新年度の俺
4月、大学2年生になったが別にいつもと変わらない日々。
強いていうならバイトを始めたことくらいだろうか。
それも彼女の影響かもしれない。
「うぉぉ!曲がれぇ!」
そう言って隣でレーシングゲームをしながら叫んでるのは同じ大学に通う同い年の女の子。
「1人でよーそこまで盛り上がれるなぁ。」
「だってゲームとか今までしたことなかったんだもーん。」
彼女は野田
名前は体を表すとはまさにこのことだろうか。
「ねぇねぇ、一緒にやろうよぉ」
「俺は今からバイトですぅ、帰ってきて明莉がいたらやるよ。」
「何時までー?」
「18時。」
「おぅけー、待っててやるぜこのやろー。」
「じゃ、行ってくる。」
俺と明莉は付き合っているわけではない。
大学で講義が同じで一回たまたま隣に座っただけ。
でもその一回が始まりだった。
『ねね、ペンと消しゴム貸してよ!文房具忘れてきちゃってさ!貸してくれたら後でうんまい棒を買ってあげよう。』
『うんまい棒、タコ焼き味3本で貸そう。』
これが俺たちの最初の会話だった。
その後スーパーでうんまい棒全種類を10本ずつ買ってもらった。
まさかそのまま俺のアパートまでついてくるとは…
で、そのときはじめてゲームをした明莉は熱中し頻繫に俺の借りてるアパートに乱入してくるようになった。
明莉は関西の方出身らしくよくしゃべりよくボケる。
それに突っ込まないと怒られる。
俺は生まれも育ちもここ徳島だから明莉はちょっと変わってるなと思う時がある。
あと明莉は文句が多い。
ゲームをするため俺の家に来てるのに
『ねぇ、どうして冷蔵庫にポン酢が無いわけ?私がサラダ食べられないじゃん!』
…いや、知らんがな。
俺はサラダにはゴマダレとスダチをかけると決まっている。
何故俺は怒られる。
まぁ、そのあと一緒にスーパーへポン酢を買いに行くと上機嫌になってサラダを食べて再びゲームをやり始めたので落ち着いが。
といった感じで最近は明莉に振り回されるようになってきた。
でも一年のときは誰もいないアパートで一人ゲームしてスマホ触ってバイク乗って実家へ帰るくらいの繰り替えしだったから今は充実してるように感じる。
バイトもしてなかったので明莉に
『自分で稼いでこいやぁ!私でもバイトしてるんやから!』
と言われ某ショッピングモールの靴屋さんでバイトを始めた。
そんなこんなで俺の新年度は新しい風、いや暴風のような女の子と出会ったことで日常が少しずつ変わり始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます