第4話

学校にいるのに仮面が外れてしまった

悲しくないのに涙が出る

泣いてしまう

1度でた涙はもう止まらない

まるで小さな子供のように泣いた

それに気づいた先生が私の腕を引っ張る



ダメ、仮面をつけてない時に声をかけないで

そう言いたくても言えない


会いたい…よ、先生

そう心の中でつぶやく

中学の先生に会いたいなって思っていても会えない

もっと、もっと仮面を被らなきゃって廊下を歩きながら思った

少し時間が経って落ち着いた時に先生が隣に座る

「どうしたの?」と


「いや別に、」

そう答えるしかないし逆にもうそう答えられる

だって今は破れた仮面をまたかぶれたから

もう平気だよ

だって私まだ頑張ってないもん

頑張ってない、頑張ってない

そう自分に言い聞かせる

“私は頑張ってない”

そう言い笑う

当たり前のことが出来ないって

でも当たり前って何かわからなくて

だんだんまた自分を追い込む

辛くて苦しくて、少し悲しい

いつもいつも自分を否定する

行けないってわかってても…










「頑張ったね」

その言葉を何故か思い出した

毎回言われたら泣いちゃって

なんで泣くのかって辛くて泣いてるんじゃなくて嬉しくて、幸せで泣いちゃってるの。



私は

中学の時

いじめられていた

からかってるだけかもしれなかった

けどそれはだんだん酷くなって叩かれたりした

車が来てるのに押されて

もうこの世界にはいなかったかもしれない

それは1年生の時から

2年生になってクラスの女子にいじめられた

避けられたり置いてかれたり都合よく扱われたり


だから私は必要とされてない人間って思うようになった


だんだん、本当の自分を失った

辛い気持ちをぐっと抑えて生きた

生きていたくなんてなかったけど

生きた。

笑いたくなかったけど、笑った

辛かったけど辛くないよって言った

大丈夫じゃないけど大丈夫って言った

相手が困ってたから自分のこと後回しにしてその人を助けた

けどそのあとその人に虐められた


どうしたいいんだろうね

「辛かった、」

そう言いまた泣いた












帰りのショートホームルームが終わり帰る時になった

帰るのはいつも1人

楽なのか辛いのか正直よく分からない

でもやっぱり集団でいる人たちを見ると怖いなってビクビクしてる

もし私がそっちの立場だったらどうなってたんだろ


いじられるんじゃなくて人をいじめて、犯罪になることをして、人を馬鹿にして

でも逆にそうしたら仮面なんて被らなくてよかったのかな

そう石を蹴りながら考えた


電車に乗りスマホをいじって1人で考える

んー、、どうしよ

新しい小説の名前を決めているけど何にしよう

「さよなら、世界」

うん。これにしよう。いいよね。うん。


そう自分に言い聞かせてプラス思考にする

こういう時にはプラス思考になるくせに普段の時はマイナス思考なの

なんでなんだろ

自分でもよく分からない

そのまま真っ直ぐ家に帰って妹と遊ぶ

妹と遊んでるときは仮面をかぶらなくて済む

無邪気に笑ってる妹が可愛くて可愛くて仕方がない

こっちまで笑顔になっちゃう

まだ辛いことを知らないんだね。

なーんて思っちゃうけど

辛いが基準じゃない

「辛い思いしないといいね。」

そういい抱きしめる

暖かくて優しい

この温もりがずっとずっと続けばいいのに。

それが幸せなのかな

温もりが消えたら辛くて

温もりがあれば幸せ


そんな世界に生まれた私

仮面1枚で、幸せか辛いか

こんなにも変わっちゃうんだ、


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