第2話

いよいよ着ぐるみが使用される時が来た。

それは河童伝説が色濃く残る村で、番組レポーターの奈々にドッキリを仕掛けるというもの。


そのドッキリの仕掛人として亜美は、リアルな河童の姿で奈々を驚かせるというものだった。

小柄な亜美の入った河童は妙なリアリティを持たせられそうだと噂されていた。


当日、亜美と私を含む仕掛人スタッフは河童伝説の村に先に入り準備し、後発のドッキリを仕掛けられる側は、奈々だけでなくスタッフ全員にドッキリの事は伏せられてあった。


先に村に到着した私たちは、事前に使用許可の頂いていた小屋で準備を始める。

その小屋は水の澄んだ川が流れるすぐ側にあった。


亜美は早速準備に入る。

まずは特注のゼンタイに着替える。

このゼンタイは競泳用の水着素材を使ったもので作られている。

競泳用の水着素材を使用しているという事もあり、亜美の体は全体的に少し締まって見える。

そして、このゼンタイはウエットスーツ素材の着ぐるみを着易くする配慮からのものだった。


裸になり特注のゼンタイに着替えた亜美の腰から首元まで伸びるファスナーを閉めると、肌の露出の全くないマネキンとなった。

この小屋が寒いせいか、それとも亜美がゼンタイの締め付けに興奮しているのかは定かでないが、小柄ながらも豊満な胸の先には乳首がクッキリと分かるくらい勃起していた。


少し光沢のある黒いマネキンの鼻の辺りが膨張、収縮を繰り返し、苦しそうには見えるが呼吸はできるようだ。

改めて、そんな苦しそうに呼吸する黒いマネキンの背中のファスナーを開けると、女性スタッフは亜美の口にマウスピースを咥えさせた。

そして、すぐにゼンタイの背中のファスナーを閉めると、ファスナーに何か細工をしてすぐに離れた。

競泳用の水着素材を使用ゼンタイには、ちょっとした細工を施している。

それはファスナーを閉めた後、ファスナーが鍵でロックできるというもの。

鍵は先程の女性スタッフが持っている。


突然、口いっぱいに放り込まれたマウスピースを外そうとゼンタイのファスナーを開けようとするが開かない。

亜美本人はファスナーが開かないのはファスナーが咬んでしまったと思い、それ以上ゼンタイを脱ごうとはしなかった。


口いっぱいのマウスピースで、亜美の口の周りは涎で色が変色し始めているが、黒いゼンタイのためあまり目立たなかった。


亜美の仕草は怒っているように見えたが、お得意の言葉による口撃は、マウスピースにより動物のような奇声に変えられていた。

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