第35話 ゲーテの言葉


 人間のあやまちこそ、人間をほんとうに愛すべきものにする。


   ―――ゲーテ (ドイツの作家・詩人)



『ファウスト』や『若きウェルテルの悩み』などで知られる、哲学者にして作家、詩人のヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ。


 完璧すぎて挫折を知らないエリートは、フィクションの中でもイヤなヤツに描かれがちですが、どこか一点、「あーわかる、あるある」と親しみの持てる失敗があると、途端に親近感が湧いてきます。


 恋愛において、「恋」と「愛」の違いとは、「恋」とは相手の良い面に惚れること、「愛」とは相手の悪い面も許せるようになること、と何かで読んだことがあります。


 相手の失敗を許せるかどうか、また、自分の失敗談を笑って話せる相手かどうか、そのあたりの「過ちを許容できる心」というラインは、人間関係を構築するにおいて、一種の分かれ目なのかもしれません。


 また、ゲーテの名言には、こんなのもあります。


「人間は本当に落ちるところまで落ちると、もはや、他人の不幸を喜ぶ以外の楽しみはなくなってしまう」


 他人のミスや不幸を探して、見つけて、笑うようになったら、「自分が落ちるところまで落ちてしまった」合図かもしれません。

 気をつけましょうね。


 晩年には、こんな言葉も残しています。


「私はこう勧めたい。何も無理じいをせぬことだ。何もできない日や時には、後になって楽しめないようなものを作ろうとするより、ぶらぶらして過ごしたり、寝て過ごす方がいい、と」


 あー、個人的にマジで染みるわー。

(何もしたくない時「ゲーテも言ってたし!」って免罪符にしたい)

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