第5話

朝起きて顔を洗って朝ごはんを食べて学校に行く

毎日変わらないルーティン

変わって欲しいって思うけど変わって欲しくないと思う

これ以上世界が壊れるか楽しくなるか

どちらか分からないからね。

だから今の世界を生きるの

昨日は仮面を5枚被った

笑えた。

相手に心配かけなかった

それでいいんだよ

それで、それで、、


今日は何枚かな

5枚以上かも

もしかしたら7枚とか?

んー死ってことで4枚???

どうかな。どのくらいかな

そう考えながら学校に向かう

今日は体育がある

バスケでみんなに見られながらやる

それが憂鬱で仕方がない


体育の授業何やってるのか時々分からなくなる

自分がよく分からなくなって感覚がおかしくなる

見られて恥ずかしいと思うと歩き方も変になるし

走り方も、文字を書くのも全部変になる

そうするとまた仮面を被る

自分の心を守るために

これ以上ボロボロにならないために


体育の自由時間女子は固まって話をしている

何の話かは想像つくが、間には入らない

自分も言ってるって思われたくないから

悪口を言われるのが辛いこと、苦しいこと

それは知ってる

泣いちゃうくらい辛くて、我慢できなくていつか爆発しちゃうことも知ってるよ。

だから一歩後ろに下がってそっと話を聞く

想像通りの話だったのでその場から逃げた

聞くだけで辛い

悪口は言ってる時は正直楽しいかもしれない

でもやっぱりいつかは自分に返ってくる

「ほんと可愛くない」

「ブスだよ」

「キモイって」

「しねよ」

そう言われるから、だから私は人の悪口を言うのを辞めた

昔からそこまで言わなかったけどたまに言ってしまってた

今はもう人の悪口を言わない

言う権利さえない

仮面を被ってる時の私は絶対に言わないし外してもそんなに人に興味が無いから言わない

言わないようにしているがあってる気がする。

人間誰かを下に見ないと生きていけない

そんな考えを心の隅に入れて生活する

昼休み私は2人でお弁当を食べた

「もう早く帰りたい」

「わかる」

この話を毎日毎回同じ時間にする

それでもすごい楽しい

5、6時間目もぼーっとしながら聞き

掃除の時間になる

化学室はクラクラするから正直嫌だ

「掃除めんどくさーい」

「それな早く帰りたい」

「だるいよね。」

そんな声なんてしょっちゅう

逆に聞こえない日なんてない


言っても無駄なのにって思うけどそれもまた仮面の中で言う


帰り道一人でとぼとぼ帰るのなんて久しぶりだった

中学の時は幼なじみと、友達と途中まで帰ってた

大爆笑するくらいで

この2人なら仮面をかぶらなくて済んだ

だからか、すごい楽しかった

本当に笑ってた

くだらないことで盛りあがって

早帰りの時は毎回遊びに行った

でも別々になっちゃうと毎日会うことは出来ない

だから我慢してるけどやっぱり会いたい

話したい、語りたい、

あの時に思い出をまた

とか思うけど無理なんだよね。。。

そう寂しくなると先生の言葉を思い出す

去年言ってたこと。

先生みたいな人になりたくて高校頑張ろうって誓った

「先生みたいな人になりたい」

そう言うと

「先生みたいじゃなくて先生より上を目指しな」的なことを言われた気がしなくもなくもない

やっぱり時が経つにつれ忘れちゃう

思い出は1枚1枚分厚くなるけど下の方がだんだん薄くなっていく

重さに耐えきれなくなった過去の思い出は新しい思い出を載せるために無くなる。

でもこの思い出は、楽しい思い出だけじゃない

辛い思いでもある

それでもランダムに忘れるから楽しい思い出だけ忘れて辛い思い出だけ残ってしまうかもしれない

楽しい事を見つけなきゃっていつも思うけど何が楽しくて何が楽しくないんだろ

まだ分からない

「そうだ。今から、中学の時の先生に会いに行こう」

そう言い私は走って中学校に向かった


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