重鎮でも意見なんてできねーよ。
どうする事も出来ない苛立ちから俺は、女に目を向け和也の事を忘れる事にした。
馬鹿な奴だ……あんな牝豚の何処が良いのかね。
他に沢山良い女は居るのに……俺の周りの女の方が余程可愛くて綺麗だ。
俺は、真理愛や恵子、芽瑠と仲が良い。
この三人だけ見ても、あの汚い女より遥かにマシだ。
本来はこの輪の中にお前を入れたかったんだぞ。
なのにお前は……
◆◆◆
『ねぇ、正一の家って面白いペットが居るんだって?』
校舎で二人きりの時に真理愛が言い出した。。
美沙の話は隣村にまで知られているのか……
否定しても仕方が無い。
『汚い女』『牝豚』の噂を流したのは俺なんだから。
『ああっ、いるぜ、牝豚が一匹な』
『あはははっ冗談かと思ったら、本当に居たんだね。僕、それ見てみたいな……』
どうしたものか……
『そうか、それなら俺が遊びに来いって言った日に来れるか? 来れるなら面白い物見せてやるよ』
『解った行くよ』
真理愛が見たい物は解っている。
『汚いだけの女じゃない』 ある意味『本物の牝豚』が見たいんだ。
最近は、余り親父は美沙を使わなくなった。
だが、愛人が居ない現状、偶に使う時がある。
その時は恐らく臭いを消す為か、前日に風呂に入れ母屋に泊らせる。
だから、そのタイミングでなら、見せる事が出来る。
◆◆◆
俺は真理愛に電話をした。
『明日これるか?』
『へ~明日なんだ』
『ああっ、もう親父もかなり飽きてきたから、なかなか見れるチャンスは無いぞ』
『だったら行くよ』
真理愛は他の女の子よりボーイッシュで話しやすい。
和也が居ないから、男っぽい此奴と良くつるみ『アダルト』な話をする様になった。
流石に、俺でも芽瑠や恵子に『親父が他の女とやっている姿』は見せられないな。
親父はもう少し真面だと思ったんだが、あの牝豚が来てから可笑しくなった。
一番可笑しいと思ったのは『露出狂のように』牝豚を抱いている姿を見せる事だ。
それに牝豚を裸にしたまま庭の木に一日中縛って放置した事もある。
今迄、愛人、妾までいたが、普通にしていた。
何故、あの牝豚にだけ、此処迄するのか解らない。
『明日は朝から来いよ。やるタイミングがわからねーから、午後から来たんじゃ見逃すかもしれないからな」
「あはははっ朝からするわけ凄いね」
『まぁな』
今気がついたが、俺が女を部屋に入れるのは初めてだ……
◆◆◆
『正一、遊びに来たよ』
次の日、真理愛が俺の家に遊びに来た。
黒いタンクトップに半ズボンのジーンズ。
ブラはして無いのか、かがむと胸ポチが見える。
高校以外で見る真理愛はなかなか刺激的だった。
『そうか、上がれよ』
「お邪魔します」
真理愛に上がって貰い俺の部屋に案内した。
『飲み物はカルピスと麦茶どっちが良い?』
『どっちでも良いよ』
『それじゃ麦茶にするか』
何回も使用人を呼ぶのも面倒なので氷が入ったやかんに入った麦茶を持ってきて貰った。
『覗き』とは言えないので、課題を一緒にする為という事にしてある。
『それで、家畜の子って何処に居るのかな?』
『多分、母屋の何処かに居ると思う、もう少ししたら多分トイレか親父の部屋か……もしくはそこら辺でするんじゃないのかな』
『親父の部屋は解るけど、その他は凄いね。本当にそんな事するんだ』
『まぁな……親父は変態だし、あの女は家畜みたいなもんだからな』
暫くしたら、家を案内するという名目で真理愛と部屋を出て家のなかを歩き回った。
古馬の家は古くからあるから『真理愛が古い家に興味があるって言うから案内した』それですむ。
◆◆◆
暫く適当に歩いていると親父の部屋から声が聞こえてきた。
『相変わらずお前は辛気臭いな』
『そう……ですね、辛気臭いくて、ごめんなさい』
『その貧相な体で遊んでやるから、服を脱ぐんだ』
俺と真理愛は親父の部屋の横に入り、襖を少しだけ開けて見ていた。
『はい』
自分からあの牝豚は服を脱ぎだし裸になった。
本当に随分貧相になったもんだ。
前はもう少しふくよかだったのに肋骨が浮き出ている。
『本当に居たんだ……家畜女』
『しっ、静かにしろよ……バレる』
『解った』
バレても多分文句は言われないだろうが色々気まずい。
『はいじゃないだろう? ちゃんと挨拶しろよ! ほら!』
美沙は裸のまま土下座をして……
『どうか卑しい私の体をお使い下さい。旦那様……』
そう挨拶をした。
そして、そのまま寝転がり目を閉じた。
『……』
色々と親父が家畜女を触っていた。
最近では俺が『汚い女』という噂を流したせいか、口や舌も使わずキスすらしない。
『人形みたいでつまらないな。今度はお前がするんだ』
『はい……』
美沙が色々とするが……
『本当気持ち悪いな……見ていてイライラする』
『……そう……ですか』
『気持ち良くなるどころか、不愉快になる! 服着て消え失せろ』
『……はい』
最近の牝豚は家畜より人形が近いのかも知れない。
感情も薄く、最低限の事しか話さない。
親父も楽しく無いのか本当にたまにしか使わなくなった。
◆◆◆
部屋に戻ってきた。
『凄いね、本当に家畜女居たんだ』
『嘘はつかないよ』
『だけど、あれじゃ家畜女じゃなくて人形女じゃん……殆ど話さないし、見た感じ感情も無さそうじゃん』
『そうか?』
なんだか、随分と興奮して話しているな。
『うん、てっきり正一が家畜女という位だから、アンアン喜んで腰を振るような女を想像していたんだけど、随分違うね』
『そうだな』
『ねぇ、正一今日は随分暑いね……ハァハァ』
『そうだな』
真理愛の顔が赤いし、なんだか息遣いもあらい。
『あのさぁ、正一僕たちもしてみない?』
するのは構わない。
いや寧ろ、してみたい。
だが、もし妊娠でもしたら大きな問題になる。
避妊をしっかりしようにも、避妊具を売っているのは近くじゃ和也のスーパー位だ。
あそこで買ったら近所の人間にばれる可能性がある。
『いや、妊娠でもしたら大変だし、避妊具を買ったら身バレする……』
『最後までしなければ良いんじゃない? 私だってこれでもお嬢様なんだから妊娠が不味いって解るよ。だから、正一のお父さんがした様に口と手だけですれば問題無いんじゃないかな?』
この誘惑に勝てるわけもなく……俺はこの日、真理愛を抱いた。
真理愛は俺が触ったりキスをすると女らしく反応をする。
和也……これが女だよ。
お前が好きな家畜女は……人形みたいに何も反応しない。
それでもお前は、まだ家畜の様な美沙が良いのか……
「正一、抱きしめて」
真理愛を抱きながら何故か、俺の頭には悲しそうな和也の顔が浮かんだ。
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