第4話 最期のお別れ
二話の『死神』に繋がる話になる。
二代目の犬が亡くなったあとの出来事だ。
二代目の犬が亡くなる時、ある日突然倒れてしまい、それから二日後には急逝してしまった。
事前に予兆があれば病院に連れて行けたのだが、いつも通り過ごしていたので、気付けずに今も心残りがある。
犬自身も、体調が悪いと思っていたのだろうが、突然の事で自分が死んだと分かっていなかったのではないだろうか。
夜寝ている時、私は大体仰向けで寝る。
その時、少し口が開いていたのだろうか。
フッと冷たい息を口の中に吹きかけられ、驚いて目が覚めた。
でも「霊的なものだったらどうしよう。怖いから目を開けない」と決めて、私は寝たふりをし続けた。
そのあとは特に何もされず、気がついたらまた眠っていた。
同じ事が、数日後にも起こった。
家族は犬が「クーン」と鳴いている声が聞こえたと言ったり、夢かうつつか、ベッドで寝ていると寝室の入り口から金色に光る犬が入ってきたとも言っていた。
私はホラーが好きだし、心霊的な事にも少し興味がある。
心霊芸人の本を買って読んでみた事があるが、動物の霊は人間ほど未練等の感情を持たないので、比較的すぐ成仏するそうだ。
それでも、八年一緒に過ごした飼い主に、何か言いたかったのか、お別れをしていたのか、あの時の事を思うと「大切に思っていたよ」と伝えたくなる。
了
闇話掌編 臣桜 @omisakura1228
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