新年度の僕
4月、大学2年生になったが別にいつもと変わらない日々。
強いていうならバイトを始めたことくらいだろうか。
それも彼女の影響かもしれない。
「いらっしゃいませー!」
同じ大学に通っている野田明莉さん。
彼女は明るく笑顔が素敵な子だ。
***
大学内で気分が悪くなりベンチに座り込んでいた僕にやさしく声をかけてくれ水をくれた。
あの時から僕は彼女に好意を寄せている。
しかし、恥ずかしくて話しかけることもできずそれきりだ。
名前は彼女が助けてくれて去っていくときに友達との会話が聞こえてきた。
『明莉ってさほんと優しいし名前の通り明るいよね!』
『そう?別にそんなことないよー。』
『しかも野田さん頭いいから完璧女子って感じがします!』
のだ あかり、確かに明るくて優しい彼女にはぴったりな名前だった。
***
そして今、僕は彼女がバイトしているラーメン屋に来ていた。
彼女がこのラーメン屋の裏から入っていくとこを見かけ、もしかしたらと思い店に入った。
するとやはり接客として働いていた。
今日こそは声をかける!
そして友達からはじめるんだ!
「ご注文はおきまりでしょうか?」
向こうからいきなり来たので僕はびっくりしてしまう。
その勢いで
「ひゃい!と、徳島ラーメン!」
「かしこまりました。ラーメン一丁!」
彼女は去って行ってしまった。
僕はラーメンを食べ帰る頃に声をかけようと考えたが客がドンドン入ってきて店は忙しくなってきた。
また声をかけることができなかった。
「はぁ、またか。どうして僕は緊張して声をかけれなくなるんやろ。」
最近は某ショッピングモールの中にある服屋さんでバイトを始めてみた。
お客さん相手には何ともなく話せれるのだがどうも彼女に声をかけようとするとしり込みしてしまう。
「はぁ、バイト行こ。」
落ち込んでても仕方ない。
彼女と出会って変わろうと思ったんだ。
今までは家に帰ってパソコンとスマホを触ってご飯食べて寝ていたような毎日だった。
でもバイトに行くために原付にも乗り出した。
ちょっとずつ。
ちょっとずつでいいから変わっていこう。
そんなこんなで僕の新年度は新しい風、いや優しい女の子と出会ったことで日常が少しずつ変わり始めた。
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