第41話 セルバンテスの言葉


 生命のあるかぎり、希望はあるものだ。


    ―――セルバンテス (スペインの作家)




『ドン・キホーテ』の作者、ミゲル・デ・サーベドラ・セルバンテス。


「ドン・キホーテ」というと、深夜も営業している、ペンギンのマスコットの激安店を思い浮かべる人も多いかもしれませんが……。


 あの店名の由来も、『ドン・キホーテ』の主人公であるドン・キホーテが、理想主義者で、常識や権威に屈しない者として描かれていることから、「新しい流通産業を創造したい」という願いを込めて命名されたらしいですよ。

(ちなみにアルファベットだと、スペルは「Don Quijote」となります。「キホーテ」って読めないなあ……)


 さて、セルバンテスの話。


 幼い頃から読書好きな文学少年だったセルバンテスは、父の仕事の関係で引っ越しばかり、ロクに学校に通えず、独学で勉強をしたそうです。


 22歳の時にスペイン海軍に入隊したセルバンテスは、海賊に襲われて捕虜となり、5年間もの虜囚生活を強いられました。


 一躍有名となった『ドン・キホーテ』を発表したのは、58歳の時です。

 それまで、売れない詩人として頑張ってきたセルバンテスが、文芸界の世界的なヒット作を生み出したのでした。


『ドン・キホーテ』の中で、独特のユーモア溢れる言葉を多く残しています。


「空腹は世界中で最上の調味料だ」


「喜劇で一番難しい役は愚か者の役であり、それを演ずる役者は愚か者ではない」


「安眠は心労の最大の療法である」


「自分のポケットの中の小銭は他人のポケットの中の大金に勝る」


「人生は一枚の銀貨のようなものだ。それをどう使おうと勝手だが、使えるのはたった一度きりである」


「時はあらゆるものを熟成させる。生まれながらの賢人もいないのだ」


「ひとつのドアが閉まったときには、また別のドアが開く」


「真の勇気というものは、臆病と無鉄砲との中間にある」


 ついつい、やらねばならない事を先延ばしにしてしまう、ぐーたらな性格の私にとって、非常に耳の痛い箴言が、次の言葉。


「「そのうちやる」という名の通りを歩いて行き、行き着くところは「なにもしない」という名札のかかった家である」

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