第6話 新たな一歩
今日は濃い一日だったな。冒険者ギルドを出た俺はぐっと背伸びしながら、今日起きた出来事に思いを馳せる。するとジェイドさんが、ずいっと俺の前に立ち塞がった。
「おわっ。びっくりした。どうしました?」
「レノさん。よければ一緒に飯を食いに行きませんか。このモライル、レノさんにも食べてみてもらいたいなと思って」
「それは嬉しいお誘いですが、いいんですか?」
無職なので何も予定はないし、このままさよならというのも味気ないなと思っていたので、誘ってくれるのはかなり嬉しい。
「予想よりモライルが大きかったので、一人で食べるには多すぎますし、今回世話になりましたから是非」
「では、お言葉に甘えていただきます。ジェイドさんがオススメするモライルの味にも興味がありますし」
俺がOKを出すと、ジェイドさんは腕を伸ばして、ビシッと勢い良く通りの方を指差した。
「向こうの通りに、魔獣の肉も調理してくれる店があるんです!そこでもいいですか?」
「ふっ……はい。いいですね!そのお店にしましょう」
目を爛々とさせて、心なしか張り切っているように見えるジェイドさんを見て、俺はつい吹き出した。なんだか今にも駆け出していきそうな感じで、面白可愛い。
「それと、ずっと気になっていたんですが」
「はい、なんでしょう?」
「レノさんって俺より年上ですよね」
「ん?そうですね。恥ずかしながら無職ですけど。あははっ」
船長の息子さんのアズールさんと自己紹介をした時に、ジェイドさんは25才って言ってたっけ。見た目は大人っぽい方だと思うけど、俺より3個年下なんだよな。
「あの……なので、敬語じゃなくて良いですし嫌じゃなければ、俺のことはジェイドと気軽に呼んでもらえませんか」
ジェイドさんは、頭を搔きながら少し照れくさそうにそう言った。
「じゃあ……そうさせてもらおうかな。ジェイドも敬語じゃなくて良いし、レノって気軽に呼んでくれるか?俺だって、仮とはいえ冒険者になったんだ。冒険者らしくフランクに振る舞うさ」
フンッと殆ど無い力こぶを作って冗談を言うと、ジェイドは一瞬キョトンとした。スベったな……いや。よく見ると真顔のまま、肩を震わせて静かに笑ってないか?
「あははっ!それ、堪えてるのか?だったら声にだして笑ってくれよ。恥ずかしいだろ」
というか、俺のしょうもない冗談より、ジェイドの癖のある笑い方の方がよっぽど面白いと思うんだけどな。
「……くふっ。す、すみません」
「こんなことで笑ってくれるならありがたいけどさ。それと敬語になってるぞ。また力こぶ作ってやろうか?」
「ふっ。や、やめてくれ……変なツボに……」
なぜかツボにはまったらしく、俺は店に到着するまでずっと、小刻みに震えるガタイの良い青年と通りを歩いた。
***
「いらっしゃいませー!」
店に入ると店内は既に賑わっていた。大衆食堂のような活気のある店だ。
「モライルを渡すついでに他の料理も注文したから、もし苦手なものがあったら言ってくれ」
「ありがとう。初めての店だから注文してくれるの助かるよ」
嫌いな食べ物は殆ど無いし大丈夫だろう。他の席からいい匂いも漂ってくるし。店内を見回しながらそんなことを考えていると、お酒と料理が運ばれてきた。
「じゃ、ジェイド今日はありがとう!」
「こちらこそ」
「「乾杯!」」
俺達は、ジョッキを掲げてぐっとビールを流し込んだ。ゴクゴクと喉を通る冷たいラガービールは、疲れた身体に心地よい。
「っはぁー!うまっ!」
他の店ではエールだけを取り扱っていることが多いが、この店では珍しくエールとラガーの両方を取り扱っているらしい。
俺はジェイドに合わせてラガービールを注文してもらったのだが、今日みたいな少し汗ばむ日にはぴったりだ。香りを楽しむというよりは、ぐっと流し込みたくなる感じかな。一緒に頼んだ鶏のフライがよく合う。
「レノさん、じゃなかったレノ。俺が連れてきたこの店、大丈夫か。結構騒がしいだろ?」
「全然大丈夫!それに俺はこういう店が好きなんだ。気楽に飲み食いできるからさ」
高級感のある店も嫌いじゃないが、日常的に行くならこういう大衆食堂っぽい店が良い。
「なら良かった。連れてきたものの、うるさい店は苦手なんじゃないかと心配した」
――ドンッ
「ちょっとジェイド。うるさい店ってなんだい」
俺が気に入ってるよと返事をしようとしたタイミングで、テーブルに豪華な刺身と唐揚げが置かれ、迫力のある声が上から降ってきた。見上げると片手にお盆を持った女性が立っている。この店の女将さんだろうか。
「うちは確かにうるさい店だけどさ、他に言い方あるでしょうよ。ほんっとこの子はもう。で、そっちのお客さんは初めて見る顔だね。どうだい、そのフライはうちの人気メニューだよ。口にあったかい?」
ここの女将さんだというその女性は、がーっと勢いよくジェイドを圧倒した後、すぐに俺の方を見て明るい笑顔で話しかけてくれた。
「ご飯もお酒も美味しいです!このあつあつのフライにかぶりついて、ビールを流し込むと最高ですね」
「そうさね!お客さんはラガービールは初めてかい」
「昔仕事の関係で一度だけ飲んだことがあるのですが、イマイチだったのでそれ以来飲んでいなくって」
たしかその時のラガービールは、エールと同じように常温に近いぬるめの状態で出された気がする。
「ラガーって冷えているとこんなに美味しいんですね」
「うん。それを知らない店も多いんだけどね。お酒は温度も大事なのさ」
なるほどなあ。あの時行った店の店主は、自分はあまりお酒を飲まないと言っていたし、知らなかったのかもしれないな。
「でもこのちょうど良い冷やし加減って、普通の冷蔵庫じゃ難しいですよね。氷魔法、魔鉱液?いや魔石を使った冷蔵庫ならいけるか?手間はかかるけど……って、すみません!つい職業病で」
俺は商業ギルドにいた頃の癖で、店の拘りや良い仕組みを見ると、ついブツブツ呟き考え始めてしまうことがある。元々独り言も多いので、一緒に出掛けることの多かったオリバーにはよく笑われていた。
「あらやだ。お客さん苦労どころをよくわかってるじゃないか。ちょっと手間はかかるけどね。定期的に氷の魔石を仕入れて、特注の冷蔵庫に嵌め込んでるんだよ」
女将さんが指差した方には大きな冷蔵庫が置かれていた。普通の冷蔵庫は、ライフラインとして流れている魔鉱液から魔力を取って冷やす仕組みだが、この店の冷蔵庫は、魔石から魔力を取って冷やしているらしい。
ちなみに、魔鉱液と魔石の違いはこんな感じだ。
魔鉱液
魔力が含まれる魔鉱石を融解して出来るもの。
公営企業が魔鉱石を融解して、各家庭や施設等に流している。水道、照明、台所の火等ライフラインは基本的に魔鉱液が動力源となっている。
魔石
魔力が含まれている石。魔鉱石よりも魔力の純度が高い。
ハイクオリティな仕上がりや、細かい調整を行いたい時など
庶民でも買えるが、定期的な取り替えが必要なので魔鉱液よりも手間はかかる。
「魔石はやっぱり手間だけどね。美味しい食事と酒が飲めるように拘ってんのさ。ま、高級店じゃないし、うるさい店には違いないんだけどね。あっはっは!」
女将さんは豪快に笑って自虐的に言ったが、手間のかかる魔石を取り扱っているのは、すごいと思う。
「いやあ。ご飯も美味しいですし、それだけ手間暇かけていらっしゃるから、こんなにお客さんが多いんですね。ジェイドも一人でよく来てるんだろ?」
「ああ。ここの飯と雰囲気は気に入っているからな」
俺がぺらぺらと話すペースに流されたのか、ジェイドも素直に店を褒めた。ジェイドと俺の褒め言葉に驚いたのか、女将さんはまるで珍しいものを見るように目をパチクリとさせている。
「やだよ、この子達ったらー!ほらほら、いいからそこのモライルの刺身と唐揚げも食べてみな」
女将さんは、嬉しそうにバシバシと俺達の背中を叩いて食事を進めた。照れ隠しにしては些か力が強すぎる気がするが、確かに俺も早く目の前の美味しそうな料理を食べてみたい。
「「いただきます」」
俺は先に刺身へ手を伸ばした。海ではあんなに恐ろしかったモライルだが、皿に乗っているのは美しい白身の刺身だ……って。わ、なんだこれ!うっまーっ!きゅっと身がしまっていてぷりぷりとしている。筋もないし、噛むほどに溶ける脂がほんのり甘い。
「ジェイド!モライルって美味いんだな」
俺が少し興奮気味に声をかけると、ジェイドは頬をパンパンに膨らませながら咀嚼中だった。視線だけをこちらに向けると、満足げに頬張りながら、頷いてくれる。
黙々と食べるその姿に触発された俺は、モライルの唐揚げにも箸を伸ばす。まだ温かい唐揚げを放り込めば、ジュワっと旨味が口の中に広がった。
あー、わかってたけどこっちも美味い。白身の淡白であっさりとした後味は、揚げ物なのに何個でも食べられそうな軽さがある。というかこれ、絶対ビールが合うだろ。
「っはあー!美味い」
「あっはっは!お客さん、ジェイドの食欲に負けないぐらい良い飲みっぷりだねえ」
ゴクリとビールを流し込み、思わず美味いと声に出した俺を女将さんはまた豪快に笑った。
「料理が美味しいので、ついお酒が進んじゃって」
「まあ。さっきから嬉しいことをいってくれるじゃないか。えっと、お客さん名前は?」
「レノといいます」
「レノだね。よし、あんた気に入った!モライルの刺身に合う酒を、あたしが一杯奢ってあげよう」
そう言うと女将さんはキッチンへ行き、清酒の入った瓶を一本と、枡に入ったグラスを二人分持ってきた。清酒や枡もあるなんて、本当に拘って色々と仕入れているんだな。
「これが一番刺身に合うからね。じゃ、注いでいくよ」
女将さんが瓶からゆっくり注ぎ、グラスから酒が溢れる。そして枡になみなみとはいったところで注ぎやめた。
「はーい、召し上がれ。お邪魔虫はそろそろ戻るから後は二人でゆっくりやりな……と、その前にジェイド。あんた良い相棒を見つけたじゃないか。仲良くするんだよ」
女将さんは優しい目をしてジェイドの肩を軽く叩くと、お盆を片手に席を離れた。ジェイドと女将さんの関係は、ぶっきらぼうな息子と小言を言いつつも温かく見守る母親のようで、とても微笑ましい。
「いい人だね。女将さん」
「ああ。俺も長い付き合いではないんだが、いつも気にかけてくれるいい人だ」
「そうなんだ。でも俺がジェイドの相棒ってさ、なんか勘違いさせちゃったよな。昼間の船長もそうだけど」
俺があははと笑うと、ジェイドは食事の手を止めて急に黙り込んでしまった。俺と相棒だと言われたのが、そんなに嫌だったのだろうか。
「レノ。嫌じゃなければ、また俺とクエストを受けないか」
「他にも受けたいクエストがあるのか?自分で言うのも何だけど、俺は足手まといになると思うぞ」
ジェイドがそれで良いなら俺は構わないけど。幸い貯金はまだあるし、仕事が決まるまでの丁度良い気分転換にはなりそうだ。
「まあ、ジェイドが俺で良いなら手伝うけど」
「俺はレノがいいんだ。それと、次からは手伝いではなく仲間として行動しないか?」
「……え。俺とパーティーを組むってことか?」
いや、この場合二人だからデュオか?まあ、そんなことはどうでもいい。今気になるのは、なぜ俺と組みたいと思ったのか、だ。
「悪いけどちょっと整理させてくれ。仲間が欲しいにしても、経験者とか自分のランクに合った人の方が良いんじゃないか?」
ジェイドのランクは知らないが、今回達成したクエストは『Bランク以上の者が、最低1人いれば可』という条件だったはずだ。つまりジェイドは、Bランクもしくはそれ以上の高ランクってことだろ?
「経験やランクは気にしなくて良い。危ない時は、俺がレノを守るつもりだ」
「守るって。足手まといにしかならないし、俺を一人で守りながら戦闘するなんて無茶じゃないか?」
「それについても問題ない。俺にはあと二人、仲間がいるからな」
「え、仲間?!」
いやいや、仲間がいるなんて初耳なんだが。なおさら俺が加入したら申し訳ないよ。
「故郷から一緒に出てきたんだが、途中で一人ケガを負ってしまってな」
「その人は大丈夫なのか?」
ジェイドとパーティーを組むような冒険者なら、きっと強いはずだ。そんな人がケガを負った後、一緒に行動していないなんて重傷なのではないだろうか。
「命に別状はないし、普通に生活出来るぐらいには元気だ。ただ、完治するための素材が足りなくてな。今は
「その素材って、もしかして今日のモライルの?」
「ああ。前の町は海がなくて入手出来なかったから、俺が取りに来たんだ」
仲間のケガを治すために誰かが素材回収に行くという話は珍しくないし、事情はまあわかった。でも、仲間がいるなら尚の事俺は加入しない方が良いと思う。
「ジェイド、誘いは嬉しいが俺じゃ役不足だよ。お前の仲間にも迷惑をかけるだろうしさ。そもそも、俺の加入を勝手に決めたらまずいんじゃないか」
ケガで安静にしている間に、戦闘出来ない人間を仲間だと連れ帰ってきたら驚くだろうし、大反対される未来しか見えない。俺も気まずすぎるよ。
「いや。二人は俺に反対することはないから問題ない。上手く言えないが……俺達のパーティーに入れるなら、レノしかいないと思っているんだ」
んー。なんか急に脳筋な言い方だな。なぜそんなに俺に固執するんだ。何か事情があるのか?
「あのな、ジェイド。パーティーへの加入は嫌じゃないんだけどさ、なんでそんなに俺に拘るんだ?」
「……レノは、ちゃんと意見を言ってくれたから」
俺が苦笑いしながら尋ねると、ジェイドは俯いてぼそっと理由をこぼした。聞き取ることは出来たけれど、イマイチ意味がわからない。
「意見って、船貸屋を選んだ時のことか?」
「ああ。俺が決めようとしていた店をやめた方が良いと止めて、正しい道を示してくれた時のことだ」
ジェイドは真剣な表情で話しているが、まだよくわからない。なぜそれで俺と組みたいなんて選択肢になるんだろう。
「正しい道を示したって、そんな大層なもんじゃないよ。それに意見を言うぐらい普通だろ?」
「普通じゃないんだ。俺はスキル持ちだから」
「スキルって、特殊能力みたいなあれか?」
俺はあまり見たことがないが、世の中には特殊な能力を持ったスキル持ちが存在する。スキル持ちは高ランクの冒険者や商会の上層部など、所謂成功者に多い。だから高ランクのジェイドがスキル持ちでも、全然不思議ではない。
「俺は、自分に敵意のない相手を従属させられるスキルを持っている。従属といってもひれ伏す程のものではなくて、俺がやることに賛成したり協力したくなったりする程度のものだ」
従属という響きは恐ろしいが、敵意がある相手には効かないし、スキルが効いてもなんとなくジェイドの言うことを聞いてしまう程度らしい。洗脳ではないかもしれないが、使い方によってはとても強いスキルだと思う。
「あ!ってことは、初めて会った時に俺が協力したくなったのも、そのスキルの影響か」
なるほどな。精神的に疲れていたせいだと勘違いしていたが、スキルの影響を受けていたってことか。
「ああ。おそらくスキルの影響だ。俺はその……スキルが有効そうなレノを選んで声をかけたし、了承してくれたことで有効だという確信も得た」
ジェイドは少し申し訳なさそうに、俺を誘った経緯を話してくれた。まあ悪く言えば俺がチョロそうだったってことだろうから、気まずく思うのも仕方がない。
「でも、レノはスキルが効いているはずなのに船貸屋を決める時、俺に意見してくれただろ」
「まあ、そうだな。それって何か変なのか?」
「普通は肯定するだけだ。俺の仲間も多少スキルに耐性はあるが、あの時のレノみたいにしっかりと意見出来たことはない」
俺としてはそこまでしっかり意見したつもりはないが、ジェイドにとっては珍しいことだったらしい。
「それで、俺とパーティーを組みたいと思ったってことか」
確かになんでもかんでも肯定されるというのは、一見良いようで少し怖い。しかもそれがスキルの影響だと分かっていれば、容易に信じきることも出来ないだろう。
「スキルが効くほど友好的かつ、意見も出来る相手に俺は今まで会ったことがなかったし、いないものだと思っていた。だからレノが意見した時、俺はそれがとても嬉しかったんだ」
表情があまり変わらないから気付けなかったけど、あの時喜んでいたのか。あ!それで俺の長い説明も、嫌がらず聞いてくれたのかな。ジェイドにとっては新鮮だったのかもしれないな。
「わかった。ジェイドのスキルは信じるよ。実際今も、協力しようかなーって気になっているし」
「じゃあ……!」
「まあ待て。俺はジェイドと一日過ごしたからさ。少しはどんな人間か分かった気がするし、なんと言うか居心地は悪くなかった。でもジェイドの仲間はわからないだろ。俺や向こうの波長が合わないかもしれない」
正直なところ、よく知らない相手と上手くやれるのか心配だ。俺は簡単に言えば、誰とでも話せるタイプの人見知りなので、普通に付き合う分には問題ないが心を開くまでには時間がかかる方だと思う。
「だからまずは、お試し期間を二回設けるってのはどうだ?」
「お試し?」
「うん。最初はジェイドと俺だけで道中過ごしてみる期間、それからジェイドの仲間に会って皆で過ごしてみる期間の二回だ。寝食を共に過ごせば互いの性格も多少わかるだろ?それで気が合えば、正式にパーティーを組もう」
ジェイドの仲間がどんな人なのか分からないが、これなら仕方なしにでも理解はしてもらえる気がする。
「……わかった。レノがパーティーに残りたくなるよう全力を尽くそう」
「はははっ!そんなことに全力を出さなくていいよ。俺こそ、何か戦い方を身に付けないとな。せめて自分の防御くらいはできるように考えてみるよ」
お試しとはいえ仲間になるのだから、俺も今後の動き方を考えないといけない。まずはチェンジロッドの使い方から研究した方が良いかな?
「それなら明日、モライルの素材で装備を作りに行かないか?治療に必要な分以外にも、今日は沢山素材が手に入ったからレノに使って欲しい」
「え、いいのか?」
「ああ。仲間の装備は出来るだけ万全な方が、俺も戦いに集中できるからな。そうしてもらえると嬉しい」
「助かるよ。ありがとうジェイド」
いきなり世話をかけてしまったなと思ったが、装備がなければ結局ジェイドに負担がかかるので、俺は素直に甘えることにした。早速仲間扱いされて少し胸がこそばゆいけど、これもジェイドのスキルによるものということにしておこう。
「ジェイド、仲間になった記念にもう一度乾杯しよう。お試しだけど」
俺は、年甲斐もなく浮かれているのか上がってしまう口角を堪えることが出来なかった。ちょっと恥ずかしいし、お酒の力で誤魔化すか。
「誘ってくれてありがとう。お試しだけどよろしくな」
「ああ。これからよろしく頼む」
「「乾杯!」」
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