第4話 リアリティだけじゃない。外連味+物語構造論

外連味(ケレンみ) 芝居がかった様子。はったりを利かせたりごまかしたりするようなところ。


物語りを評価するとき、リアルじゃない、リアリティが足りないとはよく言うが、リアリティがあればいいのだろうか?

リアリティについては別に語るとして、ここではリアリティと対になる概念、外連味について話す。


リアリティばかりを追求した作品は、地味になりがちだ。

物語は物語、決して現実ではない。読者もそのことは分かっている。


普通ではあり得ないセリフ。

普通ではあり得ない行動。

そして運命の導き。


そういったもので物語を彩ることも大事だ。

見せ場ではきちんと”魅せる”

読者が求めている展開は何かと考える。

リアリティがロジックなら、外連味はパッションだ。

「こうである」ではなく「こうであってほしい」だ。


物語は、リアリティだけでは生まれない。



構造の中の外連味


物語では、物語構造というものが大事になる。

ストーリーに構造がある、これ自体がリアルではないかもしれない。

しかし、物語構造は読者を心地よくするものだ

代表的な物語構造を3つ


1 対比構造

  王子と乞食。刑事と犯罪者。相反する立場にある二人の登場人物を描く。

  二人の歩む道は正反対のママかもしれないし、同じゴールに辿りつくかもしれない。


2 逆転構造

   例えば、復讐者が復讐の対象になる。

   勇者として送り出されたものが、誰かを送り出す立場になる。

   主人公が置かれた立場が後半で逆転する構造である。

   ひとつのテーマに対する最初の解答に疑義を投げかけ、もう一つの回答を提示するなど、テーマを深堀する効果がある


3 並立構造

   同じ立場にある二人の登場人物。あるいは友人同士だったり兄弟だったり

  それがあるきっかけで別々の運命をたどる。

   二人の差は些細なもので、どちらもがどちらかでありえた。

   しかし、最後にその立場は大きく違うものになっていた。




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