ゴールデンウィークの僕(3日目)

ゴールデンウィーク三日目、現在時刻午前11時。

初日は地元の友達に振り回され、その流れで昨日までずっと一緒に遊んでいた。

だからこそ、今日はバイトの時間までゴロゴロするって決めたもん!

だって今も布団の中だもん!


バイトは15時から20時まで。

とりあえず今から30分くらいは布団の中でスマホ触って、そのあとは洗濯ものしてバイトの準備をして…


zzz…


「っは!?寝てた!?今何時!?」

僕は急いでスマホの時間を確認した。

表示された時間は14時。


「やばい、やばい、ちょっと急がないと遅刻しちゃう!」


僕は少し急いでバイトの準備をして出発した。


***

なんとかいつも通りの15分前に着くことができた。


「ふぅ、危なかった。遅刻するところだった。」

「君が遅刻しかけるなんて珍しいじゃないか。」


そう言って声をかけてきたのはちょうど休憩に入っていた同じ大学に通う同級生。

眼鏡をかけていていかにも優等生といったタイプだ。

僕の明莉さん情報はほとんどこの子から聞いて知ることが多い。


「ちょっと二度寝しちゃってさ、危なかったよ。」

「ふふ、君が慌てる姿はいつ見てもおもしろいね。慌てる姿で思い出したが野田明莉さんに彼氏がいるかもしれないという噂は知っているかい?」

「え!?」

「ここ最近野田さんが男の人と多くいるところが目撃されている。」

「お兄さんや弟とかではなく?」

「僕の情報では兄弟はいないはずだよ。野田さんの友達からはそう聞いた。」


じゃあ、僕が見た先日のあれは…

ってかこの子ほんと情報屋みたいだな。

まぁ、僕はそのおかげで明莉さんのこと知れてるけど。


「彼氏って確定ではないんだね。」

「あぁ、野田さんを狙ってる人は多いからね。彼氏ができたならすぐみんな絶望に落ちるだろうね。」

「やっぱり多いんだね。何人くらいいるか知ってる?」

「知っている限りでは9人はいるね。その中の3人は野田さんのバイト先へ凄く通ってるとか…」


あのラーメン屋さんも儲かってるなぁ、大学内以外でも明莉さんのこと好きな人がもしかするといるかもしれない…

でも急ぎは禁物だよね、まずは自分をしっかり磨かないと。


「ふふ、君は本当にまっすぐで名前の通りだね。見ていて応援したくなるよ。」

「え、だからいつも僕に情報を教えてくれてるとか?」

「いや、そういうわけではないさ、僕はみんなが幸せになってほしいだけだよ。」

「へぇ、優しいんやね。」

「優しくなんてないさ、幸せにはなってほしいけど付き合えるのは1人だけなんだよ。それ以外の人は悲しみに明け暮れるかもしれない。」


話をしているとすごく大人の意見というか、実際この子はすごく大人びている。

きっといろんな経験をしてきたんだろうな。


「やっぱり君は優しいよ。いつもありがとね。じゃ、そろそろ僕は出るよ。」

「ふん、まぁ、いつでも情報は伝えるよ。君の頑張りは嫌いじゃないからね。」


***


時間は過ぎ気づけば7時半過ぎ。

店の入り口付近の服をたたみ直しているとどこかで見たことあるような顔が…


「んー…関係か…」


思い出した!明莉さんとラーメン屋でいた男の人だ。

何か考え事をしているようでぶつぶつ言いながら歩いていた。

どういう関係か聞きたかったがバイト中だし聞きに行けない…


でもどんな関係でも僕が明莉さんを好きなのは変わらない。

僕だって明莉さんが好きなんだ。

いつか、そんな日のために今日も明日も頑張っていこう。



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