第8話 いざ初戦 

『ホォ……バーンレッド……ソノ名前シカト覚エタ

 ゾ!ソシテ我ガエネルギータルJKヲ奪イ取ロウ

 ナド笑止千万!オ前等、ユケ!』

子分達が一斉にバーンレッドに襲いかかる。

「うわぁっ!」

間一髪で回避し、体勢を立て直す。

『バーンレッド、腰に剣武装があります!それを使

 ってください!』

「分かった!」

再び襲いかかる子分を躱し、腰に手を当てる。

「武装、武装、剣……これか!」

剣の柄を握る感覚に任せ引き抜く。

女となった自らの身体の上半身くらいはあるのではないかという刀身を飛びかかって来た子分に突き刺す。

『グ、ギャァァァ』

纏めて何体か貫通し、それらが灰となっていく。

『ナ、何ィ!?』

「す、すげぇ……」

そのまま勢いで後続の子分達も斬り捨てる。

『グッ!?』

『ギャァァァ!』

『ギョワァァァ』

次々と灰に帰していく。

『ク……コウナレバコノ俺ガ貴様ヲ倒シテクレル!

 喰ラエ!バーンレッド!』

ゼクリフォスが突撃し、バーンレッドの剣と爪が鍔迫り合う。

「ぐ、っ!」

『ソシテ、喰ラエッ!』

ゼクリフォスがもう片方の爪を突き出す。

(まずい、死ーー)

ーーななかった。

直前でバリアの様なものに爪が阻まれた。

『ナ、何ィ!?』

「あ、……あっぶねー…」

『バーンレッド!聞こえますか!?』

耳から声が聞こえる。レニアだ。

「あぁ、聞こえる!」

『その剣……マテリアルソードには必殺技がありま

 す。』

「ひ、必殺技……?」

『はい。マテリアルレイカーの中央の紅い玉、覚え

 てますよね』

「あぁ、あれか」

『あれはマテリアルコア。簡単に言えば〘属性〙で

 す。それを剣に装着してください!』

「分かった、よ!」

更に剣に力を込め、ゼクリフォスをはじき飛ばす。

「こ、こうか!」

マテリアルレイカーからマテリアルコアを取り出す。

「えーと、どこだ……、これか!」

マテリアルソードの柄のそれらしき穴にマテリアルコアを埋め込む。

すると近未来的なブレードが焰を纏い、炎炎と燃え盛る。

『マテリアルソードのレバーを下げて、全エネルギ

 ーを開放してください!』

「了、解ッ!」

マテリアルソードのガードのレバーを下げる。

「うわぁぁ!」

勢い良く焰が立ち上る。

そしてそれは収束し、刃を形成してーー

『ナ、ナナナ何ダソノエネルギーハ!?』

「……いよーし、いっくぜぇぇぇ!」

一気に振り下ろす!

「うぉぉぉりゃぁぁぁ!」

『グガァァァァァァ!』

開放された焰の刃をゼクリフォスは両腕の甲殻で受け止める。が、その甲殻も長くは保たず、砕け、灰と為す。

「これでェ……終わりだァァァ!」

『グ、グギャャャャァァァ

 コ、ンナjcニ負ケルトハ……!』

刃はゼクリフォスを切り裂き、爆散させる。

『やった!やりましたよ烈人君!』

通信機からレニアの声が聞こえる。

いや、聞こえたか……?

そう感じたときには、烈人は意識を手放していた。


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