02 決意の朝
東の空が、かすかに白み始めていた。
鳥の声はまだ途切れ途切れで、風すらもその身を潜めている。
一晩中考え、何度も同じ結論にたどり着いては――また考えた。
――
そして三人で、一緒に
そう決めたはずなのに、胸の奥には重い不安がこびりついて離れない。
行動を起こすなら今日しかない。
時刻は、午前四時半。
――ダメだ。
個人チャットとはいえ、見られているような気がしてならない。
電話も、同じことだろう。
「……行こう」
小さく呟いて、
靴を履き、玄関を出て、自転車のスタンドを蹴り上げる。
朝もやの中、チェーンの軋む音だけがやけに大きく響いた。
農家の朝は早い。庭先では
「おはようございます。
「まあ
ほどなくして玄関に現れた
しかし
「どうした、こんな時間に」
「話がある。……大事な話だ」
二人は
この世界は、何度も同じ時間を繰り返していること。
そして――
眉ひとつ動かさず、聞き終わるまでじっと
遠くで、鶏の鳴く声が聞こえる。
沈黙の後、
「実は――その話、なんとなく気づいてた」
「えっ!?」
「校舎裏で、お前と
“あの二人に知られたら、生かしておけない”――って」
「最初は何か冗談でも言い合ってるのかと思ったんだ。
でも、後から探りを入れてみたら予想外にお前の反応がガチでさ……」
「昨日お前、“明日は用事がある”って言ってただろ。
だから
なんて察しがいいんだ――
「これ――持ってきてるんだ」
このまま三人で神社へ行き、その場で時間跳躍をする――それが
「うん。そのプランでいいと思う。動くなら早い方がいい」
「いいのか。もし神社に鏡がなかったら……」
「その時は
「あとは……みっこだな」
「
その意見には
実の姉のように慕っていた
「じゃあ、みっこへの説明は
「オッケー。すぐ行ける」
どうやらすでに“その時”に備えていたようだ。
「!? 用意いいな……」
「まあ、嫌な予感ってやつだ。こういうときは当たるもんだろ」
その周到さに驚きながらも、
――いける!
俺ひとりだとちょっと頼りないけど!
澄んだ朝の風を受けて、自転車は走り出す。
「
「ん?」
「……ありがとう」
それだけ言うと、
――この繰り返す世界の中で、今はただ前に進む。
世界がどう歪もうと、この瞬間だけは、真実だ。
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