遠出の準備

「取り敢えず準備しようか」

「そうですね。ただエルダス山付近に行けないかも知れません」

「まぁ問題起きたもんね……依頼で骸龍討伐あればいいのに」

「出たとしても4級では受けれないと思いますよ」

「森の主倒したし飛び級とか無い?」

「あったらそれはそれでギルドの信用が落ちそうです。ランクの意味が無いと」

「あぁ確かに」


ランクは実力で分けているだけでは無い

実績を積み安心して任せられる程の実力があるという証明

実力があるだけでは認められないのがランク


別の大通りにある店に向かう

大通りは4箇所東西南北に存在する

それぞれに構える店が違う


「遠征用の店はどこ? 南しか使った事ない」

「東側の大通りにあります」

「知ってるの?」

「受付の方の説明で言ってました」

「そんな事まで言ってたんだ」

「はい、冒険者に必要な情報だと」

「確かに必要かも」


東の大通りに向かう

南の大通りと見た目は変わらないが小道具屋が多い

ずらりと並んでいる

薬草やポーションは南の大通りにも売っていたが量と種類が違う

そしてバックや保存食などが売られている


遠征は時間が掛かる、数時間ではなく数日単位、長ければ1ヶ月など

その間食料に困らないように保存の効く食料が作られた

遠征には保存食を含む多くの道具が必要になりその道具を持ち運ぶ為に大きなバックが生まれた


「店大量」

「取り敢えず1番近い所から探しましょう」

「何を買えばいいの? 大きなバック?」

「大きいのは神秘の箱があるので要りません。ただ薬草とか入れる用のバックは欲しいですね」

「小さい奴かぁ。小さい奴なら安そう。箱便利過ぎない?」

「便利ですよ。保存も効きますし」


店の中に入る

大量に並ぶ商品を見て回る


……大量、これって魔力ポーションだっけ?


魔力を回復させる特殊なポーション

魔力を使わないクロナには不要な物だが魔法を使うユイラには必須とも言えるアイテム


「魔力ポーション大量に買おう。私は使わないけどユイラ使うでしょ?」

「そうですね。防御魔法は魔力を結構使いますから」

「他には薬草と治癒薬?」

「治癒薬はそうですね。魔力温存出来ますし薬草は毒に対して使える物だけですかね」

「毒かぁ。確かに厄介」


一部の魔物は毒を持っている

毒の種類は様々で適応する薬や薬草を使って処置しなければ最悪命を落とす

命を落とさずとも毒やその後遺症で苦しむ事もある

ポーションと治癒薬、薬草を何種類か買う


「戦闘面はこれで良いとして」

「魔道具は使わないんですか?」

「私魔道具使えないんだよね。魔力がないからなのか扱えない」

「そ、そうなんですね」

「まぁユイラは欲しい魔道具あれば買うといいよ。私は特に要らないかな」

「分かりました。その前にテントや寝袋、着替え、食料ですかね」

「それじゃ食料見てくる〜。嫌いな食べ物はある? 買うの保存食だけど」

「保存の効く物には特には、ただできる限りバランス良い食事が良いです」

「了解〜」


2人は別れる

ユイラはテントや寝袋などを探しクロナは食料を見に行く


……保存食である必要は無いけどまぁ楽な保存食かな。何があるか分からないし


保存食の中には調理が必要ない物がある

時間がかからず火を立てずに済むのは利点

魔物の住むエリアでは火を立てれば魔物に気づかれてしまう危険がある

そして警戒しないとならず問題が起きたら即行動が取れる必要がある為、余りじっくりは食事に時間を取れない


保存食が売られている店を見る

燻製された食材や干し肉、缶詰などが売られている


……バランスが良いって肉だけでなく野菜もって事かな。なら燻製系と小腹用に干し肉、魚の缶詰かな。色々種類あるなぁ


燻製食材や缶詰にも色々な種類がある

棚に並んでいる物を見て美味しそうな物を適当に選びカウンターに持っていく


「おや、大量に買うね。遠出かい?」


あれもこれもと取っていたら大量になってしまった


……これは高そう。足りるかな? 足りるよね?


金の心配をする

森の主の素材の金があるとはいえ減らすべきかと考える


「その予定」

「この店にあるのは基本長期保存が効くからその遠出で使わなくても取っておけるから大量に買っても無駄にならないぞ」

「へぇ、便利」

「それに一つ一つは小さいがしっかりと量がある。少人数なら多く持っていかなくても大丈夫だ」

「おぉ、それは良いね。ただ神秘の箱使うから大丈夫」


食料は必須な上重く嵩張るのが難点、時間が掛かるとその分多くなる

その為現地調達をする者も居る

神秘の箱があればその心配はいらない


「神秘の箱か。あれなら量はそこまで気にしなくていいな。合計で1ティルだ」


……高いけど足りる


1枚の紙幣を取り出して支払う


「毎度あり」


大量の保存食を持ってユイラを探す

人通りが多く探すのに苦労する

ユイラが行ったであろう店を探す


「ユイラ何処行った……? 遠くには行ってないと思うけど、寝袋とかその辺がある店は」


周りを見渡しながら探していると店の中で思案しているユイラを見つける

直ぐに駆け寄る


「ユイラ箱」

「……あっ、はい……大量ですね」


声に気付いたユイラがクロナを見る

神秘の箱に保存食を仕舞う


「あれもこれもってやったら大量になっちゃった」

「保存食なら長期間置いておいても大丈夫ですし箱の中なら更に持ちます」


魔道具神秘の箱の中は時間がゆっくりと進んでいる

内部にある物の腐敗速度がかなり遅い

箱の中に突っ込んでおけば食材も基本持つ


「楽に食べられるのを選んだ」

「行く予定の場所は魔物の住処ですからね。すぐに食べられる物が1番ですね」

「後小腹空いたように干し肉も」

「干し肉……」

「苦手?」

「食べれるんですが干物は固いのがちょっと苦手で」

「まぁうん干物だからね。それでそっちは決めた?」

「張るのが楽なテントが無いか探しているんですが見つからなくて」


テントを張る際に時間がかかる、手こずると面倒である

1箇所を拠点として活動するならともかく何日もかけて進む為、張る、片付ける、張るを繰り返す事になる


「そこはまぁ妥協かなぁ。私は寝袋だけで大丈夫だし」

「時間が掛かると支障が出かねないので……まぁそうですね。妥協しますか」


テントと寝袋を購入して箱に詰め込む


「後は魔道具?」

「そうですね。魔道具は私1人で大丈夫ですから何かやる事があれば」

「ならギルド行ってみる。進展あったかもしれないし」

「分かりました」


クロナはギルドへ向かう

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る