一般通過JK、打ち上げ配信をする②

「こんまよ~」


 ・こんまよ

 ・こんまよねーず

 ・待ってた

 ・打ち上げ配信のゆるさすこ


「はい、というわけでね。恒例の打ち上げ配信の時間です!」


 先日のスラミー王国ダンジョンの打ち上げ配信にリスナーたちは盛り上がりを見せている。


「なんとっ! ゲストもいます! 誰だろうね?」


 ・全くわからん一体誰なんだ…

 ・み、み……

 ・美桜ちゃん以外呼んでたらビビるわw


「おいでー」


 舞夜の呼ぶ声に、美桜がカメラの映る位置にそろそろと現れる。


「舞夜様のリスナーさんたちこんまよです。美桜です」


 ぺこりと頭を下げて現れた少女は、スラミー王国ダンジョンをともにした舞夜の後輩の美桜だ。


 二人が並ぶと画面内の顔面偏差値が急激に上昇した。


 予想していたゲストではあるが、コメント欄は大はしゃぎである。


 早くもスパチャまで飛び交っていた。


「スパチャどうもー! この前の配信だと全然拾えてなかったから別の機会にスパチャ読み配信もするからお楽しみ

に!

 さてさて、それじゃあみんなお待ちかねのボスドロ紹介しちゃおうっ」


 ・うおおおおおおお

 ・すげえ気になってた

 ・これを待ってたぜ


「まず1つ目、予想してみて?」


 ・焦らすなあw

 ・ゲーミングキングスラミーの腕輪

 ・腕輪シリーズそんなないだろw

 ・スラミー系統ってポーション落としやすいからそれ関係とか?

 ・ポーションは地味な金策になっていいよな

 ・なんか強そうな武器

 ・なんか強そうな防具!

 ・雑で草


「はい! 残念! みんなはずれ~。よく画面見て? 私が座ってるのこれなんですかー?」


 ・ゲーミングチェア?

 ・あっそういうこと!?

 ・ゲーミングキングスラミーだからゲーミングなもの落とすんかw

 ・その方向性は予想外www


「そう! ゲーミングチェアなの。しかもただのゲーミングチェアじゃありません!

 アームレストの側面にあるボタンを押すと……」


 舞夜がボタンに指をかけた瞬間、チェアの表面に幾何学的模様が浮かび上がる。


 模様に沿うように徐々に光が強くなり、赤、橙、黄、緑、青とめまぐるしく光の色が入れ替わり、複雑な輝きを生み出す。


 光はリズミカルに脈打ち、舞夜は虹の輝きに包まれていた。


「わぁ……! すごいですっ舞夜様! とってもきれいです!!」


 ・これがほんとのゲーミングチェアか…

 ・目に悪そうwww

 ・死ぬほど光ってて草

 ・ごめんワロタ


「いやぁ……ゲーミングキングスラミーほんとにつよつよだったもんね。でもおかげでこんないいものが手に入ってよかったっ!

 フィット感抜群で全く疲れないし勉強もはかどりまくりだよー」


 ・さりげなく光オフにしてて草

 ・眩しいもんなw

 ・シンプルに椅子としての性能高いのいいね


「そしてー? 美桜ちゃんは?」


「はいっ! こちらです! 私はこの2つをいただきました!」


 ・キーボードとマウスw

 ・しかもゲーミング!

 ・ゲーミング機器一式くれるのいいなw


「あのっほんとにすごいいんです! どちらも手に馴染んで使いやすくて……!」


 珍しく美桜が興奮したように喜びを表に出していた。


 キーボードもマウスも最新鋭のデバイスを凌駕する機能性であった。


「美桜ちゃんゲームするの結構意外だったんだよねー」


「あっ……。え、えっと……その、はい。ち、ちょっとだけなんですけど……」


 美桜は頬を染めて、もじもじしながら小さく頷いた。


 言葉とは裏腹に、ゲーミングデバイスを大事そうに胸に抱えている。


 ・めちゃめちゃ意外!

 ・お嬢様ぽいからゲームとかやらないもんかと

 ・どんなゲームやるの?


「実は、FPSが好きで……。だからとっても嬉しいんです……!」


 ・FPSやるんかw

 ・美桜ちゃんのFPS配信みたい

 ・いずれはゲームコラボでもやってほしいな!


「おーそういうのもいいかもね! どう美桜ちゃん、またコラボしてくれる?」


「はいっ! もちろんです! いつでもお声掛けください!」


 ・ふたりともめっちゃ仲良くなってるな

 ・助かる

 ・尊い

 ・語彙力死んでて草


「とゆーわけでボスドロお披露目配信でしたー!」

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