第5話 事実と評価の区別

作家は事実と評価を明確に区別できなければならない。

事実。真実の意味で使われることもあるがここではそうではない。


事実とは、万人にとって同じ意味を持つ、主観を入れない表現をいう。


「人が3人いる」 「5時間経過した」「年収500万円」


評価とは、個人の主観を含む、人によって解釈が異なる可能性のある表現をいう。


「人がたくさんいる」「長い時間がたった」「高額の年収」


もちろん絶対的な区別があるわけではない。状況に応じて常識で判断する必要がある。


例えば「空が青い」は事実か評価か。青とはどこからどの範囲をいうのだろうか?

事実で表現するならRGBで表記する必要があるのだろうか。

しかし、単に昼間であることを言いたいのであれば「空が青い」は事実といってもいい。



この区別はなぜ必要か。

まず強く伝えたい描写は事実を書いた方が、良い

「太い腕」よりも「丸太と同じ太さがある腕」の方が臨場感があるだろう。

「評価」を書いてしまうと、読者が自分で「評価」する機会を奪ってしまう。

作者は事実を書き、読者が評価する。これが理想だ。

しかし、すべてがすべて事実を書いていたら読者も疲れてしまう。

メリハリは大事。


また、文章の良し悪しの点でも「評価」を書くときは、それがきちんと伝わるかどうかは検討する必要がある。

「大きな町」と書くとき、その町はどのくらいの規模だろうか?









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