ゴールデンウィークの僕(初日)

ゴールデンウィーク初日、9連休もあるので徹夜でゲームをしていた。

人気キャラクターを操作し戦うアクションゲーム、人気キャラクター大乱闘略してニン乱闘を!


「うおぉ!ぶっとべー!」


小学生の様な言葉を使いゲームをしていると小学生に戻った気持ちになるよね!

もう一度こどもにもどってみたーいー♪

と気づくと午前9時になっていた。


「ん-!徹夜でゲームだなんて大きくならないとできないよね!」


こういう時だけ成長してよかったと思う。

ついさっきまで子どもに戻りたいなんて言っておきながら。

そう人は欲まみれなのである!

と深夜テンションに入った僕をだれも止めることはできない。


「さてと再戦しようっと。」


といった瞬間に電話が鳴った。


「だれだー?ゴールデンウィーク初日に友達の少ない僕に電話をかけてくる奴は?」


とスマホの画面に表示されていた名前は小さいころからの幼馴染だった。


「もしもし、久しぶりやね。急にどうしたん?」

「おーす!元気か?ゴールデンウィークが始まったけん、今日駅前まで遊びに来とんよ!昼に飯でもどう?」

「ほんと君は急やね。まぁ、今日は何の予定もないし大丈夫よ。」

「じゃあ、決定な!おすすめの店とかあるか?」

「駅前のラーメン屋がおすすめよ。そこにしようや。」

「OK!あの人気店な!12時に現地で!」


明莉さんがバイトしているラーメン屋へ今日も行こう。

明莉さん今日バイト入ってるといいな。


「さてと、とりあえず部屋の片づけでもするかな。」


***


12時ちょうどに僕は待ち合わせのラーメン屋についた。

明莉さんいないかなぁ

なんて少し店をのぞいてみたがいる気配はなかった。

すると後ろから声をかけられた。


「おーす、久々じゃんか。ってあれ?なんか雰囲気変わったか?」

「久しぶり、そう?」

「なんか身だしなみとかちょっと色気づいてるぞ、この野郎!背筋も伸びてるし、なんか名前に似合うようになってきたな!」


たしかに明莉さんに助けてもらったあの時から少しずつ変わろうと努力はしている。

こうして言葉で言ってくれるとすごくうれしい。


「まぁ、まぁ、その話はあとでね。とりあえず混む前にお店に入ろう。」


とドアを開けすぐに二人組の男女が目に入った。

そして僕は一瞬頭が真っ白になる。

見間違えるはずがない、そこには明莉さんが同い年位の男の子と一緒に座って話をしていた。

すると男の人が振り向き目が合ってしまう。

僕はすぐに顔をそらし空いてる席に向かった。


「徳島ラーメンを二つお願いします。」


店員さんに注文を伝えてすぐに


「なぁ、どした?具合でも悪いのか?顔色悪いぞ?」

「あぁ、うん、ちょっとね。まぁ、さっきの話の事でもあるんだけど…」

「お、おう」

「好きな人が出来たんだ。でもその好きな人がすぐそこの席で同い年位の男の子と座ってて…」


そして二人で明莉さんたちのほうを覗き見る。


「なるほどな、でも彼氏かどうかまだわからないだろ?もしかしたら年の近い兄貴とか弟ってこともあるから大丈夫だよ!」


たしかにそうだ。大学で明莉さんに彼氏ができたとか噂はまだない。

明莉さんを狙ってるという人は多いと聞くし、彼氏が出来たらすぐに情報が飛び交うだろう。


「そ、そうだよね!」

「あぁ!いい感じになってきてるんだ!頑張っていこうぜ!

「徳島ラーメンお待たせいたしました!」


とラーメンがやってきたようだ。


「「いただきます!」」


幼馴染と同時にラーメンをすすりだした。

これこれ、やっぱ徳島ラーメンはこの味だよね!


僕のゴールデンウィーク初日は徹夜でゲームして明莉さんのバイト先へ友達と行って、少しへこんで…

でも諦めないぞ!


少しずつでいいこれからも変わっていこう。

明莉さんに振りむいてもらうために。

ゴールデンウィークは始まったばかり、明日が楽しみだ。

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