異変
朝起きて支度をする
時刻は6時、集合時間まで時間がある
……時間はあるし訓練しよ
宿を出て城壁外へ向かう
東の森には向かわず南にある平原に向かう
平原にも魔物が居る
森の中と違い見晴らしが良くすぐに魔物や動物の姿が確認出来る
……強そうなのは居ないなぁ。適当に倒すかぁ
見つけた近くの魔物の元へ走る
魔物は接近に気付いて戦闘態勢になる
異型種ワールゴブリン
1m程度の小型の魔物、人型に近い緑色の魔物
ウルフ種同様群れを成して襲いかかってくる
石製の武器を使っている
数は4体
石の剣を振るってくる
石の剣ごと魔物を両断する
……この程度なら
素早く剣を振るい残り3体の首を切り落とす
ワールゴブリンの素材は安い
箱や道具が無ければ持ち運びも面倒
「放置でいいか。次の魔物〜」
魔物を次々と切り裂いていく
周囲の魔物が音や声で気付き接近してくる
剣を振るい素早く接近してきた魔物を斬り裂く
魔物が攻撃するよりも先に刃が届く
持ち方や持ち手を変えて倒していく
……あれぇ?
違和感に気付く
強い魔物は居ない、しかし量が多い
平原で戦うと魔物が集まる事はあるがこの量はおかしい
クロナだから捌けているが普通の冒険者では凌げない可能性がある
次から次へと襲いかかってくる
腕を切り落とし首を切り落とし武器を真っ二つに斬り裂き胴体を両断する
ひたすら剣を振るう
「まぁ訓練としては丁度良いかなぁ。全員斬り倒す」
踏み込んで大振りで剣を振るい魔物を両断する
素早く複数回斬り裂く
囲まれている、周囲を確認して1番近い魔物から1体ずつ倒していく
そして倒し切る
「何体だろ」
魔物の死体を数える
合計40体の大群であった
殆ど弱い魔物で苦戦もしなかったが量が多い
一部の魔物の素材を取って袋に入れる
……こんなに多かったっけ? 何処から湧いた?
魔物と戦う前に周囲の魔物の姿を確認していたがここまで多くはなかった
近くに人は居ない
これでは状況を聞こうにも聞けない
……まぁ良いか。少し早いけどギルド行くかな。一応報告すべきかな
考えるのを辞めて剣を仕舞いギルドに向かう
魔物の異変についてはギルドに言えば大体ギルドが動いて何とかする
必要なら冒険者に依頼を出す
そしてその情報が些細な事でも大きな騒動になりうる重要な情報であった場合、情報料を貰える
城門に近付くと魔物の姿が見える
数は2体
遠目から見てもそこそこ大きい魔物だと分かる
門番が魔物の前に立ち槍で応戦している
商人達は大混乱、何やら揉めているようだ
待機していた兵士も駆り出され一部は商人の対応に追われているようだ
……一先ず
地を蹴り走る
2体の魔物を見てどちらを倒すか考える
同じ種類の魔物、獣種ロルベア
森に生息するワールベアとは別の魔物
……負傷してる方かなぁ
門番の1人が攻撃で負傷している
このままでは押し切られかねない
劣勢の方に手を貸す
「くっそ、抑えろ! 絶対に城壁内には入れるなよ!」
「落ち着いてください。一先ずこちらへ!」
「早く入れろ! 私らを殺す気か!」
「援軍は!」
「まだだ!」
「抑えきれねぇぞ! 冒険者も居ないのか!」
「朝早いからな! 誰も来てねぇよ! 外出た冒険者も戻ってこないだろうしな」
「食い止めろ!」
「ぐはっ……」
「なんでこの魔物がこんな場所に……」
門番の1人の槍が弾かれる
槍は空を舞い地面に突き刺さる、武器を失った
後退る、ロルベアは爪を立てて手を振るう
「ギリギリセーフ!」
滑り込んだクロナが剣を抜き振るう
ロルベアの腕を切り飛ばされる
「冒険者!」
「助かる」
「後はお任せを」
踏み込み2回剣を振るう
ロルベアは胴体に深い傷を負うがまだ倒れない
倒れないと判断してすぐに足を斬り倒れたロルベアの首を斬る
……次
休む暇は無い
すぐにもう1体のロルベアの方を見る
門番がダメージを与えている
倒すには程遠いが動きが鈍っている
……若干届かないんだよな
ロルベアは大きい
首には届くが首を切り落とすのが難しい
魔物の背後から接近して両足を切り裂いて転倒させる
そして背中に乗り首を落とす
「た、助かりました」
「間に合って良かったよ」
「ありがとうございます」
「この魔物って東の森の中のワールベアとは違うよね?」
昨日戦ったワールベアと見た目が違う
「はい、この魔物はロルベアと言ってこの付近には出現しない魔物なんですが……」
「間違いなく何かの予兆だな。ギルドに報告するか」
「それなら私が伝えるよ。ギルドに行く用事あるし君達は見張ってた方がいいと思うし」
「そうか、それは助かる」
冒険者カードを見せて中に入る
ギルドへ向かう、大通りがざわついている
魔物の騒動があった事はもう広がっている
こう言った話は広がるのが早い
「城門に魔物が?」
「あぁ2体現れたらしい、それで門番が負傷したってよ」
「どうやらこの付近の魔物じゃねぇって話だ」
「あれワールベアじゃね?」
「ワールベア? 東の森の奥の魔物じゃねぇか。近いがこんな所まで出てくるなんて」
「まじかよ。やばくね?」
「あぁ、スタンピードが起きるかもな」
「不味くないか!?」
「スタンピードか」
「そうなる前にギルドが対応してくれるだろ」
ザワザワと人々が話しているのを横目にギルドへ行く
……これは急いだ方がいいかも
情報料目当てで適当な事を言う者も居る
適当な噂を流しデマを流す者も居る
早く正しい情報を伝えないとギルドが混乱する
走って向かう
ギルドの前でユイラが待っている
……まだ時間じゃないけど早いなぁ。ただ今は報告優先
スルーしてギルドに入る
「クロナさん? 今城門の方から……何かあったのかな」
クロナはユイラを一度見てわざわざスルーしてギルドに入った
ユイラはその事に何か問題が起きたのだと判断してギルドに入る
ギルドに入ってすぐに受付に行き報告をする
「そんなに急いでどうしました?」
「城門近くで魔物2体と門番が戦闘、そしてその魔物はロルベアとの事」
「ロルベアですか……」
「門番の1人が異変と判断した。私は戦闘に参加して伝言を預かった」
ギルドが魔物回収すれば魔物の種類はすぐに分かる
ここで魔物の種類も言う事で情報の信頼を上げられる
「他には?」
丁度施設に来ていたギルド長が割り込む
「……平原で魔物を倒していたら大量の魔物に囲まれた。死体はその場所に放置してあるけど」
「数は?」
「40体」
「40体だと? ……回収班! 城門の魔物及び平原の調査をしろ。暇な冒険者共も手伝え!」
「は、はい! すぐに」
指示を職員が急いで魔物の回収の準備をし始める
魔物の回収と死体の確認はギルドの職員が行う事がある
放置された魔物の回収を行う業者はギルド職員
「分かりました!」
「冒険者は平原調査するぞ! おい、あんた城門からどのくらい離れてる?」
冒険者の1人がクロナに聞く
「城門からそんなに離れてないくらいしか」
「OK、暇な奴は来い!」
「おぉ!」
「了解」
「箱は誰か持ってるか?」
「持ってないなら数が要るな」
「一先ず確認だ」
ギルドに居た冒険者達が平原に向かっていく
他にも大量に魔物が居るかも知れない為冒険者が向かう
「後、倒した魔物の一部から回収した素材」
袋に入れた魔物の素材を提出する
受付嬢が受け取り机の上に出す
「確認します」
受付嬢が一つ一つ確認をする
素材を分けている
「クロナさん何があったんですか?」
「大量の魔物と戦ったのと城門付近でロルベアって魔物と遭遇したくらい」
「ロルベアですか」
「門番から聞いただけだけどこの付近の魔物では無いんだよね?」
「あぁ、ロルベアは隣国アルトラとの境界にある。エルダス山に生息する魔物だ」
「エルダス山」
骸龍が居る山
そこに生息する魔物が城門付近に現れた
「滅多に無い事?」
「あぁ、無いな。奴らがわざわざ骸龍の縄張りから出てこっちまで降りてくる理由もない」
「成程」
「エルダス山で何かあったって考えるべきだな」
「最悪骸龍が動いたという事ですね」
「あぁ……骸龍がどう動くかが問題だ。まぁ後はギルドに任せろ。必要なら依頼を出す」
「わかりました」
2人はギルドを出る
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます