am1:45
かにかま
記憶は薄れて
何時間か経ったあと、急に世界が輝いて見えた。ここは学校の職員室。
「〇〇、ここに何か書いてくれ。」
そう言って担任の山本は1枚の白紙を渡してきた。何かってなんだよ。
「なんでもいいんですか」
「そう、なんでもいい。」
言われるがままにペンを走らせる。何を書くかなど線を書いたら思い浮かぶんじゃないかな。絵じゃなくて字を書けと怒られたら誰かに擦り付けよう。
山本は変な先生だったが普段こういうことはしない。なのにどうして急に、それになぜ俺なのか…。非常に面倒である。
とりあえず頭に浮かんだ海を書いた。
「これは何だ。俺は雨を描けと言っただろう?」
ああ、確かにそう言っていたな。知らぬ記憶。
だが俺は木を描いた。燃えるような、真っ赤な木を描いた。
描き終わって目線を上げたがそこに山本はいなく、俺は公園でサッカーをしていたようで、チームメイトが俺にパスを出す。なぜかその親も混ざってプレーしていた。
「お世話になってます 〇〇です」
「誰だ君は。」
昨日あんたの家に行っただろう。絶対に面識があるはずなのに、名前はともかく俺の顔すら覚えていないのかこの人は。
ボールを前に蹴って走ろうとするが上手く走れない。重力が弱まってゆっくりと足を出していくことしかできなくてもどかしい。
「前に気をつけろよ。」友人が言う。目の前から海が飛び出してきた。波に飲まれそうになり、後退りする。
危なかった。船から子供が俺を見下す目で見ている。子供なんだから可愛らしく手を振っておけばいいんだよ君は。
海の向こうに無数の光が見える。俺の膝から下は海に侵食されていていたがなんとも思わない。だけど何か忘れているような気がした。ちっぽけな頭を回転させ思い出そうとしテ
…
まだこんな時間かよ。
喉が渇いた。
深夜1:45
am1:45 かにかま @iooon
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