第7話
私は何か見てはならないものを見てしまった気分になる。
それは亜美が河童の着ぐるみを着て男性スタッフに犯されるというもの。
しかし、なぜかドキドキが止まらない。
私自身興奮を掻き立てられたに他ならない。
自然と手が自分の秘部へと伸びた時、私の手が掴まれた。
私の手を掴んだ手には水掻きが付いていた。
「1人で楽しまないで、私と楽しみましょう!」
その声は紛れもなく亜美の声だった。
目の前にも河童、少し離れたところにも男性スタッフの所にも河童。
一体どうなっているのか分からず動揺していると、亜美と思しき河童に口を押さえられた。
突然、目の前が真っ暗になり、私は意識を失った。
気づいて辺りを見渡すと見た事もない場所に私はいた。
高い天井からは光が差し込み。
周りは青と水色の世界。
周りにある石や岩はどれも湿っている。
大きな岩の間を小川が流れていた。
「ようこそ、河童の世界へ」
その声の主は亜美。
亜美は河童の姿で微笑んでいる。
亜美は何も言わずに私の体を指差す。
自分の体を見ると、全身が緑色それはまさに河童の姿だった。
変わり果てた自分の体を、手で触って確かめるもこちらも水掻きの付いた手になっていた。
私は亜美から逃げた、逃げる宛てもないのにとにかく逃げた。
しかし、私の肩が掴まれて揺すられる。
その手を振り解こうとして目が覚めた。
私は移動中のロケバス内で眠っていた。
手を見ても水掻きのついていない普通の手、体も普通で服も着ている。
私を揺り起こしたスタッフが「どうした?悪い夢でも見たのか」と心配そうに声をかけてくれた。
突然、背筋がゾクっとして視線を感じて振り返ると亜美が私を凝視し、ニヤリと笑った。
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