雪解けのゼルトリンゲン ー 2
ゼルトリンゲンは街と言うには少し大きく、都市と呼ぶには少し足りない……典型的な地方の街という形状を取っている。このレベルの地方だとそもそも街の間の距離が長い為、一つ一つの街や集落の規模が大きくなりやすい。
ゼルトリンゲンもそういう経緯で街と言うには少し大きめの作りをしている。ぐるりと街を囲む城壁は外敵を遮断する為に存在し、大きな門には数名の警備員が立っている。丘の前ですれ違った商人の馬車は見えず、既に街の中に入れたようだ。
少し考えてみれば解る事だが、此方は帝国奥、王国の反対側に位置する街だ。ここから更に北上すると北の果てと山脈が、西へと逸れれば港と北海が存在している。帝国南部の国境線は王国とのにらみ合いが年中発生しているが、此方側は魔獣被害を考慮しなければ外敵が存在しないのだ。
そういう事情故に、街の警備もそこまで重くはない。
逆に言えばここら一帯で何かをしても発見され辛いという意味でもある。エヴァンジェリカがこんな辺境まで連れて来られたのもそういう意味合いが強いのだろう。色々と考察するべき点はあるものの、それらは全て宿を取ってからゆっくりとすべき事だろう。
門が見えてくると僅かに緊張しているのがエヴァンジェリカから感じられた。だからそれを解すように軽く頭を撫でて、大丈夫だと呟く。王女に対してあまりにも無礼な態度を取っているが、そういうのを気にする娘ではない事は知っている。
「カシウスさん……私ももう15なのですから、頭を撫でるのはちょっと」
「年上には、何歳になってでも年下の頭を撫でる権利があるもんさ」
『城に帰ったら近衛にこれチクらない? 一発斬首確定じゃない?』
……国境超えた瞬間ダッシュで逃げようかなぁ。
真剣に今後の事を考えている間に門の前まで到着する。帝国軍の鎧を身に纏い、そして片手には武器を握り門の前に立つ。堂々とした姿は見事に訓練された軍人としての在り方だ。その姿にエヴァンジェリカに怯えの気配が再び沸き立つのを感じられる。
「どうも」
「お、旅人か」
だから先んじて此方から声を発し、注目を取る。レノアの使い魔はぱたぱたと翼を羽ばたかせながらゆっくりとエヴァンジェリカの肩の上に泊まり、余計な事をしないように黙る。その間に片手を上げて守衛に近づく。
「方角的にハルマポートからか?」
守衛の視線が歩いてきた街道の方へと向けられ、それから俺の方へと向く。それに頷きながら答える。
「娘と一緒にな。帝都に向かう予定なんだ」
「へぇ……ってなると皇帝陛下の生誕祭に合わせた感じか。今年は派手にやるそうだからイイねえ……俺も休みが取れたら帝都に向かいたいもんだよ」
守衛が此方を見て、エヴァンジェリカを見る。びくり、と体を震わせたエヴァンジェリカが俺の後ろに隠れようとする。それを守衛の相方がおいおい、と声をかけてくる。
「ネイサン、女の子を怖がらせるなよ。怯えてるぞ」
「してねぇよ! ……ったく、で、お兄さん、身分を証明するもんか旅券持ってる?」
「ほらよ」
懐から一枚のカードを取り出し、それを守衛に渡す。受け取った守衛がそれを確認すると少し驚いたような表情を浮かべ、背筋を伸ばす。それからもう一度カードを良く確認してから此方に丁寧に返してくる。
「おっと、金級冒険者の方でしたか。失礼しました」
「気にするな、若く見えるから良く舐められるしな……お疲れ様」
「其方こそ滞在を是非楽しんで。今のゼルトリンゲンは迎春祭の真っただ中、帝都程じゃないけど楽しめますよ……そこのお嬢さんも楽しんでくれよな」
「……はい」
守衛の言葉にエヴァンジェリカはマントの中で頷くと、素早く歩き出した俺の横についてくる。そのまま守衛に見守られるように門を抜け、活気で満ちたゼルトリンゲンの街に入った。
途端に聞こえてくるのは軽快な音楽と人々の笑い声。色のついた煙が家々の煙突から伸び、カラフルに空を染め上げる。大量の花びらを風に乗せて街中にばら撒き、子供たちが道路を走って遊び回っている。冬を超えた歓びと楽しさを全身で表わすような感情が街中に満ちている。
守衛を無事に乗り切れるかどうかで不安を覚えていたエヴァンジェリカも、街の中に入った瞬間に感じられる熱気に当てられたのか一瞬で陰鬱な気が消し飛んだ。大人しくしていた使い魔も再び飛び上がりながら辺りを見渡す。
『あんまり大きな街じゃないけど楽しそうにはしゃいでるわねえ』
「アストリアでさえ毎年冬になると死人が出るんだ、帝国の冬でどれだけの死人が出るのかは……まあ、語る様なもんでもないな。それだけに春を迎えるって事はダリウス人にとっては大きな事でもある。だからこうやって盛大に祝うって訳だな」
「……」
軽く視線を向けるとそわそわした様子でエヴァンジェリカが辺りを見渡しているのが解る。少しだけ子供らしい反応に零れそうな笑い声を堪え、咳払いで誤魔化す。
「とりあえず宿を取るぞ。今夜寝る場所を用意しておかないとな。ちょっと待ってろ」
「え、あ、はい」
レノアにエヴァンジェリカの護衛を頼み、その間に軽くゼルトリンゲンの住人達を巡って聞き込みをする。幾つか宿の名前を聞き出して、それから評判を聞く。そうやって必要な話を十数分で集めたら、エヴァンジェリカの所へと戻る。
一歩も動かず同じ場所で待ってるのを見ると思わず育ちが良いな、と思ってしまう。
「待たせたな。所で安宿と高い宿、どっちのが良い?」
両手で比べる様なジェスチャーを取ると、エヴァンジェリカの視線が迷わずに高い方へと向けられたのを見逃さなかった。が、次の瞬間には視線を逸らすように、
「えっと……私は安宿でも大丈夫ですよ?」
「良し、高い方だな」
『高い方ね』
「や、安宿でも大丈夫です!」
「ムリすんな。と言う訳で今夜はお高めの宿行くぞー」
「あの、本当に安宿でも大丈夫ですから! 寧ろ楽しみと言いますか、一度は経験してみたいと思っている……とか! あの、カシウスさん! 本当ですから!」
拳を握って力説するエヴァンジェリカを無視して歩き出すと小走りでエヴァンジェリカが追いかけて来る。未だにわたわたとしながら安い方でも全然大丈夫だと豪語しているが、下手に体調を崩されても困るから元からなるべく高い宿を取るつもりだったりする。
しばらくは文句を言いたそうな表情を浮かべてはいたが、やがて道端でタップダンスしながらヴァイオリンを弾く詩人の姿に目を奪われ、それから玩具で遊ぶ子供たちに視線を向け、見た事のない料理が並ぶ露店に視線が釘付けになる。
恐らくそれは彼女にとって見た事のないものの数々だった。宿へと向かう足を少しだけ緩め、エヴァンジェリカにそれを眺める時間を与えながら歩く。活気で満ちたこの街の姿を見ている限り、これが敵国だという意識を保つのは難しいだろう。
「エヴァンジェリカは―――」
「あ、エヴァで結構です。お父様やお母様はそう呼んでいましたし、カシウスさんもそのままでは呼び辛いでしょうし」
「あー……ならその好意に甘えて、エヴァはこういう祭りは初めてか?」
その問いにエヴァはそうですね、と声を零した。
「別に初めて……と言う訳ではないです。生誕祭や収穫祭などで度々王都では祭りが催される事があります。ですが基本的に私はどれも主催側であって、祭りと言えでも行われるのは貴族としてのパーティー等になるので」
「こっち側での参加は未経験?」
「はい……こうやって一般人側に混ざって祭りの中の街を歩く経験はありませんでした」
エヴァのその言葉に肩に降りてきたレノアが呟く。
『滅茶苦茶行儀の良い子ね……』
「セオなんて脱走の常習犯だったぞ」
『エリスも若い頃は相当やんちゃだったわよね』
「あぁ、セオとエリスに引っ張られて何時も俺が苦労し、生き絶え絶えになって死んでるレノアが後ろにいるのが俺達の基本陣形だったな……」
『嫌な陣形だったわね……』
今はレノアの体力のなさが改善してるかどうかは解らないが、あの頃のレノアは出不精で体力がまるでなかった。だからセオドリクやエリスに部屋から引っ張り出されると大体体力が直ぐに尽きて倒れていた……それを運ぶのは大体俺の仕事だった。
「お父様とお母様が?」
意外そうな表情をエヴァが浮かべる。
だが考えてみればエヴァの父、セオドリクは15の時エリスと婚姻し、その後は性格がだいぶ落ち着いた。エヴァが生まれたのがその3年後だと考えるとまだやんちゃだった頃の父の姿を知らなくても当然だろう。これはもしかして、話のネタになるのかもしれないと考えるも、
「……うーん、セオの名誉を守るために黙っておくべきか、それとも喋るべきか」
「お父様は一体何をしたんですか……?」
興味を示すエヴァの追及から逃れるように唸っていると目的の宿が見えてくる。聞いていた話ではこの町で一番の宿らしいが……確かに、外観は綺麗に留められ、商人用の馬房も備えてあるようだ。盛況な所を見ると評判通りの良さそうな宿だ。
「あそこだな。それじゃあさっさと部屋を取ろう」
「は、はい」
『緊張しなくても大丈夫よ。旅慣れてる奴がいるし』
エヴァを安心させるようにの肩に泊まりながら告げるレノアに彼女を任せつつ、宿に入る。それなりに広いロビーのテーブルには何人かの観光客の姿が見える。先ほど街道ですれ違った商人の姿も、此方に小さく手を振って挨拶してくる。
それに此方も軽く手を振って返しつつ、眼鏡をかけた青年のいる受付まで進む。
「娘がパパとは同じ部屋は嫌って言うんだ、二部屋取れるか?」
「ようこそ、ゲスト様……そして申し訳ありません、現在一部屋しか開いてなくて……」
港の方からやってきた商人が多いのだろうか? そこら辺りだろう。だとすると部屋が残っていて良かったというべきか。ちらり、とエヴァの方へ振り返る。
「そうか。俺と同じ部屋で大丈夫か? 嫌そうな顔はしてない……な! 良し、それじゃあその一部屋で頼む」
料金表を確認し、腰のポーチに手を入れて金貨数枚、身分証に再び金級を示すカードを取り出して提示し、それであっさりと部屋は取れる。部屋の鍵を受け取って宿の二階へ、エヴァが恐れる様な事は何もなく部屋に辿り着く事が出来た。
ここまで案内した受付の青年が去ったのを確認すると、レノアが部屋の周りを飛び回りながら魔術を行使し始める。窓から外の景色を確認し、追手が来た場合に備えて逃走経路を確認しておく。まだまだ追手への警戒は不要だとは思うが、最低限の確認をするのはクセに近い。
「……ふぅ」
溜息が聞こえ、振り返るとエヴァがベッドに座り込んで脱力していた。ここまでずっと被っていたフードを脱ぐとその下から長く、ウェーブのかかった銀髪が露わになる。その顔立ちと髪型に母親の面影を見てしまう。
『防音と感知の設定完了っと。これでこの部屋も多少は安心できるでしょ』
「お疲れ様。ここから表通りに繋がってるし、何かあった場合は直ぐに逃げられそうだ。中々悪くない立地だな」
馬房があるのも良い、必要なら馬を奪って逃げる事も出来る。その手の行為は後々名声やらなにやらに響いてくるので可能な限り回避したい所だが。
それにどうせ、追手にはまだ逃亡の事はバレてないだろう。
「……」
ちらりと脱力するエヴァの姿を見る。
「今日は体力の回復に努めて、明日はこの先必要なものを買いそろえる為に街を回る。それが終わったら君の体力次第でもう一日休むか、それとも出るか決める」
「いえ、私なら大丈夫なので! この後買い物に行きましょう!」
疲れた様子を見せないように拳をぎゅっと握ってエヴァがそう言うものの、疲労を表情から隠せていない。立ち上がろうとする姿に近づいて、肩をそっと抑えてベッドの上に戻す。ちちちち、と喉を鳴らしながらレノアが机の着地し、羽を繕う。
『ムリしない方が良いわよ。疲れてるのは見えてるし、これまで監禁されてて体調だってそんな良くないでしょ? これから追手を撒く為に雪原を超えたり森を抜けたりする必要があるわ。その時アンタの体調が悪いとこっちも困るのよ』
「それは……そう、ですね。申し訳ありません……」
レノアの言う事が正しいと解るとたっぷりと息を吐いてからベッドの上に腰を落ち着けた。その様子を見て俺も軽く安堵の息を吐く。正直、年頃の女の子の相手なんてどうすれば解らない。その説得をレノアが担ってくれるというのならこれ以上なく助かる。
「……」
「……」
言葉が途切れて、外から聞こえる音楽だけが部屋を満たす音になる。外へと視線を向ければ今でも祭りを楽しむ住民たちが飲んで踊って騒いでいる。春の到来を喜ぶ姿はこの先の未来に何の不安も抱いてないように思える。
実際の所、これほどまでに国境から離れ生きている彼らが心配すべきなのは飢えと魔獣被害ぐらいだろう。そのほかの問題の解決は大半国が請け負ってくれる。だから彼らは今、この国と隣の国で何が起きているのかを理解する事なく楽しく過ごせている。
羨ましい限りだ、というコメントを出すのは少々醜いか。視線を窓の外かr亜外し、現実へと意識を戻す。漸く休める所まで来たのだから、この少女と一度話し合う必要がある。
だからさて、と言葉を一度口にして止めた。それに反応したエヴァが視線を此方へと向ける。
「ここまで半日、歩き続けてお疲れ様。まだ少し余裕があるなら仮眠を取る前に少しだけ話し合いたいんだが……良いか?」
俺の言葉にエヴァは背筋を伸ばすと胸に手を当てて、頷いた。
「はい……そして改めて、ありがとうございます、カシウスさん。貴方がこうやって私を助け出してくれなければ私は今でもあの古城で密かに囚われていた所でしょう。その後どうなってしまうかは解りませんが……それはきっと、アストリアにとって好ましい事ではないのは確かでしょう」
だから、と続こうとする言葉を片手で制する。
「感謝するのは国境を越えてからにしてくれ。ここから追手を撒きながら国境を越えなきゃいけない……そのためにはこの帝国を横断する必要がある。そしてこれは簡単な事じゃない。途中で力尽きたり、見つかって連れ戻される可能性は決して低くない」
エヴァの言葉に被せるように彼女の不安を口にすれば、その瞳が不安と恐怖に揺れる。
「俺も当然、全力を尽くす。だが今回君の救出に迷わず飛び出したのは俺とレノアだけだ。恐らく王国の連中が君の救出のために動き出せるのはもっと後の話だろう。俺がここに来る前に見てきた限り、上はかなり混乱していた……話を纏めるまでにはもうしばらく時間がかかるだろう」
ただでさえ帝国と王国の関係は微妙だ。その中で表立って救出のための動きを作ろうとすれば、そのまま帝国と王国の本格的な衝突へと発展しかねない。既に前回の戦争から数十年が経過しているのだ……出来るだけこの状態を維持させたい。
「だからその言葉は取っておいてくれ。今はまだ、不要だ」
『脅すわねぇー』
「脅してない」
俺は当然の心構えの話をしているだけだ。未だに誰がこの誘拐事件の絵を描いたのかは不明だが、王族の拉致に成功するのは間違いなく王城内部に裏切り者がいる事の証明だろう。
……大方の犯人は予測が付くが。
それをあえて口にする必要はないだろう。今、その話をして無駄に不安がらせる必要もない。ある程度の緊張感は大事だが、それ以上はストレスにしかならない。ただでさえ長い道のりなのだ、このお姫様には余計なプレッシャーを与えたくはない。
「と、言う訳で、だ」
こほんと咳ばらいをする。
「ここまでロクに自己紹介も出来なかったからな。改めて俺が誰なのか、そしてどうして君を助けに来たのかを説明させて欲しい」
ここから先、帝国を横断して抜けるまでの間にどうしても彼女の理解と協力が必要だ。その為にも相互理解を深め、協力的になって貰う。正直余裕があるかどうかという話をすると、俺一人であれば何も問題はないというのが答えになる。
旅慣れていない、か弱い娘を一人守りながらこの雪原を越えなければならないのだ。
必然的に、彼女からの最大限の配慮と協力が必要だ。
その為にもまずは相互理解。自己紹介し、俺が完全なる味方である事を示さなければならない。ここまでの逃亡を手伝ったが、それもほとんど説明なしでの逃避行だ。これだけで安心させるには程遠いだろう。
「その、カシウスさん」
「あぁ、何かな」
一瞬、エヴァは言い淀むような表情を浮かべた。そう言えば歩いている途中で何か言いたそうにしていたのを思い出す。
「私は、貴方の事を知っています」
エヴァの言葉にそうか、と声が零れる。
「セオとエリスから俺の事を聞いてた?」
「はい、良く口々に居てくれれば……と零してました」
「……そうか」
溜息が零れる。俺の事なんか直ぐに忘れてしまえば良かったのに。
魔術によって背に固定されるように浮いている二本のクレイモアを手に取り、それを壁に立てかけるように置く。それから近くの椅子を引っ張って座る。
『アンタまさか自分の事が忘れられてるとでも思った?』
「忘れられてれば良いな、とは思ってた。娘に語る様な事でもないだろう、俺の事は」
『そう思ってるのはアンタだけって話ね。未だって昔を懐かしんで皆の名前を出すんだから……忘れられる筈もないでしょ』
そうだ、確かにそうだ。レノアの言う事は実に正しい。去って姿を消した程度では過去が消える訳でもないのだ。だからこそこうやって向き合う機会が与えられた時、逃げずに立ち向かう必要があるのだろう。
「―――公爵家出身の近衛騎士カシウス・ブラッドウッド……ですよね?」
自分の出自がエヴァの口から出た所で、本当に古い友人たちが自分の事を娘に語っていたのだろう、と少し恥ずかしい気持ちになる。一体どんな気持ちで俺の事を娘に伝えたのだろうか気になるが、もう既に二人とも死んでいる以上それを確かめる術はない。
「元だ、元騎士」
佳日の輝きはとうに過ぎ去って、それから残されたのはあの頃の思い出だけだ。だがそれも、今となっては過去というフィルターを通して美しく見えているだけだ。置いてきたものは既に過ぎ去って取り戻せない以上、後は腐って朽ちて行くだけの運命だ。
「改めて自己紹介させてくれ」
青春を過ごした友人の娘に告げる。
「カシウスだ、ただのカシウス。今は旅人をやっている」
今の俺に、それ以外の肩書はない。
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