第6話 変身すると言ったな。あれは嘘だ

光が消え去り、目を開けると街の中央。

市庁舎の屋上にいた。

「……は?」

「え?あれ、ん!?何がおきた!?」

「私の機械でテレポートしました。ほら、あれを見

 てください」

レニアに指さされた場所に目をやると、そこは市庁舎の駐車場。

黒い甲殻が体中を覆ったバケモノが、戸分のようなものを連れて襲いかかっていた。

『オイオ前等!「JK」ダ!「JK」を連レテ来イ!

 イイナ!?』

『『『キシャー!!』』』


「あれが、ゼクリフォス……」

「えぇ。彼等はその人の性格や容姿などの力を吸収

 し、自らの戦闘力を高めているのす。今回のゼク

 リフォスはどうやらJKを狙っているみたいです

 ね。」

「ねぇ、それって私も入って……!?」

「?どうしたヒカ、リ……」

目が合った。ヒカリではなく、ヒカリを捕獲しているゼクリフォスの子分達と。

「ーーー!ーーッ!」

「ヒ、ヒカリ!?」

『キシャー!』

ヒカリの下に走るも間に合わず、子分たちはヒカリをゼクリフォスの所へと飛んでいった。

『キシャー!』

『ホォ……コレハ素晴ラシイ。『JK』ノエネルギー

 ガ湧キ出テクルゾ!』

「ーーッ!ーーッ!」

「ヒカリーー!」

「あぁ!ヒカリさんがJKだったばっかりに!」

「いやお前が転移させていたんだろうが!」

ヒカリを助けなければ。

だが、このゼクリフォスのビジュアルを見てほしい。無理やろ体格差ありすぎだろ。

だが。さっきの会話が本当なら、JKを奪われたヒカリは植物状態になるのか。

それは嫌だ。小さい頃から話せた唯一の友達でも、一緒にバカ出来た幼馴染でもあるのだ。それだけは、それだけは絶対に嫌だ。……覚悟を決めろ。

「レニア!」

「は、はい!」

「そのマテリアルレイカーをくれ!」

「良いんですか!?」

「これであいつ等を倒せるんだろ!これしか手が無

 い!」

「……これを一度装着すれば、普通の高校生活を送

 れなくなります。……よろしいですか?」

「えそんなもんを俺につけようとしたの!?」

「……(*ノω・*)テヘ」

「あーもー!早くそれをくれ!」

レニアはマテリアルレイカーと小型の何かをを烈人に渡す。

「これは小型の通信機です。耳に装着してください

 ね。」

「分かった。」

小型通信機を耳に装着し、マテリアルレイカーを持ち直す。

「先ずはマテリアルレイカーを右腕に装着してくだ

 さい」

「こうか?」

レニアに言われた通り、マテリアルレイカーを右腕に装着すると、ベルトが素早く巻き付き、腕のサイズにピッタリ合わせてくる。

「そして、真ん中のボタンの様なものを押してこう

 叫んでください『フレイムクロス』と!」

「それいる!?」

「いります!音声入力と指紋認証のダブルロックな

 ので!」

「わ、分かったよ……」

烈人はマテリアルレイカーの中央にある燃え盛る様に紅い部分を触る。

カシュ、と機械音と共に表面パーツが展開する。

「え……と……フレイム、クロスッ!」

音声入力に訴えながら紅いボタンを握り拳で押す。

烈人が紅い閃光の柱に包まれる。

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