対話2

姉「ねぇ、桜の雑学の本は、もう読んだみたいね?」

僕「うん。さわりの部分だけ」

姉「西行法師さんが詠んだうたも二十首ほど収録されてるよ」

僕「えっ、そんなに」

姉「ええ。100を超える桜のうたが、『山家集』って本に入ってるんだって」

僕「『願わくは 花のもとにて』以外にもあるんだ。それも、100!?」

姉「ふふ、じゃあ、そこの箇所、一緒に読もう」

僕「読もう、読もう」


── 姉弟、リーディングタイム──


僕「ふぅ、こりゃ覚えるのが大変だな」

姉「ひょっとして、新しい小説に丸々コピーしようとしてない?」

僕「えっ」

姉「それに、『山家集』も買おうとしてるでしょ」

僕「どうしてバレた」

姉「っふふ、顔に書いてるよ」

僕「/////」

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