第11話 世界一可哀想なヒーロー

そして、次の日の放課後の何時もの時間にいつもの碧さんの家に行くと


「ルーシ!だぁーい好き!」


と抱き着く碧さんに対して、


「我の方がルシファーの事をすいておりる!」


と主張するジュエラーのヒヒイロカネ・・・


「・・・・」


そして、それに板挟みになり、メッチャ困っているルシファーさん


とそこに、現れた私・・・


簡単に言うとこの状況その物に私は困っていた。


「どうしたんですか?

この状況・・・」


と言うと、天巌くんが現れて


「あぁ〜!藍!

俺じゃ無理だ!

藍、堕天さんを助けてやってくれ!」


と言ってきたので、私はちょっと試しに


「余り束縛し過ぎると、ルシファーさん困って嫌いになりませんか?」


と言うと、2人はすぐにバッ!と離れ


「「あっ!ごめんなさい!」」


と言った。

そして、ルシファーさんはそれに合わせて、こんなことを言った。


「いや、好かれているのは嬉しいけど、トイレやお風呂まで来れれると困るから、ごめんだけど、そこまで来ないでね!

2人とも!」


と言って、2人の頭を撫でて、私に向かって、口パクで


『ありがとう!助かった!』


と言ってきたので、私も口パクで


『どういたしまして』


と言って、この場は丸く収まったのだが・・・

そこにある意味地雷の女の子が現れた。


「ん?貴方は誰ですか?

と言うか、昨日来なかっただけで、この状況どうなってるんですか?」


そう、ジュエラーエメラルドの契約者にして、ティアエメラルドの戸塚結衣ちゃんだった。


「と言うか・・・

あっ!この前私を助けてくれた人!」


と言って、ルシファーさんを指差して、そう言っていた。


それにルシファーさんが


「あっ!あの時のヒヒイロカネに襲われていた女の子!」


と言い、ある意味いい雰囲気になってしまっていた。

それを見た、碧さんとヒヒイロカネは


「オイ、ルシファー君!浮気かな?」

「主様・・・沢山のおなごに好かれるのはいいが、このおなごは・・・」


と片方は嫉妬で、片方は残念な目をしていた。

それにルシファーは


「いや、彼女はヒヒイロカネなら知ってるでしょ!

あの時、たまたま居た女の子だよ!」


と言うが、ヒヒイロカネは


「その時、シャドーとやらになってて覚えてないのう!ヒューーーヒューー」


と言って、流していた。

しかし、結衣ちゃんは


「あの時は、助けてくれた事は嬉しかったですが、あの戦い方はどうなんですか?

あれじゃあ、ヒーロー失格ですよ!」


と言って、こっちはこっちである意味絶対にヒヒイロカネにも負けない残念ぷりを披露する事になった。


「ヒーローなら、あの状況なら

『俺にはまだ、力が無いがどうにかこの状況を打開する物なら持っている!』

とか言って、颯爽とあの光の剣を抜いて下さいよ!」


とか言っていたが、私達は知らないし、ルシファーさんがそんな事を言う厨二病では無いのは知ってるので


「いや、結衣ちゃん何を言って・・・」


と私が言うと


「いや、これは言わせてもらいます!

あの私を助ける時にかけた

『あっ!切るから大丈夫』

とか言うなんかマヌケそうなセリフは何ですか!

それでも、ヒーローですか!

ヒーローなら、ヒーローらしく

カッコよく!正義感強く!

バシッと!決めてくださいよ!

それが出来ないなら、やらなくて良かったですよ!


私も実はあの時、変身パクトを貰ったばかりだったので、試してみたかったから名乗りの練習していたのに!

なぜ、邪魔するんですか!

もっと、カッコよく決めてから戦いたかったのに!


・・・・・・・・・(あと2時間話が続く為割愛)」


そして、ヒヒイロカネがある意味怖い事を言い始めた。


「ほら、こんおなごは、変身のポーズやらセリフやらを堕天が来る3時間前からやっておって、私自身が呆れて汚染が強くなっておって、浄化されかけてる時にあの光で浄化されたから、その時の記憶がほとんどないんじゃ!


さらに、こやつはあの後もあの場所で変身やらなんやらをずっと話しておって、怖くて、堕天のところに行ったんじゃ!」


とヒヒイロカネに言われて、私いや、私達は


『結衣ちゃんなら有り得そう』


と思ってしまった。


その後も、ヒヒイロカネは無理矢理、堕天について行き、堕天の家族と会い、堕天の家族も結衣と同じくらいヤバくて堕天に変身を強要して、ジュエルワールドに逃げ込んで、過ごしたらしい。


まあ、その結果


「我と堕天(ルシファー)は、永遠に一緒じゃ!」


という感じの依存が発生したということだった。


その結果、彼女である、碧にまで嫉妬られ、困っていると言う形の堕天に同情しかなかった。


「まあ、最初に結衣ちゃんに会わなければまだマシな状態だったろうに・・・」


と私はヒヒイロカネと堕天にガンバレ!

と思った。

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