第19話 宣戦布告

「ゼクリフォス!?」

「なんでまたこんなこと……!」

烈人とヒカリの絶叫を聞きながら、キーボードを打ち続けるレニアが驚愕の声を上げる。

「これ、世界中のデバイスをジャックして放送され

 ているようです!」

『我ラハタッタ今、コノ時ヨリ、コノ世界ニ対シテ 

 宣戦布告スル。ダガ、安心スルガイイ。我々ハ心

 ヲ糧トスル者。命マデハ奪ウ気ハ無イ。』

「な、宣戦布告って……!」

構わず、ゼクリフォスは続ける。

『先ズハ手始メニ、日本ノ全国民ノエネルギーヲ貰

 イ受ケル。覚悟ヲシテオクノダナ。』

ブツッ

一瞬の静寂。

その次にヒカリの口が開く。

「あいつら、まさか本気でやる気なの?」

また暫くの静寂の後、レニアが重々しく答える。

「恐らく、その通りかと思われます。彼らが宣戦布

 告したのならば、適正者探しを急がなければなり

 ません」

レニアが機械を操作すると、先ほどの適正者の画面に戻る。

「改めて、今の状況を説明します。まず、ゼクリフォスは立った今全人類に宣戦布

 告、話の内容の通りならば、この国から侵略行為を行うはずです。そして二つ

 目、私たちは適正者探しをしなければなりません。」

「適正者……それって前の方法以外になにかないのか?」

レニアがしばらく考えるそぶりをして、はっと何かを思いついたかのようにディスプレイの一つを大きく表示する。

「これってなに?」

「これはエネルギーチェイサーといって、エネルギーの流れを解析し、そしてそのエ

 ネルギーの属性、さらにはその強さを計測して脅威度を……」

「……ごめん、頭痛くなってきたからもっと簡単に」

ヒカリの記憶力と理解力のためにかいつまんで説明すると、この機械でゼクリフォスの位置や適正者の属性などがわかる機械、らしい。だが。

「でも適正者は至近距離じゃないとわからないんですよね……」

思ったよりも適正者探しは難航しそうかもしれない。


その夜。

レニアは一人、マテリアルベースにてメインシステムのキーボードをカタカタと操作していた。

映し出されたモニターには、一人の少女が映し出されている。

「やはり適正はなし……なのになぜこんなにマテリアルと統合性が……まさか彼女

 は……」

つぶやきは、闇に消えた……

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