ゴールデンウィークの俺(6日目)
ゴールデンウィーク6日目、現在時刻午前11時30分。
ゴールデンウィークも終わりが近づいてきて今日を含め残すところあと
3日となった。
3日目に明莉に鍵を渡したがあの日以降明莉は来てない。
ゴールデンウィークだしきっと実家に帰ったり、友達と遊んでるのだろう。
こうして一人の時間を過ごすのも久々のような気がする。
今日はバイトもなく一日ゆっくりしよう。
といってもここ二日くらい明莉が来てないため昼まで寝たり、ちょっと夜更かししてバイクで走りに行ったり、ゲームしてたので十分ゆっくりできた。
「暇やなぁ、明莉来んかなぁ。」
なんて自然に明莉のことを考えていた。
思えば最近ずっと明莉といる。
休みの日も大学の日も明莉の友達と明莉の講義が合わないときは俺のとこ来るし。
ゴールデンウィークの初日も一緒にいたし。
明莉に連絡してみようかな。
ガチャ
…ガチャ?
「ふー、疲れたぁ。実家しんどいわ。」
と明莉が帰ってきた。
というか俺の家なのに帰ってきたっておかしいな。
やってきただな、うん。
「やぁ、実家に帰ってたんや。一言言ってくれてもよかったのに。」
「ん?どしたん?うちがおらな寂しかった?うちのこと考えてたん?」
とニヤニヤしながら明莉は近づいてきた。
なんか腹立つ顔だな。
軽く頬をつねってやろうか。
「別になんとも思ってなかったよ。強いて言うならゲーム一緒にする人がいないのは少しつまらないと思ってたとこだよ。」
「なんや、やっぱ寂しかったんやぁ。はい、これお土産。」
明莉はたこ焼きを渡してきた。
「大阪出るから連れてきたで、音楽流れてきそうやわぁ。」
「あぁ、これね。CM聞いたことはあるけどもらったのは初めてやわ。」
関西方面に住んでる人なら聞いたことあるかな?
俺は四国に住んでるのに結構聞いたことあるような気がする。
「妹とお土産選んでたねんけどやっぱこれやろってなったんよ。」
「へぇ、妹居るんだ。初耳。」
「そーよー、高校3年の可愛い妹がおるんよ!」
高校3年ということは俺たちの二個下か。
受験生、がんばれ、がんばれ。
あの時にはもう戻りたくないでござんす。
「写真あんで!これこれ!」
そう言って明莉はスマホをこちらに向けてきた。
たしかに可愛い。
モデルみたいだ。
でも個人的には明莉の方が好きだ。
「かわいいな。学校内でもモテモテやろ。」
明莉と一緒で。
「めっちゃモテモテらしいで。SNSでもフォロワーめっちゃおるし。」
「それはそれは、姉妹ってすごいこった。」
「なにがよ?うちはそんなよ?」
無自覚か…
「はいはい、それはさておきこのたこ焼き食べよう。腹が減ってきた。」
「あ、うちがチンしてくるわ。片付けして机拭いといてや。」
「うーい。」
***
「それで実家はどうだったの?」
「実家なぁ、妹は最高にかわいいんやけどオトンがなぁ。」
「あまり仲良くない感じ?」
「私たち姉妹の事を溺愛しすぎてて疲れるんよね。」
なるほど、かわいい娘たちが大好きなんだ。
よかった、不仲なのかと思ったがそうではないようだ。
「最近うちがゲームにはまってることにはびっくりしてた。」
「あぁ、家にゲーム機なかったんだっけ?」
「そうそう、ゲームしたこともあんまなかったんよ。ってゲームの話してたらやりたなってきたわ!一緒にやろ!」
「じゃあ、今日はこれだ。」
「これ知ってる!ゲーセンで見た!」
俺が取り出したのはリズムに合わせて太鼓をたたくゲーム、太鼓の極み。
ゲームセンターとかでもあって俺が小さいころからある人気ゲームだ。
「やる人のレベルによってちゃんと難易度があるのはすごくありがたいよな。」
「うち、一番簡単なレベルから挑戦していく!」
***
そして俺たちはその後一日中ゲームをした。
そう、一日中。
気づけば日が昇り始めていた。
二人でゲームして夜を明かすのなんて初めてだったがとても楽しかった。
明日、いや今日はどんな一日になるか楽しみだ。
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