ゴールデンウィークの俺(最終日)
ゴールデンウィーク最終日。
今日は朝からバイトですこし体がだるいような気がする。
「おーい、ここ補充しといてくれー。」
「うーす。」
脚立を準備しながらゲームのことを考えていた。
次は明莉となんのゲームしようかな。
2人でするなら協力系のゲームとかもいいかも。
明日から学校が始まるから明莉の来る頻度も減るだろう。
それまでに1人でやるゲームを進めておこう。
明莉がいると俺のゲームの時間ないし。
「あの、すみません。」
突如声をかけられた。
お客さんが声をかけてきたのだろう。
そう思って振り向くとそこには見たことあるような顔の男の子が。
思い出した!ラーメン屋で目が合ったあの子だ。
明莉のファンだと思う子だ。
「どうされましたか?」
「あ、あの、あか、あか…」
…あか?
それから2秒ほどたってから。
「…赤色の靴でおすすめとかありませんか?」
「…あ!はい、赤色の靴でございますね。でしたらNOIKIの靴はどうでしょう?」
「あ、じゃあ、それちょっと見せてください。」
「かしこまりました!出してきますので少々お待ちください。」
なんだ、普通にお客さんか。
てっきり明莉のことで問い詰められるのかと思っていただどうやら考えすぎかな。
それに目が合っただけで俺がここでバイトしてることなんて知らないだろうし、覚えてないだろう。
「お待たせいたしました。って、あれ?」
さっきの場所へ戻ったが彼の姿はなかった。
用事でもできたのだろうか?
まぁ、このバイトしてたらよくあることだ。
***
午後3時過ぎ。
バイトが終わり家に帰ってきた。
鍵が開いている。
ということは…
「…ただいま。やっぱり来てたんだ。」
「おかー。やっぱりってなんや!まるでうちがここにずっとおるみたいに言うやんか!」
明莉さん、実際にあなたここにずっといるんですよ。
ゲームするときはご飯食べるのもここだし。
なんならゴールデンウィークの半分はここにいませんでしたか?
と言ったところでめんどくさくなりそうだから言わないけど。
「とりあえずお菓子でも食べようかな。ちょっと腹すいた。」
「それやったらこれ食べや。うちが実家からパクってきたお好み焼き味のポテイトンチップスを。うんまい棒のタコ焼き味好きやしこれもいけるんちゃう?」
と明莉が差し出してきたそれはすごく美味しそうだった。
「いただこう。」
袋を開けとりあえず一口。
むしゃむしゃ…
…うまい!これはうまい!
「どう?おいしい?」
「これは美味なり。我、好物確定。」
そして再びゲームに集中しだした明莉。
それを後ろから見ていた。
うーん、黙ってればかわいいのにな。
「今日さ、少し変わったお客さんが来たよ。」
「へー、どんな?」
「ゴールデンウィーク初日に明莉と行ったラーメン屋で目が合った人でさ、赤色の靴でおすすめ聞かれたから出してきたのにいなくなってるお客さん。」
「ふーん。」
どうやら興味無さそう。
まぁ、そんなもんよね。
俺も気にしすぎかな。
「俺も一緒にやりたーい。」
「しゃーないなぁ、はよ座り。」
俺は明莉の隣に座ってコントローラーを手に取る。
最近では当たり前になったこの感じ。
ゴールデンウィークも今日で終わり。
明日からまた学校だ。
今年のゴールデンウィークを俺は忘れないだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます