第18話 秘密基地、見参!

「秘密基地って書いてる時点で秘密基地ではないよ

 うな……」

「というか、秘密基地ってそうそうつくれるもんじ

 ゃないわよ法律舐めんな」

二人してレニアを馬鹿にしていると。

ピー、ピー、ピー、ピー、ピー、ピー

「うわぁ何の音ぉ!?」

部屋にアラームが響く。

それと同時にレニアが転移してくる。

「錬成成功ですね!あ、おかえりなさい烈人くん」

挨拶もそこそこに、レニアが床に置いてある機械を操作する。

「それ、マテリアルコアの……?」

「はい!丁度錬成終わりましたし、見てみます

 か?」

機械のカバーがバカ、と開き、中から蒸気か湯気かよくわからない気体とともに模様が刻まれたマテリアルコアを取り出す。

「うわ、これなんの模様?」

覗き込んだヒカリがボソ、と呟く。

確かに、なにこれと言いたくなる模様だ。

やたらと右腕がデカい姿をした人の姿が刻印されていた。

「これが……あの筋肉野郎の?」

ヒカリがレニアに聞くと、レニアはふふん。と腰に手を当てながら胸を張って答える。

「はい、その通りです!その名も『ギガントアーマ

 ー』!」

「ぎ、ギガント……それってどんな効果だ?」

「まぁ、使ってみてからのお楽しみです」

そう言って、錬成したばかりのマテリアルコアを烈人に手渡す。

「あ、そうそう」

「「?」」

「適合者の話なんですが……」

「あぁ、実はまだ見つかってなくて……」

「っていうか、人に無理矢理付ける以外の方法ない

 の?ただのヤバいヤツに見えるわよ。」

「えぇ。実はですね……」

レニアが腰のボタンを押す。

ぽちっ

そんな音とは真逆の、深淵を覗くような音が部屋になり響き、視界が暗転する。

「うわぁぁぁぁ!」

「きゃぁぁぁぁ!」

2人の悲鳴虚しく、部屋には誰も残らなかった。


2人が目を開けると、そこは近未来的な、継ぎ目のない白い壁に白い床。そして、見たことがない機器の数々。そしてめっさデカいモニター。

「……こ、ここは……」

「どうです?すごいでしょう。私の最高傑作なる秘

 密基地、その名も『マテリアルベース』!」

「すっごい安直な名前だけど、すごいわね……すっ   

 ごい安直だけど」

「安置とはなんですか、安置とは!」

「いいから話戻してくれ……」

胃が痛くなる前に話を戻す。

「まずはこれを見てください」

レニアがタッチパネル式のキーボードのようなものをカタカタ叩くとヴォン、と近未来的な音とともにスクリーンが空中に投影される。

そこに写されたのは、5という数字とともに街の縮図とマテリアルコアのようなものが4つ表示される。

「これは……なんだ?」

「これは適性者が扱えるマテリアルコアです。

 そして、この街の縮図とこの数字はこの街にいる   

 とされる適性者の数ですね。」

5、ということは、この街には適性者が烈人以外にあと4人いるということだろう。

「そんなにいるのか。」

「案外レアじゃないのね、適性者って。」

「いや、これは凄いことですよ。だって本来なら世

 界に1人、良くて2人くらいしかいない適性者こ

 のチンケな街に5人もいるんですから!」

「人の街をチンケって言うなチンケって。」

しかし、先程のレニアの発言が本当だと言うのなら、この街に本来の2倍ほどの適性者がいることになる。

「っていうか、錬成したマテリアルコアで変身でき

 ないのか?」

そう聞くと、レニアは首を横に振る。

「いいえ。変身はできません。変身するほどのエネ

 ルギーは自然エネルギーのマテリアル……つまり

 は炎、風、光、はたまた雷など、自然の力を錬成

 したマテリアルコアでないと変身はできませ

 ん。先程のものは強化アイテム的な立ち位置です

 ね。」

「成程ね。つまり人の感情とかのエネルギーだけじ

 ゃ変身できないってことでしょ?」

ヒカリが聞き返すとレニアは大きく首を縦に振った。

「その通りです!そしてーー」

ザザザッ、

突然、メインモニターが揺れる。

「な、なんだ……?」

「まさか……こ、これは……!」

レニアがキーボードを叩くと、電子音とともにもう一つモニターが現れる。

そこに映ったのは、人……いや、人の姿をした、なにかだ。そして、その人型は告げる。

『我ラハ「ゼクリフォス」。』

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