勿忘草を置き去りに【鑑賞文】

結音(Yuine)

白い芍薬

 現実うつつには しろ芍薬しゃくやく つゆ


 .☆.。.:*・゚、


 芍薬の花をもらったの。

 つぼみはすぐに花開いたわ。

 大輪の花

 その美しさに目を奪われた。

 真っ直ぐに立つ茎と大きな

 すべての花弁が開いたと思ったら、

 一晩経っただけなのに

 花弁はみんな散っていたのよ。

 あぁ、

 白い芍薬の花は、わたしのもとでは永く咲き続けてはくれないのね。

 咲いたと思ったら、

 あっけなく散っていったわ。

 触れたら こぼれるように 花弁は 落ちた。



 わたしには手に入らなかったもの。

 あれだけほっしていたのに

 誰よりもほっしていたのに

 伸ばした手は届かなかった。



 散ってしまった 白い芍薬の花弁を拾い集めながら、

 わたしには手に入らなかったものへの憧憬も一緒に捨てた。



 .☆.。.:*・゚


 白い芍薬の花の花言葉


 「幸せな結婚」


 .☆.。.:*・゚




 https://kakuyomu.jp/works/16818093076745702135/episodes/16818093076747433081


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