第4話 安田記念 2024
少しだけ、例え話をさせてくれ。
もし、ダービーで全財産の複勝を賭けなきゃいけないとしたら牝馬で二番人気のレガレイラに。穴馬予想激推しのダノンデサイルに。
はたして、──突っ込めるだろうか?
きっとジャスティンミラノの複勝を選択するだろう。──安心安全の「複」向きなら一択だった。
いや、そもそもそんなメンタルで馬券を買っていないんですけど……。
そう、それが大事。
今日、当てたい。当てなきゃ困る。
絶対に当てたい。
知らずのうちに全財産を複勝に賭けなきゃいけないようなメンタルで馬券を買っていないだろうか?
「先輩〜〜、また戸崎、頭固定の三連単でやられましたよ〜〜。ダノンデサイルもシンエンペラーも押さえてたのにぃーー!」
いつものように後輩がやってきた。
俺、言うたよな?
ジャスティンミラノの「複」だって──。
日本ダービーの本質は、ジャスティンミラノの「複」以外は何がきてもおかしくない。
馬券を購入するなら、
馬連でジャスティンミラノから何か。
ジャスティンミラノ軸の三連複。
私の予想で、馬券は的中している。
だが、私は馬券購入を見送った。
この一番人気怪しい。
この穴馬買いたい。
儲けるためには、それが大事だ。
ダノンデサイルを本命にした人は、そもそも全財産を複勝に賭けなきゃいけないメンタルで馬券を購入していない。──安田記念はそんなレースだ。
「先輩、安田記念の軸馬見つからないっす」
後輩よ。その通りだ!
どの馬も可能性は見い出せる。
逆を言えばどの馬にも不安要素あり。
つまり、単穴のレースだ。
しかし、混戦でどこから入ってもあまり儲からない。軸馬を決めずBOX買いで高めを祈るレース質。
俺は馬券を見送る。
「えー、なんすか? G1なのに馬券買わないんですか?」
後輩よ! G1ばかりが競馬じゃないぜ!
せっかくなんで、今日俺が狙っているレースを一つ教えてやる。
京都5R 二歳新馬戦。
このレースは調教の良い3と12が人気を吸う。
ところがよ、3は4月生まれ。12は3月生まれ。
6月から始まった新馬戦序盤の狙い方は1月、2月生まれの早生まれ馬を狙え! 馬の成長の二ヶ月を甘くみるな。小学生と中学生くらいの差がある。
嘘だと思うなら土曜日の新馬戦の結果見てみな!
狙いは4.9.10だ!
単勝で10倍はつくぜ!
4.9.10と3.12を絡めて買いな!
「えーー! 新馬戦とか買えないっすよ!」
……だよな。
G1があるのに勝負レースが新馬戦って……。
低設定の人気台。
高設定の不人気台。
やっぱり人気台を打ちたいよな……。
気持ちは分かるぜ。
でもよ。博打うちは楽しみより、金なのさ。
穴馬先輩の競馬予想 @pink18
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。穴馬先輩の競馬予想 の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます