人間の条件
裸の少女が蝶々を追いかけ、野原を駆け回っている。
しかしいつまでも蝶々を捕まえることができないので、少女はその場に立ち止まって
森の中へ消えていく蝶々を眺めていた。
蝶々を見送ると、少女はその場に座り込んだ。
しばらくて、オオカミたちが山の方から降りてくるのが見えた。
少女は駆け出して、その方へ向かった。
オオカミたちも少女へと駆け寄り、尻尾を振った。
少女はオオカミたちの頭を撫でた。
すると、一匹の犬が急に吠え始めた。
視線の先に、得体の知れないものを身にまとった大柄な四肢を持った動物が居た。
その動物は息を荒くしながら、少女に近づいてきた。
オオカミたちはいっせいに吠え、威嚇するが、少女はその場に立ち止まったまま、
その動物を見て指を口にくわえた。
やがて動物は少女の頬を、指で撫でると、少女を押し倒した。
オオカミたちはさらに威嚇するが、動物はびくともしない。
やがて別の大きな動物もやってきて、オオカミたちは捉えられてしまった。
動物は少女を押し倒すと、少女の体を触り始めた。
少女はくすぐったいのか、ケラケラと笑っている。
その様子を見た動物は、それ以上触るのを辞めて、少女を解放した。
動物は冷静な目で少女を見つめ、山の方へ向かっていった。
少女は、呆然とその動物を見つめていた。
数か月後、オオカミたちが山の方から帰ってきた。
少女は蝶々を追いかけていた。
オオカミたちは、少女へと一目散に向かっていった。
ある老婆が、森の中でうずくまっている女性を見つけた。
女性は傷だらけで、布を身にまとっていた。
老婆は、おまえはだれなんだと問うた。
女性は、人間だと答えた。
『人間の条件』
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