私はこの会社に向いているのでしょうか。

 会社に戻った私は資料を取りに来る時間を確認し、課長に明日の16時には社内にいるようにすると報告した。

 課長は仕事が滞らないならいいよとパソコンをずっと見たまま言った。

 そして、私が言い終わり、課長に背を向けると

「くそ、また負けた……。」と課長がボソッと呟いていた。

 課長は仕事で数字出せていないのかな……。


なんて思いながら、自分の席に戻ろうとすると、


 「浅田ちゃん、悪いんだけど明日、旦那の親戚のお葬式に行かないといけなっちゃって、仕事お願いできる?課長にはお休みもらってるんだけどね。」と先輩に言われた。この前、夜に男の人と一緒にいた先輩だ。


 しかし、明日は既に仕事が入れられそうになかったので

 「すみません。結構、仕事が入ってしまっててできないです。他の人にお願いしてもらってもいいですか?」

と言ったら、


「チッ、使えないわね……。」

「えっ?」

 私は聞こえなかったので聞き返した。

「ううん、何でもないよ。じゃあね。」

 何となく対応が雑になっていた。本当に先輩に申し訳なかったな……。


 お詫びとしてお菓子をプレゼントしようかな。


 翌日、私は取引先の人に資料を直接渡した。担当の人が会社から出ようとした時に課長が私を呼んだ。

「浅田くん、君にクレームの電話入ってるよ。すぐ対応して。」

 私は、担当の人に会釈し、その場を後にし対応した。

 新規で契約してくれた会社でサービス説明が不足していて問題となったとのこと。  

 新サービスが導入されたのだが、私は課長から何も聞いていなかった。外回りでいないにしても、電話やメールで共有できたはずだったが、それもなかった。


 しかし、課長から私の説明不足だったということで長い時間、怒られてしまった。


 今日も定時には帰れない私は何となくここで本当に頑張れるのかどうか疑問に感じてきた。

 課長は怒っても改善策を聞いても自分で考えろと言うし、いつもの残業でも最初は声をかけてくれたものの、いつしか何も言わずに帰るようになっていった……。

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