第10話 ヒーローは大変だ。

あの長々とした説明を要約すれば、

あのゼクリフォスという怪物を倒すためにはエレメントという精神エネルギーを物理や元素などに干渉するエレメントスーツ(少女限定)を装着しなければならない。と、言うことだった。

長いわ、説明。

しかも、一度変身すると、他の人間が奪ったとしても本人しか変身出来ないらしい。

なんでそこだけセキュリティ高いんだよ。

因みに意識を失ったのは初めてマテリアルを使ったのとスーツの出力調整がまだ調整段階だったかららしい。

「……つまり、烈人が戦わなきゃいけない訳?」

「そういうことになりますね」

「何故そんなこと早く言わないのこのロリコンが

 ぁ!」

「ぐぶぅぉわぁッ!」

自室の床に再び穴が増えた。


そんなこんなで翌日。

何故か居座ることになったレニアからの夜這いを回避しつつ起床し、盗撮用カメラを外に投げ捨てながら着替え、媚薬入りの朝食を避けながら朝食をとっていると、何か騒がしい音が聞こえた。どうやら昨日のあの出来事をニュース番組が報じているようだ。

(確かに、色んな事があったしなぁ)

どのみちこれからはバーンレッドとしてもいなければならない以上、あまり派手には動け

『そこまでだ!ゼクリフォス!』

聞いたこと、いや言ったことある台詞がテレビから流れている。

『いいか!俺の名前はーー』

いや、待て。落ち着け自分。また焦るようなときじゃないというか言うな終われそこで再生終了してくれ頼むホントマジでたの

『ーーバーンレッドだ!』

「ブフォッ!」

「グフッ゙!」

人んちのリビングで我が物顔でココアを飲んでいたヒカリはココアを床に撒き散らし、烈人は食べていたトーストを喉に詰まらせる。

『この映像、どう思われますか』

『そうですね……CGにしてはクオリティが高すぎ

 るとは、思いますねぇ』

『自分の事をバーンレッド、と名乗っていました

 が、一体誰なんでしょうかね。』

『これから注目されるでしょうね』

『実際、警察、自衛隊が公式に調査を開始したらし

 いですからね。インターネット掲示板でも、バー

 ンレッドの話題でもちきりだったそうですよ。』

テレビキャスターの台詞とともにSNSサイトのランキングが掲示板され、そこの一位トレンドは勿論

『バーンレッド』

ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙!

マジでやめてくれ確かに市庁舎の駐車場で戦ったのも悪いけどさ!

「あらー、凄いわね、烈人、ヒカリちゃん」

「そ、そうだね母さん……」

「そ、そうですね……」

頼む母さんだけにはせめて母さんだけにはバレないでくれ……!

そうこうしているうちに登校時間になり、人生で初めて怯えながら登校した。

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