Stage.2 ゲーム制作と深まる関係
Voice.9 私ももっと頑張らないと
陽キャアイドルの幼なじみがライバルに会った件について
――休みが明けた月曜日。
高校の部活の仮入部期間が終わり、オレ達1年生はそれぞれ本入部届を出して、本格的に部活に入ることになった。
オレは美術部、篠原は演劇部、メガネはパソコン部、文豪は文芸部とゲーム制作部を兼部する。
音海は学校が終わった後に習い事で歌の個人レッスンを受けているため、ゲーム制作部だけに入ると言っていた。
そして、昼休み前の3、4時間目。
オレ達は自分のクラスの1年1組と1年2組で合同体育の授業を受けていた。
種目はバレーボールだ。
明石がジャンプをして、アタックを打つ。
速度が速すぎて、思わず2組の相手チームの男子達はボールをよけてしまう。
ボールは相手のコートに入り、大きな音が体育館に響いた。
審判をしている体育の先生が笛を鳴らす。
「1組のAチームの勝ち!」
「やったー!」
Bチームのオレ達は、歓声をあげた。
試合が終わって得意げな顔をしている明石に、篠原が言った。
「真昼すごい! ボール速すぎて見えなかったよ」
「そりゃ小学生からクラブ入ってて中高バレーボール部だからね。私が打ったスパイクは絶対取れないよ」
「私は運動神経悪いからうらやましい」
木暮が言う。
すると、向こうからボールが転がってきた。
「ごめん。そのボール拾ってくれる?」
高いけれど落ち着いた声で、2組の女子が言う。
篠原がボールを拾って、女子に渡した。
「はい」
「ありがとう」
2組のその女子は、やけにみんなに注目されている。
メガネが言った。
「あの子綺麗だよなー。美人でずっと眺めていたくなるタイプ」
文豪がうなずく。
「そうそう。そこに居るだけで輝いてるって感じ」
たしかに、2人の言っていることはわかる。
でも、どこか浮世離れしている気がした。
――放課後。
美術部に本入部届を出しに美術室に向かう。
そして、美術室のドアを開けた。
「……え?」
オレは思わず目をみはる。
そこには、木暮が入部届を持って立っていた。
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